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  • 2026年08月28日

CADのファイル形式とは?主な拡張子の違いと変換・互換性を解説

図面・申請業務
CADのファイル形式とは?主な拡張子の違いと変換・互換性を解説


取引先からもらったCADデータが開けない、どの拡張子で保存・提出すればいいか分からない。
CADを使う仕事をしていると、こうした場面に一度は出くわします。

原因の多くは「ファイル形式」の違いにあります。CADには複数のファイル形式・拡張子が存在し、それぞれ役割や互換性が異なります。

この記事では、建設業・設備工事業でよく使われるCADのファイル形式を整理し、形式ごとの特徴や選び方、データ変換の考え方までをまとめて解説します。

執筆:プラスバイプラス編集部

建設業向けCADや原価管理システムの開発・提供を通じて、現場の業務効率化を支援しています。 日々の業務の中で出会うお客様の声をもとに、図面作成・申請業務・積算・見積り・原価管理などに 関する実務知識を蓄積し、正確で実践的な情報発信を行っています。

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監修:室田茂樹
株式会社プラスバイプラス 代表取締役

2000年の創業以来26年にわたり、建設業・設備工事業者向けの専門ソフト開発・普及を牽引し、電気工事・水道工事・施工管理・原価管理の各領域に特化したソフトウェアとサポート体制を全国に展開し、業界のDXを支援し続けている専門家。

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CADのファイル形式とは?

CADで作成した図面データは、ソフトごとに決まった形式で保存されます。まず押さえておきたいのは、次の3点です。

使用するCADソフトによって標準形式が異なる
AutoCADなら「DWG」、JWCADなら「JWW」というように、CADソフトにはそれぞれ標準の保存形式があります。異なるCADソフト間でやり取りする場合は、さらに対応形式や互換性の確認が必要です。

異なるCAD間でデータ交換するための形式もある
ソフトが異なっても図面データをやり取りできるように、DXFやSXF(SFC・P21)といった「交換用の形式」が用意されています。これらは特定のCADソフトに依存しない、いわば共通言語のような役割を果たします。

ファイル形式によって保持できる情報や互換性が異なる
形式によって、線や文字、レイヤーなどの情報をどこまで保持できるかが変わります。変換の際に一部の情報が欠けたり、崩れたりすることがあるのはこのためです。

なお、CADそのものの意味や種類、できることについては、CADとは?意味やできること、種類を初心者でもわかりやすく解説で詳しく取り上げています。ここでは「ファイル形式・データ交換」に絞って解説を進めます。

 

CADで使われる主なファイル形式・拡張子

建設・設備図面のやり取りで登場する頻度が高い形式を中心に整理すると、次のようになります。
形式 拡張子 主な用途 特徴 使われる場面
DWG .dwg AutoCADの標準保存形式 多くのCADソフトが対応しているが、ソフトやバージョンによって互換性に差がある AutoCAD同士での図面の保存・共同編集
DXF .dxf CAD間のデータ交換用形式 Autodesk社が仕様を公開しており、多くのCADソフトが読み込み・書き出しに対応しているデータ交換形式 異なるCADソフトを使う相手との図面データのやり取り
JWW/JWC .jww/.jwc JWCADの標準保存形式 JWWはWindows版、JWCはDOS版の保存形式。無料で使えるJWCADの標準形式として国内で広く普及 JWCAD同士での図面の保存・編集
SXF(SFC・P21・P2Zなど) .sfc/.p21/.p2z 公共工事向けのCADデータ交換形式(SXF形式) SCADEC(CADデータ交換標準開発コンソーシアム)が策定した規格。P21はISO国際規格準拠、SFCは国内向けの簡易版 建設分野におけるCADデータ交換。公共工事の電子納品では発注者や適用基準の指定を確認
PDF .pdf 図面の閲覧・共有・提出用形式 どの環境でも同じレイアウトで表示できるが、CADのように図形や寸法を編集する用途には向かない 図面の共有、印刷、取引先への提出
 

DXF・SFC(SXF形式)については、それぞれ詳しい特徴やメリット・デメリットを個別記事で解説しています。より深く知りたい場合は、DXFファイルの特徴やメリットとは?CAD初心者が知っておくべきファイル形式の基礎SFCファイルとは?開き方やCADデータへの変換方法を解説もあわせてご覧ください。

