- 2026年10月19日
設備工事の見積・積算ソフトおすすめ10選|空調・衛生・管工事向けを比較
見積り・積算

設備工事向けの見積・積算ソフトは、対応している工種(電気・空調・衛生・管工事など)や、材料データの有無、図面からの拾い出し機能、原価管理への対応範囲によって、向いている会社が大きく異なります。
この記事では、設備工事向けの見積・積算ソフト10製品を共通の比較軸で整理し、それぞれがどのような工事会社・業務課題に向いているのかを紹介します。あわせて、選定時に確認したいポイントや導入前のチェック項目もまとめていますので、自社の工種と課題に合う製品を絞り込む際の参考にしてください。
監修:室田茂樹
株式会社プラスバイプラス 代表取締役
コンテンツ
設備工事向け見積・積算ソフトおすすめ10選【比較表】
比較表では、次の5つの軸で10製品を整理しています。対応工種:電気・空調・給排水衛生・管工事など、どの工種を想定した製品か
材料データ・積算機能:材料マスタ、単価、歩掛、複合単価の扱い
対応業務:見積書作成のほか、数量の拾い出し、実行予算、請求、原価管理などの範囲
価格・導入形態:公開されている価格と、インストール型・クラウド型などの形態
おすすめの事業者:どのような工事会社・課題に向いているか
掲載順は優劣を示すものではなく、「材料データを使って見積書を作るタイプ」「図面から数量を拾うタイプ」「大規模案件や案件管理まで扱うタイプ」の順に、用途が近い製品をまとめています。価格は公式サイトで確認できたもののみ記載し、確認できなかったものは「要問い合わせ」としています。
| 製品名 | 対応工種 | 材料データ・積算機能 | 対応業務 | 価格・導入形態 | おすすめの事業者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 見積りプラス | 電気・空調・衛生(組み合わせ可) | 約20万点のメーカー材料データ、歩掛、複合単価登録 | 見積書作成、請求書作成、顧客・案件管理、原価計算書の作成 | 要問い合わせ/インストール型(Windows 11) | 複数の設備工事の見積りを1つのソフトで作りたい会社、CADを使わずに見積書を作りたい会社 |
| 見積CRAFT DX LT | 電気版・空調衛生版・総合版 | 部材単価・工数を登録済み、公共建築工事積算基準の歩掛を登録 | 見積書作成(部材を選び数量を入力) | 電気版・空調衛生版132,000円、総合版165,000円(いずれも税込)/インストール型 | 官公庁工事の見積書も扱う電気・空調衛生の会社 |
| 見積Goo! | 機械設備(給排水・空調・衛生)・電気・建築・総合 | 材料データ、国土交通省準拠の複合単価 | 見積書作成 | 機械・電気・建築各88,000円、総合220,000円(いずれも税込)/インストール型 | 低価格で設備の見積ソフトを始めたい会社 |
| せつびやさんV5 | 管・設備工事(配管・空調・給排水衛生・保温塗装など) | 約19,000件の材料マスタ、歩掛・複合単価の同時計算 | 見積書作成、Excelデータ取り込み | 月額13,200円(1ライセンス・税込)/買取版は要見積り/インストール型 | 管工事・水道工事を中心に、月額で導入したい会社 |
| 楽王Crew/楽王Link | 建築・電気設備・機械設備 | 全日出版社の積算実務マニュアルの単価情報を収録 | 見積書作成、過去見積の共有、協力会社見積の取り込み(Link) | Link月額14,800円〜(税込)/要確認 | 少人数での積算から、組織での見積共有まで段階的に始めたい会社 |
| PLANEST Bitz | 電気・空調・給排水・ダクト | 公共建築工事積算基準に準拠、複合単価見積に対応(構成による) | 見積書作成、実行予算(拾い出しは別製品) | 要問い合わせ/インストール型 | 拾い出し担当と見積作成担当が分かれている会社 |
| みつもりくんdee | 電気設備・機械設備(民間工事向け) | 積算実務マニュアルをベースにした単価・歩掛マスタ | 図面からの拾い出し、見積書作成 | 要問い合わせ/インストール型(サーバー運用も可) | 図面から数量を拾い、そのまま見積書まで作りたい会社 |
