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  • 2025年06月18日

【2025年義務化対応】建設・工事現場向けの具体的な熱中症対策や対策グッズをご紹介!

経営に役立つ知識
【2025年義務化対応】建設・工事現場向けの具体的な熱中症対策や対策グッズをご紹介!

建設現場はさまざまな危険が伴いますが、なかでも熱中症はここ数年で大きな問題として挙げられるようになりました。厚生労働省の発表によると、全産業のなかで建設業の熱中症による死傷者数がもっとも多く、とくに死亡者数は約35%を占めるほどですから効果的な対策が求められます。そこで、現場管理者が行うべき熱中症対策や熱中症リスクを軽減できるグッズを紹介します。

熱中症の基礎知識

はじめに、熱中症の基本的な知識について確認しておきましょう。

熱中症とは?

中症とは、高温多湿な環境下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能がうまく働かなくなったりすることで起こる、様々な体調不良の総称です。体温が上がりすぎると、臓器に深刻なダメージを与え、最悪の場合、死に至ることもあります。

 

熱中症の発生原因

建設現場で熱中症を引き起こす原因には、以下に挙げる身体・環境・行動があり、それぞれが複雑に絡み合って発生します。

・身体…年齢、性別、体調、暑さへの慣れの程度など
・環境…気温、湿度、コンクリートやアスファルトからの照り返しなど
・行動…休憩の有無、活動強度、持続時間など

建設現場は、日陰のない炎天下での作業はもちろん、空気の流れが少なく高温になりやすい鋼矢板内の作業など、熱中症を引き起こしやすい環境にあります。

本来、私たちの体には発汗により体温を下げる調節機能が備わっていますが、高温の環境に長くいるとうまく機能せずに体温が上昇してしまいます。また、汗をかきすぎて体内の水分や塩分が失われてしまうことも熱中症になる原因のひとつです。

 

熱中症の症状

熱中症の症状は、軽症・中等症・重症の3つに分けられます。軽症は、現場での応急処置で対応できる程度の症状です。気分が悪くなったり手足がしびれたりするほか、いわゆる立ちくらみ、こむら返りなどの症状が出ることもあります。中等症は、病院への搬送を必要とする状態です。頭痛や吐き気、嘔吐などの症状が見られるほか、力が入らなかったり、軽い意識障害を伴ったりすることがあります。

重症は、入院して集中治療を行う必要がある状態です。呼びかけても反応が薄く、全身がけいれんする場合もあります。高体温になっていることがほとんどで、内臓の障害を伴うこともあります。

 

熱中症になりやすい環境・人の特徴

熱中症は、以下のような環境や条件が重なることで発生しやすくなります。

高温多湿な環境:気温が高いだけでなく、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体温が下がりにくくなります。
風通しの悪い場所:建設現場の囲われた空間、工場内の密閉された場所などは、熱がこもりやすいです。
直射日光の当たる場所:屋外作業では、太陽光からの輻射熱を強く受けます。
体調が悪い時:寝不足、疲労、風邪気味、二日酔いなどは、体温調節機能が低下しやすくなります。
持病がある方:高血圧、糖尿病、心臓病などの持病がある方は、より注意が必要です。
高齢者や持病のある方:体温調節機能が低下していたり、暑さを感じにくくなっていたりすることがあります。

 

WBGT(暑さ指数)とは

熱中症の危険度を判断する上で、最も重要な指標がWBGT(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)です。これは、気温、湿度、輻射熱(地面や建物からの熱)、気流を取り入れた総合的な指標で、人体の熱バランスに与える影響を数値で示します。

WBGTは、環境省の「熱中症予防情報サイト」などで常に確認でき、場所ごとの予測値も提供されています。現場にWBGT計を設置し、数値に応じた適切な行動(休憩時間の延長、作業の中止など)を取ることが、熱中症予防の基本となります。

 

【義務化対応】現場管理者が取り組むべき熱中症対策の具体策

2025年6月からの熱中症対策の義務化は、企業に具体的な行動を求めています。単なる努力義務ではなく、違反した場合には罰則が科される可能性もあります。ここでは、現場の安全を守るために、管理者が必ず取り組むべき具体的な対策を解説します。

作業環境の整備

気候の変化に伴い建設現場の作業環境は変化しているため、作業環境の整備がとても大切です。たとえば、日光を遮るための簡易的な屋根やテントの設置、空気の流れを作るための大型送風機やミストファン、スポットクーラーなどを熱中症対策として設置する現場も増えてきました。

現場によっては、空調服を支給しているところもあります。環境整備にあまりお金をかけられない場合は、温度計や湿度計を現場に設置して注意喚起をするのも手軽にできる施策として有効です。

 

作業時間の管理

高温多湿になりがちな夏場の建設現場では、作業時間の短縮や休憩時間の延長を考慮する必要があります。通常は昼休憩と午前・午後の小休憩としている現場も、熱中症が心配される時期は1時間に1回の休憩を取り入れてみてはいかがでしょうか。また、早出や早帰りなどの仕組みを導入し、できるだけ涼しい時間から作業を開始するように工夫している現場もあります。コストをかけずにできる熱中症対策なので優先的に検討してみましょう。