なお、ここで紹介したのは建設・設備業の図面データで接点の多い形式です。製造業や3D CADで使われるSTEP、IGES、STLといった形式は数が多く、目的も異なるため、本記事では割愛しています。

 

CADファイル形式は「保存」と「データ交換」で考える

CADのファイル形式を理解するうえで役立つのが、「自分のソフトで編集・保存するための形式」と「他のソフトとデータをやり取りするための形式」を分けて考える視点です。

 

CADソフトで編集・保存するための形式

DWGやJWWは、それぞれAutoCAD・JWCADが図面を編集・保存するための標準形式です。基本的には、使用しているCADソフトの標準形式で保存することで、図形やレイヤー、寸法などの情報を保持しやすくなります。

ただし、同じファイル形式でもCADソフトのバージョンによって互換性に差があるため、他者と共有する際はバージョンも確認しましょう。

 

異なるCAD間でデータを受け渡すための形式

一方、取引先や協力会社が別のCADソフトを使っている場合、DWGやJWWのままではデータを開けないことがあります。そこで使われるのが、DXFやSXF形式(SFC・P21)といった「交換用」の形式です。

なぜ変換が必要になるのかというと、CADソフトはそれぞれ独自のデータ構造で図面情報を管理しているためです。異なるソフト同士では、相手のファイル形式やバージョンによって、そのままではデータを読み取れない場合があります。DXFやSXF形式は、こうしたソフト間の違いを吸収し、図面データを橋渡しする役割を担っています。

 

CADファイル形式を選ぶときのポイント

「結局どの形式を使えばいいのか」は、状況によって変わります。次のような観点で確認しておくと判断しやすくなります。

使用しているCADソフトが対応しているか:
自社のCADソフトが読み込み・書き出しできる形式かどうかを確認します。

相手側のCADソフトで開けるか:
送る相手が同じソフトを使っているとは限りません。事前に使用ソフトを確認しておくとやり取りがスムーズです。

編集が必要なのか、閲覧だけでよいのか:
図面を修正・加筆する必要があるならCAD形式、確認や提出だけであればPDFでも十分な場合があります。

発注者や取引先から形式を指定されていないか:
公共工事ではSXF形式が用いられることがあります。必要な形式は発注者や適用される基準によって異なるため、案件ごとの指定を確認しましょう。

データ変換による図面崩れが起きないか:
形式を変換すると、線や文字、レイヤー情報の一部が失われることがあります。重要な図面ほど変換後の確認が欠かせません。

「この形式が一番よい」という単一の正解はなく、誰と、どんな目的でデータをやり取りするかによって最適な形式は変わります。

 

異なるCADファイル形式は変換できる?

CADデータの形式を変換する方法としては、主に次のようなものがあります。

CADソフトの「名前を付けて保存」「書き出し」機能を使う:
多くのCADソフトには、標準形式以外の形式で保存・書き出しする機能が備わっています。

DXFなどの中間形式を経由する:
直接変換できない組み合わせでも、DXFのような広く対応している形式を経由することで変換できる場合があります。

対応するCADソフトで読み込み、別形式で保存し直す:
変換先の形式に対応したCADソフトがあれば、読み込んで別名で保存するだけで変換できます。

必要に応じて変換専用のツールを利用する:
CADソフト単体では対応できない形式同士のやり取りには、変換ツールを使う方法もあります。

ここで注意したいのは、「拡張子の文字を書き換えるだけでは変換にならない」という点です。ファイル名の末尾を「.dxf」から「.dwg」に書き換えても、データの中身(構造)自体は変わらないため、正しく開くことはできません。変換には、ソフトの機能や変換ツールを使ってデータ構造そのものを変換する処理が必要です。

 

PDFとCADデータの違い

図面のやり取りでは、PDFもよく使われます。ただし、PDFとCADデータは性質が異なるため、目的に応じて使い分ける必要があります。

PDFは、どの環境で開いても同じレイアウトで表示できるため、図面の閲覧・共有・提出には便利な形式です。一方で、PDFは基本的に「見るための形式」であり、CADデータのように図形や寸法、レイヤーを個別に編集することは想定されていません。