| PICK-UP | 空調・衛生(電気は姉妹製品) | 拾い集計データから見積書を作成、機器掛け率表など | 図面からの拾い集計、見積書作成、実行予算書作成 | 要問い合わせ | 空調・衛生の拾い出しから実行予算まで一貫して処理したい会社 |
| Tetra21 | 建築・電気・給排水衛生・空調・昇降機 | 部材マスターは64万部材以上の登録に対応、国土交通省基準の自動歩掛計算 | 見積作成・見積査定・見積管理、実行予算 | 要問い合わせ/クライアント/サーバ型 | 大規模案件や複数拠点で見積データを管理したい会社 |
| サクミル | 建設業全般 | 材料マスタ・歩掛は公式サイトで確認できず | 見積書・請求書作成、実行予算・原価管理、案件管理、日報 | 月額10,780円〜(税込)/クラウド型 | 見積りと案件・原価・日報をまとめて管理したい小規模〜中規模の会社 |
| 目的 | 候補になりやすい製品 |
|---|---|
| 材料検索や単価・歩掛の計算を効率化したい | 見積りプラス、見積CRAFT DX LT、見積Goo!、せつびやさんV5、楽王 |
| 図面からの数量拾い出しを効率化したい | みつもりくんdee、PICK-UP、PLANESTシリーズ(別製品との組み合わせ) |
| 電気・空調・衛生など複数工種の見積りを扱いたい | 見積りプラス、見積CRAFT DX LT(総合版)、見積Goo!(総合版)、Tetra21 |
| 見積書から請求書・原価計算書の作成まで効率化したい | 見積りプラス |
| 実行予算や工事ごとの原価・案件を管理したい | サクミル |
| 拾い出しから実行予算書の作成まで対応したい | PICK-UP、PLANESTシリーズ(製品・構成による) |
設備工事向け見積・積算ソフトおすすめ10選を詳しく紹介
見積りプラス
製品の概要
見積りプラスは、株式会社プラスバイプラスが提供する、電気・空調・衛生設備工事向けの積算見積りソフトです。CADを使わずに見積書を作成できる見積専用ソフトで、メーカー材料データや歩掛を使った見積作成を想定しています。主な機能・特徴
- 電気・空調・衛生設備の見積りを、1つのソフトで組み合わせて作成・管理できます。
- 約20万点のメーカー材料データを搭載し、登録済みの歩掛をもとに労務費・経費・法定福利費を計算できます。
- よく使う材料や作業を組み合わせた複合単価を、工事や元請けの条件に合わせて登録できます。
- 見積書の情報から請求書を作成でき、原価計算書も見積り・請求の作成と同時に作成されます。
- 顧客・現場ごとに案件情報を登録し、過去の見積りや受注状況を確認できます。
料金・費用
価格は公式サイトでは公開されておらず、業務内容に合わせた見積りとなります。導入までの流れとして、デモ体験や使用状況のヒアリングを経て見積金額が案内されます。こんな事業者におすすめ
- 電気・空調・衛生のうち複数の工種の見積りを手がけ、ソフトやデータが工種ごとに分かれている会社
- 材料のカタログ検索や単価・歩掛の計算に時間がかかっている会社
- 現在使っているCADや図面作成の方法を変えずに、見積業務だけを効率化したい会社
- 見積書の作成に加えて、請求書や案件ごとの原価情報も同じソフトで扱いたい会社
見積CRAFT DX LT
製品の概要
見積CRAFT DX LTは、株式会社インフィールドが提供する建築設備の見積ソフトです。部材を選択して数量を入力すると、労務費・材料費・同上付属品が自動計算される仕組みで、電気版・空調衛生版・総合版があります。主な機能・特徴
- 国土交通省「公共建築工事積算基準(令和6年度版)」の歩掛が登録されています。
- 別売の積算基準・建設物価などの単価データを読み込んで、単価を更新できます。
- 材料費と労務費を横並びにした見積書など、空調衛生設備でよく使う形式にも対応しています。
- 法定福利費を内訳書に明示でき、帳票のテンプレートも編集できます。
- 見積書をExcelファイルに書き出せます。
料金・費用
電気版・空調衛生版は132,000円(税込)、総合版は165,000円(税込)です。マスタ自動同期はオプションとされています。単価データは別売です。こんな事業者におすすめ
- 電気、または空調・衛生のどちらかに絞って、材料を選びながら見積書を作りたい会社
- 公共建築工事の積算基準に沿った見積書を作る機会がある会社
見積Goo!