 

水分・塩分を摂取しやすい環境を整える

脱水症状は、自分で気づかないうちに進んでいる場合もあるので、現場管理者が声がけを行なって水分と一緒に塩分も補給してもらいましょう。

たとえば、エネルギーと塩分の補給を目的として、バナナに塩をかけた「塩バナナ」を配布している現場もあります。電源のない現場では、休憩場所に冷凍したスポーツドリンクを常備するなど、現場の状況に合わせた工夫が見られます。また、現場事務所や休憩場所に塩飴を置いて誰でも手に取れるようにしておいたり、朝礼時に配布したりするのも良いかもしれません。

 

作業員の健康状態の確認

現場で働く人たちが熱中症にかからないためには、普段から健康管理を徹底することが大切です。そのためには、作業開始前や作業中の健康確認を行いましょう。

たとえば、健康状態に関する自己チェックシートに記入や、職長の聞き取りによる体調管理を行う方法もあります。また、熱中症の危険性がある気象条件の日は、通常よりも作業中の巡回を増やすようにし、作業員の健康状態をしつつ水分補給を呼びかけることも大切です。

 

作業員の意識を高める

作業員への定期的な研修は、熱中症の危険性、具体的な予防策、そして初期症状に関する正しい知識と対処法を作業員全員が深く理解するために不可欠です。講習会や安全ミーティングを定期的に実施し、実践的な情報を提供しましょう。

また、現場の安全意識を高めるためには、熱中症対策のポスター掲示や注意喚起が効果的です。特に作業員の目に触れやすい場所に予防に関するポスターを掲示し、常に意識づけを促しましょう。

さらに、厚生労働省などの公的なガイドラインや情報を積極的に活用し、周知徹底を図ることで、信頼性の高い情報に基づいた対策を講じることができます。例えば、厚生労働省が発行している「熱中症予防対策マニュアル」などは、現場での具体的な取り組みに役立つでしょう。

 

気象情報の収集

6月~9月の熱中症が発生しやすい季節は、天気予報などを小まめにチェックして作業員の健康を守ることが欠かせません。そのためには、行政機関の情報を確認することもひとつの方法です。

たとえば、気象庁では、リアルタイムで全国各地の気温の予測情報や高温に関する注意情報を提供しています。また、環境省では3時間ごとの暑さ指数の予測値を公開しています。当日から3日後までの予測値のため、建設現場でも役立つでしょう。

 

万が一に備える!熱中熱中症発生時の応急処置と連絡体制

熱中症を疑うサインと初期対応

「いつもと様子が違う」「顔色が悪い」「汗をかいていないのに高体温」など、少しでも異変を感じたら、すぐに以下の応急処置を行いましょう。

涼しい場所へ移動:日陰や冷房の効いた場所、風通しの良い場所へ移動させます。

衣服を緩める:首元や体を締め付けている衣服を緩め、体を楽にします。

体を冷やす:露出した皮膚に水をかけたり、濡らしたタオルで拭いたりして、うちわや扇風機で風を当てて体を冷やします。特に、首、脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている場所を冷やすと効果的です。

水分・塩分補給:意識がはっきりしていれば、経口補水液やスポーツドリンクを少しずつ飲ませます。ただし、意識がない場合は絶対に飲ませてはいけません。

 

救急車を呼ぶ判断基準と連絡時の注意点

以下の症状が見られた場合は、すぐに救急車(119番)を要請してください。

  • 意識がない、反応がおかしい
  • けいれんしている
  • 体が熱く、汗をかいていない
  • 自力で水分補給ができない
  • 呼びかけに応じない

救急車を呼ぶ際は、以下の情報を冷静に伝えましょう。

  • 熱中症の症状や発生状況
  • 患者の意識レベル
  • 現場の正確な住所や目印

 

現場での緊急連絡網の確認と周知

緊急時に備え、責任者、医療機関、作業員の家族などへの緊急連絡網を事前に整備し、全員がいつでも確認できるよう周知徹底しておきましょう。定期的に連絡網の確認を行い、更新しておくことも重要です。

 

現場の熱中症対策に効果的なグッズ

現場管理者が押さえておきたい熱中症対策に効果的なグッズをピックアップしましたので1つずつ見ていきましょう。

WBGT計

気温・湿度・輻射熱の3つから算出される暑さ指数(WBGT)を計る計測機です。WBGT計を使用することで現場の状況確認ができるので、熱中症のリスクを抑えるのに役立ちます。ちなみに、暑さ指数が28℃を超えると熱中症の発生リスクが高まるとされています。

 

空調服

服に付いた小型のファンで外気を服の中に取り込み、汗が蒸発する際の気化熱によって涼しさを得られる製品です。快適に作業できると評判で、作業効率の維持向上が期待できます。

 

アイスベスト

脇の下や背中にあるポケットに保冷剤を入れられる熱中症対策用ベストです。空調服と組み合わせて着用することで、より一層高い効果を得られます。

 

