- 2026年10月05日
建設業の人材確保とは?採用・求人・教育・定着のポイントを解説
経営・集客・採用

建設業では、人手不足が経営や現場運営の課題として語られることが少なくありません。求人を出しても応募が集まらない、採用できても仕事に慣れる前に辞めてしまう、といった悩みを抱える会社も多いのではないでしょうか。
ただ、人手不足は求人を出すだけでは解決しないことがあります。採用した人が現場で育ち、長く働き続けられてはじめて、人材が確保できたといえるからです。
この記事では、建設会社や設備工事会社の経営者・管理者の方に向けて、人材確保を「採用・教育・定着」の一連の流れで整理します。各テーマの詳しい内容は、関連記事で確認できるようにしています。自社がどこでつまずいているのかを考える手がかりにしてください。
監修:室田茂樹
株式会社プラスバイプラス 代表取締役
コンテンツ
建設業で人材確保が重要になっている理由
建設業では、人手不足が経営や現場運営に影響しやすい課題になっています。人が足りない状態が続くと、次のような影響が出てきます。- 一人あたりの負担が増え、残業や休日出勤が増えやすくなる
- 人員の都合で、受注できる工事の量が限られてしまう
- ベテランの技術を引き継ぐ前に、世代交代の時期を迎えてしまう
施工管理における人手不足の背景や現場への影響については、施工管理の人手不足が深刻になる背景や現場への影響、今すぐ取り組める対策で詳しく解説しています。
建設業の人材確保は「採用・教育・定着」で考える
人材確保を考えるときは、次の3つを切り離さず、一つの流れとして捉えることが重要です。人材を採用する
まず、自社に必要な人材像をはっきりさせます。そのうえで、自社に合った求人方法を選び、仕事内容や職場の魅力を求職者に具体的に伝えます。採用した人材を育てる
採用した人が一人前になるには、現場での教育が欠かせません。OJTを通じて技術や知識を身につけてもらうことになりますが、特定のベテラン社員だけに任せきりにならない体制づくりが必要です。長く働ける環境を整える
職場環境、社内のコミュニケーション、教育体制、評価の仕組み、将来のキャリアの描きやすさなどが、定着に影響します。この3つは互いにつながっています。たとえば、採用段階で仕事内容を伝えきれていないと入社後のミスマッチにつながり、教育の仕組みが弱いと早期の離職につながりやすくなります。どれか一つだけを強化しても、人材確保が思うように進まないことがあります。
建設業で人材を採用するポイント
求める人材を明確にする
「誰でもよいから来てほしい」という状態では、求人の内容が曖昧になり、応募者にも響きにくくなります。経験者なのか未経験者なのか、若手を育てたいのか、有資格者がすぐに必要なのかなど、まずは社内で求める人材像を整理しておきましょう。たとえば、現場をすぐに任せられる経験者が必要な会社と、数年かけて育てる前提で若手を迎えたい会社とでは、求人の出し方も伝えるべき内容も変わります。
自社の仕事内容や魅力を具体的に伝える
求職者は、給与や待遇だけで会社を選ぶわけではありません。- どのような工事を担当するのか
- どのような技術が身につくのか
- どのような働き方になるのか
応募が集まりにくいと感じている場合は、水道工事業者の採用が難しいとされる理由と成功のコツのように、採用が難しい背景を踏まえて自社の伝え方を見直してみるのも一つの方法です。
採用したい人材に合わせて求人方法を選ぶ
求人の手段は、求人サイトだけではありません。採用したい人材によって、向いている方法は異なります。求人サイトを活用する場合は、業種によって使いやすい媒体が異なるため、水道工事業者が使える求人サイトや管工事会社が使える求人サイトで特徴を確認しておくと選びやすくなります。また、電気工事の分野であれば、電気工事業界の効果的な採用方法と成功のポイントのように、業界ごとの採用の考え方を知っておくことも参考になります。
採用した人材を現場で育てる
採用がうまくいっても、仕事を覚えられない状態が続けば、本人も周囲も苦しくなり、定着しにくくなります。建設業では、現場で技術や知識を身につける場面が多くあります。そのため、OJTを含む現場教育が人材育成の中心になりがちです。ここで注意したいのは、教える人によって内容や進め方が大きく変わってしまうことです。「見て覚えろ」という教え方だけに頼ると、新人は何を身につければよいのか分からず、教える側の負担も大きくなります。
何をどの順番で教えるのか、誰がどこまで関わるのかといった教育の進め方を整理しておくと、教える人が変わっても一定の質を保ちやすくなります。現場教育の意義や進め方、成功のコツは、現場教育のメリットや進め方、うまくいかせるコツで詳しく解説しています。
採用した人材に長く働いてもらうためには
せっかく育てた人材が辞めてしまうのは、会社にとって大きな損失です。定着を考えるときは、次のような観点で職場を見直してみましょう。- 働きやすい職場環境:現場の安全面や休日の取りやすさなど、無理なく働き続けられるか
- コミュニケーション:困ったときに相談しやすい雰囲気があるか
- 教育体制:入社後に放置されず、段階的に成長を支援してもらえるか
- 評価や役割の明確化:何をすれば評価されるのかが分かるか
- 将来のイメージ:数年後の自分の姿を思い描けるか
若手社員が長く働ける職場づくりを考える際は、若手が離職する理由や、定着につながる職場づくりの取り組みもあわせて整理しておくと、自社の課題が見つけやすくなります。
人手不足は採用だけで解決するとは限らない
採用市場の状況によっては、必要な人数をすぐに確保できないこともあります。そのため、人を増やす努力と並行して、今いる社員の負担を減らし、少ない人数でも仕事を回しやすくする視点も欠かせません。たとえば、次のような取り組みが考えられます。
- 業務の進め方を見直し、生産性を高める
- 現場と事務所の間の情報共有をスムーズにする
- 書類作成や転記など、手間のかかる事務作業を減らす
まとめ
建設業の人材確保は、求人を出して終わりではありません。採用・教育・定着を一体で考えることが大切です。人手不足が続く場合は、採用だけに頼らず、業務効率化など今いる社員の負担を減らす取り組みも含めて検討しましょう。最初の一歩として、自社の課題が「採用」「教育」「定着」のどこにあるのかを整理してみてください。応募が集まらないのか、入社後に育たないのか、育っても辞めてしまうのかが分かれば、読むべき関連記事も、取り組む順番も見えてきます。