製品の概要
見積Goo!は、アクアソフト株式会社が提供する設備工事向けの見積ソフトです。機械設備版(給排水・空調・衛生)、電気設備版、建築工事版、3つをまとめた総合版があり、戸建住宅の設備工事から、官庁工事の下請工事、ビルやマンションの新築・改修まで、幅広い工事を想定しています。主な機能・特徴
- 機械設備版には、配管・弁類・継手・保温材・衛生器具などの材料データのほか、国土交通省準拠の複合単価が搭載されています。
- 電気設備版には、電線管・ケーブル・照明器具・分電盤などの材料データと複合単価が搭載されています。
- 機械設備版のメーカーマスタは、TOTO・INAX・ダイキン・三菱の製品の抜粋です。
- オンライン体験や体験版が用意されています。
料金・費用
機械設備版・電気設備版・建築工事版は各88,000円(税込)、総合版は220,000円(税込)です。増設ライセンスは、ライセンス数に応じた価格が公開されています。こんな事業者におすすめ
- 初期費用を抑えて、設備工事の見積ソフトを導入したい会社
- 機械設備・電気・建築のうち、必要な工種のソフトだけを選んで導入したい会社
せつびやさんV5
製品の概要
せつびやさんV5は、株式会社ビジネス・ワンが提供する管・設備工事向けの積算見積ソフトです。全日出版社の「機械設備工事積算実務マニュアル」をもとにした約19,000件の材料マスタと、公共工事設計労務単価を用いた複合単価が標準搭載されています。主な機能・特徴
- 工事の条件設定から印刷・保存までを順に進められる「見積作成ガイド」が搭載されています。
- 歩掛見積と複合見積を同時に計算できます。
- Excelの発注表や見積書から、名称・規格・単位・単価・数量などを取り込めます。
- 会社独自の材料や価格を登録するオリジナルマスタを作成できます。
- 見積データをPDF・Excel形式で出力でき、インボイス制度に対応した帳票形式があります。
料金・費用
月額版は、1ライセンスで月額13,200円(税込)です(月額版は利用開始月から3か月は解約できません)。買取版は、ソフト本体(1ライセンス)の製品価格が550,000円(税込)で、保守やセットアップ作業は別途費用がかかります。こんな事業者におすすめ
- 配管工事・水道工事・空調衛生工事の見積りを手がける会社
- まず月額で試して、運用が合えば継続したい会社
楽王Crew/楽王Link
製品の概要
楽王シリーズは、アークシステム株式会社が提供する積算・見積ソフトです。個人の作業効率を重視した「楽王Crew」と、組織での共有を重視した「楽王Link」があります。主な機能・特徴
- 全日出版社の「電気工事積算実務マニュアル」「機械工事積算実務マニュアル」の情報を標準で収録しているとされています。
- Crewは、Excelに近い操作感で、階層のある見積りにも対応します。
- Linkは、過去見積や単価データの組織内共有、協力会社から受け取った見積りの取り込み、図面や関連ファイルの紐付け管理に対応します。
- 図面拾い出しソフト「ヒロイくん」シリーズも同シリーズにあります。
料金・費用
Crewは月額8,800円(税込)、Linkは月額14,800円(税込)からとされています。追加の更新費用はかからないと紹介されています。こんな事業者におすすめ
- 少人数から月額で始めたい会社
- 担当者ごとに異なる見積内容や単価を、組織で標準化したい会社
PLANEST Bitz
製品の概要
PLANEST Bitzは、株式会社コスモ・ソフトの設備積算システム「PLANEST」シリーズの見積システムです。同シリーズの「ef」から、見積明細の編集機能だけを抜き出した製品で、データやマスターはefと互換性があります。主な機能・特徴
- 電気・空調・給排水設備・ダクト工事を対象とする、公共建築工事積算基準に準拠した見積システムです。
- 拾い出し後の見積処理を自動化でき、複合単価見積や実行予算にも対応します(構成により、一部はオプションです)。