コンプレッションシャツ・パンツ

身体に適度な圧力がかかるコンプレッションは、汗の吸収と発散に優れていて、気化熱によって涼しく感じられるのが特徴です。下着が蒸れて不快になるのも防げます。

 

ヘルメットインナー

ヘルメットの中にかぶる薄手のインナーキャップです。とくに、夏場のヘルメットの内側は汗で蒸れやすいですが、速乾性に優れたヘルメットインナーがあれば快適に作業できます。

 

ネッククーラー・クールタオル

水に濡らして絞るだけで冷たさを感じるクールタオルや、首にかけるタイプのネッククーラーは手軽に体温を下げられます。

 

冷却スプレー

休憩時や作業中に、体の火照りを感じた際に手軽に使用できます。

 

保冷機能付き水筒

大容量で保冷効果の高い水筒は、冷たい飲み物を長時間キープできます。

 

携帯用ウォータークーラー

大規模な現場や電源が確保できる場所では、大人数に対応できるウォータークーラーや製氷機が便利です。

 

携帯用塩分チャージタブレット

ポケットに入れておける手軽さで、こまめな塩分補給を促します。

 

アイススラリー

シャーベット状の飲料で、体の中から効率的に体を冷やし、深部体温の上昇を抑える効果が期待されます。

 

まとめ:安全な現場は「対策」から生まれる

現場における熱中症対策は、もはや単なる「努力」ではなく、「義務」となります。大切な作業員の命と健康を守ることは、企業の社会的責任であり、持続的な事業活動の基盤です。

この記事でご紹介した様々な対策やグッズ、そして2025年6月から施行される義務化への具体的な対応策を参考に、ぜひ貴社の現場の熱中症対策を今一度見直してみてください。

 

安全な環境を維持するなら余計な作業の手間を省くことも重要

ここまで、現場での熱中症対策について詳しくご紹介しましたが、実は熱中症のリスクは現場だけにとどまりません。現場作業のあとに、長時間の事務作業が続いてしまうと、睡眠時間が削られ、翌日の作業にも差し障ってきます

たとえば、こんな状態になっていませんか?

・日報のExcel入力や労務費の集計に時間がかかり、本来の仕事以外の作業に追われている
・見積書・請求書・発注書などの書類作成がバラバラで、管理も煩雑になっている

もし思い当たることがあれば、原価管理ソフトの導入を検討してみるのも一つの手です。

プラスバイプラスの原価管理ソフト「要 〜KANAME〜」なら、工事台帳を中心に、見積・請求・労務費などの情報を一元管理。バラバラだった業務が1本につながることで、無駄な作業や手戻りが大幅に減ります。

また、日報もスマホから簡単に入力・送信できるため、現場終わりの面倒な事務作業から解放され、しっかり休息を取れる環境づくりにもつながります。

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現場の熱中症についてよくある質問

建設現場ではどのような熱中症対策が必要ですか?

作業時間の管理や作業員の健康状態の確認は、現場や企業の規模にかかわらず行うべきです。熱中症リスクが高まる場合、休憩時間を通常時よりも長めに設定したり、朝礼時や昼休憩の際に作業員の健康状態を確認したりすると良いでしょう。また、水分や塩分の補給も欠かせないので、職長や現場管理者からの積極的に声がけを行い、作業中でも補給できる体制を整えることが大切です。

 

建設現場の熱中症対策に使えるアイテムを教えてください。

人気が高まっているのが空調服です。小型ファンで外気を服の中に取り込むため、暑さを軽減した状態で作業できます。ポケットに保冷剤を入れられるアイスベストと組み合わせることで、さらに涼しさを得られるでしょう。また、コンプレッションを使用したシャツやパンツ、ヘルメットインナーなども販売されています。吸汗と速乾に優れた素材を使用しているため、快適性を保ったまま作業を進められるでしょう。

 

休憩所がない建設現場ではどのような熱中症対策が有効ですか?

作業車を休憩所代わりに使用している建設現場が多く見られます。エアコンだけでは冷えにくいという場合は、直射日光を遮るためにサンシェードを窓部分に取り付けるのも有効です。また、諸事情によって休憩所を設置できなくても、トラックに積んだコンテナハウスを休憩所として利用するケースもあります。コンテナハウスとはいえ、エアコンや冷蔵庫を装備していれば立派な熱中症対策になるでしょう。

 

休憩時間はどのくらい取るべきですか?

WBGT値や作業強度によって異なりますが、一般的には、1時間の作業につき10~15分程度の休憩が推奨されます。特にWBGT値が高い場合は、さらに頻繁に休憩を取る、休憩時間を長くするなどの対応が必要です。

 

冷たい飲み物ばかり飲んでも大丈夫ですか?

はい、問題ありません。むしろ、冷たい飲み物は体温を下げる効果も期待できます。ただし、一度に大量に摂取すると、胃に負担をかけることもあるので、こまめに少しずつ飲むようにしましょう。

 

 

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