- efで作成した見積明細の編集もできます。
- 図面からの拾い出しは、図面拾いシステム「PLANEST P's」で行う構成です。
料金・費用
製品・ライセンス数・サポート内容などの構成によって異なるため、問い合わせが必要です。こんな事業者におすすめ
積算部門が拾い出しを行い、営業担当や現場担当が見積書の作成・変更を行う会社PLANEST Bitz製品紹介ページ
みつもりくんdee
製品の概要
みつもりくんdeeは、株式会社コンプケアが提供する、電気設備・機械設備の民間工事向けの積算見積作成システムです。CADデータやスキャンした図面データを読み込み、パソコン上で拾い出しから見積書作成までを行えます。主な機能・特徴
- 図面データ(PDF・DXF・TIFF)を読み込み、マウスで数量を拾えます。平面だけでなく立面の拾いにも対応します。
- 全日出版社の積算実務マニュアルをベースにした単価・歩掛マスタ(一部に独自データを含む)から、材料費・労務費が自動計上されます。
- サーバーを用意すれば、複数のパソコンで見積データを一元管理し、同時に拾い作業を行えます。
- 3D CAD「Rebro」で作図した設計図の拾い情報を取り込む連携機能があります。
- 見積書や拾い集計表をExcel形式で出力できます。
料金・費用
公式サイトには価格の記載がないため、問い合わせが必要です。こんな事業者におすすめ
- 図面からの数量拾いに時間がかかっている電気設備・機械設備の会社
- Rebroで設計し、その拾い情報から見積りを作りたい会社
PICK-UP
製品の概要
PICK-UPは、株式会社カンキョウエンジニアリングが提供する空調・衛生設備の積算システムです。数量の拾い出しから見積書作成、実行予算書作成までを一貫して処理できるとしています。電気設備向けには「mr.DEN」、実行予算向けには「C-Plan」などの姉妹製品があります。主な機能・特徴
- 図面上をクリックして数量を拾い、拾った箇所は用途別に色分けされます。
- 拾いデータと図面上の軌跡が連動し、拾い数量から該当箇所を確認できます。
- 冷媒管の記号を拾う機能や、変更図面に拾い軌跡を重ねて変更箇所を確認する機能があります。
- 機器の掛け率表、赤チェック表、仕訳分類など、見積書作成のための機能があります。
- 見積書データはExcelに変換でき、複数の出力書式を登録できます。
料金・費用
公式サイトには価格の記載がないため、問い合わせが必要です。こんな事業者におすすめ
- 空調・衛生設備の拾い出し作業に多くの時間がかかっている会社
- 拾い出しから実行予算まで、同じシステムで処理したい会社
Tetra21
製品の概要
Tetra21は、株式会社日本オープンシステムズが提供する、建築・設備(電気・給排水衛生・空調・昇降機)の見積り積算システムです。1台のパソコンから、全国の本支店をネットワークでつなぐ運用まで想定した、クライアント/サーバ型のシステムです。主な機能・特徴
- 部材ウィンドウから見積書ウィンドウへ、ドラッグ&ドロップで部材を入力できます。
- 部材マスターは64万部材以上、物件登録は10万件以上に対応します。
- 見積書の画面に8種類の数量・単価・金額を保持でき、設計見積から提出見積、実績までを確認できます。
- 類似物件の抽出や内訳明細の検索など、蓄積した見積データを活用する機能があります。
- 業者から受け取った見積書の取り込みや、1物件の同時編集に対応します。
- オプションとして、PLANEST P'sで拾ったデータからTetra21の見積書を生成する連携があります。
料金・費用
公式サイトには価格の記載がないため、問い合わせが必要です。こんな事業者におすすめ
- 大規模案件やリニューアル工事の見積りを扱う会社
- 複数拠点や複数担当者で見積データを共有・蓄積したい会社
- 見積りの書式や運用に合わせて、システムをカスタマイズしたい会社
サクミル
製品の概要
サクミルは、株式会社プレックスが提供する建設業向けの現場管理・工事管理アプリです。見積書・請求書の作成、実行予算・原価管理、案件管理、スケジュール、作業日報などを1つのクラウドサービスで扱う、オールインワン型のサービスです。主な機能・特徴
- 見積書や請求書を作成でき、入金管理まで一貫して行えます。
- 案件ごとに実行予算や原価を管理し、資材費・労務費・外注費・経費などの項目別に粗利を確認できます。
- スマートフォンから作業日報を入力でき、日報の内容を原価に反映する機能があります。
- 写真・チャットから見積りを作成・修正する「AI見積」が案内されています。
料金・費用
月額10,780円〜(税込)から20アカウントまで利用できます。21アカウント以上は、1アカウントあたり月額1,100円(税込)で追加できます。初期費用は0円で、2か月間の無料トライアルがあります。こんな事業者におすすめ
- Excelや紙で行っている見積り・請求・案件管理を、まとめてクラウドに移したい会社
- 見積りだけでなく、日報や案件の進捗まで共有したい会社
設備工事向け見積ソフトを選ぶ5つのポイント
比較表で候補を絞り込んだあとは、複数の観点から自社に合うかを確認します。自社の工種に対応した材料データ・歩掛があるか
見積りの手間が大きいのは、材料の検索と、単価・歩掛の計算です。自社が扱う工種(電気、空調、給排水衛生、管工事など)の材料マスタが搭載されているか、歩掛や複合単価を登録できるかを確認します。電気と空調・衛生を両方扱う場合は、工種ごとに別のソフトが必要になるのか、1つで組み合わせて使えるのかによって、運用の手間が変わります。水道工事を中心とする場合は、水道工事向け見積ソフトの記事もあわせて参考にしてください。
積算・見積書作成のどこまで効率化できるか
「積算」は数量を拾って工事費を積み上げる工程、「見積り」は積算結果をもとに提出価格を決めて見積書にまとめる工程を指します。ただし、製品によって対応範囲は重なっており、名称だけでは判断できません。詳しくは積算ソフトの基礎知識で整理しています。見積書の作成だけを効率化したいのか、実行予算や原価管理まで同じソフトで扱いたいのかを決めておくと、比較しやすくなります。原価管理を重視する場合は、建設業向け原価管理ソフトの比較も確認してください。
CADや図面からの拾い出しに対応しているか
数量の拾い出しは、図面を読む作業が中心になります。図面データやPDFを画面に表示して数量を拾えるタイプ、CADで描いた図面から数量を取り込むタイプ、数量は別に拾って入力するタイプがあります。拾い出しの時間が課題なら、拾い出し機能を持つ製品を、材料検索や単価計算が課題なら、材料データと歩掛を持つ製品を優先すると、課題に合った選定になります。
導入費用・運用費用は予算に合っているか
料金体系には、買い切り、月額制、見積りによる個別価格などがあります。買い切りの場合は、ソフト本体のほかに保守費用やセットアップ費用が別になることがあります。月額制の場合は、ライセンス数やアカウント数によって総額が変わります。公開価格のない製品は、必要な機能とライセンス数を伝えたうえで、総額(初期費用と年間・月額費用)を確認します。
操作性・サポート体制は十分か
操作に慣れていない担当者がいる場合は、デモや体験版、トライアルで実際の操作感を確認します。導入時の訪問や遠隔でのセットアップ、電話・チャットなどの問い合わせ窓口、保守契約の内容と費用も、製品によって異なります。設備工事の見積作成でExcelを使う場合の課題
Excelは、自社の書式に合わせて自由に作れ、追加の導入費用もかからないため、多くの設備工事会社で使われています。一方で、見積りの件数や工種が増えると、次のような課題が出やすくなります。材料・単価管理や計算作業に時間がかかる
材料の名称・規格・単価を手で入力したり、別の資料から探したりする作業は、案件ごとに繰り返されます。歩掛や複合単価の計算式も、シートごとに管理することになります。単価が変わった際には、関連するファイルをそれぞれ更新する必要があります。見積作成が特定の担当者に依存しやすい
計算式やシートの構成を作った担当者しか内容を把握できない状態になると、その担当者が不在のときに見積りが止まる可能性があります。担当者ごとに単価の考え方や書式が違うと、見積内容のばらつきも生まれます。過去の見積データを活用しにくい
ファイルが案件ごとに分かれていると、類似案件の見積りを探すのに手間がかかります。見積時点のデータと、工事後の原価がつながっていないと、振り返りの材料にもしにくくなります。ソフトを導入する場合も、Excelを全面的にやめる必要はありません。過去の見積書や材料リストをExcelで管理している場合は、取り込み機能の有無を確認すると、移行の負担を見積もれます。
設備工事向け見積ソフトの導入前に確認したいこと
実際の見積書を作成できるか確認する
体験版やデモでは、サンプルデータではなく、自社で過去に作成した見積書を数件入力してみます。材料の検索しやすさ、内訳明細の入力、帳票の出力(自社書式、元請け指定の書式)が、日常業務に合うかを確認できます。既存の材料データや見積書を移行できるか確認する
Excelの材料リストや見積書を取り込める製品もあれば、再入力が必要な製品もあります。取り込める形式(CSV、Excelなど)と、取り込み後の整形にかかる手間を確認します。導入後の操作サポートを確認する
サポートの内容(訪問、電話、遠隔、チャットなど)と、費用が保守契約に含まれるかを確認します。導入前の問い合わせで、回答の速さや分かりやすさを確かめる方法もあります。設備工事向け見積ソフトに関するよくある質問
設備工事向け見積ソフトと積算ソフトは何が違いますか?
積算ソフトは、数量の拾い出しや、単価・歩掛を使った工事費の積み上げを支援するソフトです。見積ソフトは、積算結果をもとに、経費や利益を加味した見積書を作成することを中心にしたソフトです。実際の製品は、積算から見積書作成までを一体で扱うものや、拾い出しだけを専門にするものなど、機能範囲が異なります。名称ではなく、効率化したい工程が含まれているかで確認してください。詳しくは積算ソフトの基礎知識をご覧ください。
CADを使っていなくても設備工事向け見積ソフトを導入できますか?
見積書の作成を中心としたソフトウェアは導入可能です。CADがなくても、材料の選択と数量入力で見積書を作成できる製品もあります。今回紹介した製品では、見積りプラスやせつびやさんV5などが該当します。一方、図面から数量を算出したい場合は、図面データやPDFを読み込む拾い出し機能を持つ製品が候補になります。電気工事の場合は、電気工事向け見積ソフトの選び方もあわせて確認してください。
無料で使える設備工事向け見積ソフトはありますか?
今回確認した範囲では、完全に無料で使い続けられる設備工事専用の見積ソフトはありませんでした。一方で、無料のお試しを用意している製品はあります。見積Goo!は体験版やオンライン体験、サクミルは2か月間の無料トライアルを用意しています。そのほかの製品も、デモや資料請求で操作を確認できる場合があります。無料ソフトを検討する場合は、無料の積算ソフトのメリット・デメリットも参考にしてください。
まとめ
設備工事向けの見積・積算ソフトは、同じ「見積ソフト」でも、材料データと歩掛で見積書を作るタイプ、図面から数量を拾うタイプ、実行予算や案件管理まで扱うタイプなど、得意な業務が異なります。材料検索や歩掛計算に時間がかかっているなら、材料データを搭載した見積書作成型を、図面からの拾い出しに時間がかかっているなら、拾い出し機能を持つ製品を、というように、まず自社の課題を決めることが選定の出発点です。そのうえで、対応する工種、価格と導入形態、サポート体制を比較表で確認してください。
最終的には、自社の実際の見積書を使ったデモや体験で、操作性と帳票の出力を確かめることをおすすめします。