これに対してCADデータは、線や文字、寸法などを図形要素として保持しているため、内容を修正したり、一部だけを再利用したりできます。取引先からPDFで図面を受け取り、それをもとに編集作業をしたい場合は、CADで読み込める形式への変換が必要になることがあります。

なお、plusCAD電気αやplusCAD機械αはPDF図面の取り込みに標準対応しており、PDFで受け取った図面の上から直接編集を加えることができます。PDFからCADデータへの変換方法や注意点については、PDFをCAD変換する方法とは?無料のオンラインフリーソフトも紹介で詳しく解説しています。

 

CADデータを変換・共有するときの注意点

実際にCADデータを変換・共有する際は、次の点を確認しておくとトラブルを防ぎやすくなります。
  • 変換前の元データを残しておく:変換後に不具合があった場合でも、元データがあればやり直しがききます。
  • 変換後に文字化けがないか確認する:フォントの違いなどにより、文字が正しく表示されないことがあります。
  • 図形や寸法が崩れていないか確認する:線が消えたり、寸法値がずれたりしていないか、変換後は必ず目視で確認します。
  • 縮尺や単位を確認する:ソフトによって単位設定(mm/m など)の扱いが異なる場合があります。
  • レイヤーや線種が保持されているか確認する:レイヤー分けや線種の情報は、変換の過程で失われることがあります。
  • CADソフトやファイル形式のバージョンを確認する:同じ形式でもバージョンによって仕様が異なり、開けないケースがあります。相手のバージョンが分からない場合は、より古いバージョンで保存しておくと開いてもらえる可能性が高まります。
なお、こうした確認項目や図面崩れの起きやすさは、使用しているCADソフトや取引先の環境によっても差が出ます。自社の運用に合わせて、重要な図面ほど入念にチェックする習慣をつけておくと安心です。

 

まとめ

CADのファイル形式は、拡張子ごとの違いを覚えることが目的ではありません。大切なのは、「どのCADで編集するのか」「誰とデータを共有するのか」「後から編集する必要があるのか」という観点から、そのつど適した形式を選ぶことです。
  • 自社での編集・保存にはDWGやJWWなど、使用しているCADソフトの標準形式を使う
  • 異なるCADソフトとのやり取りにはDXFやSXF形式(SFC・P21)を使う
  • 閲覧・提出が目的であればPDFで十分な場合も多い
  • 変換時は、図面崩れや文字化けがないか必ず確認する
DXF・SFC・PDF変換それぞれの詳しい特徴や操作方法は、個別記事で解説しています。自社の状況に近い記事から、あわせて確認してみてください。

 

よくある質問

Q.CADのファイル形式はどれを使えばいいですか?

一律の正解はなく、使用しているCADソフト・相手のCADソフト・編集の要否によって適した形式は変わります。自社での編集・保存には標準形式(DWG、JWWなど)、異なるCAD間でのやり取りにはDXFやSXF形式(SFC・P21)、閲覧や提出目的にはPDFが向いています。

 

Q.DXFとDWGは何が違うのですか?

どちらもAutodesk社が開発した形式ですが、DWGはAutoCADの標準保存形式であるのに対し、DXFは異なるCADソフト間でもデータを交換しやすいよう設計された形式です。

DXFは異なるCADソフト間でのデータ交換を目的とした形式で、多くのCADソフトが読み込み・書き出しに対応しています。ただし、変換時に一部の図面情報が欠けたり、表示が変わったりする場合があります。

 

Q.拡張子を書き換えれば別の形式に変換できますか?

できません。拡張子はファイルの種類を示す表示上のラベルにすぎず、書き換えてもデータの中身(構造)は変わらないため、正しく開くことはできません。形式の変換には、CADソフトの機能や変換ツールを使ってデータ構造そのものを変換する処理が必要です。

 

Q.公共工事の図面データはどの形式で提出すればいいですか?

公共工事ではSXF形式が用いられることがあります。国土交通省の最新CAD製図基準では、SXF(P21)形式と、P21形式を圧縮したSXF(P2Z)形式が対象です。ただし、必要なファイル形式は発注者や適用される基準によって異なるため、案件ごとの指定を確認してください。

 

Q.PDFの図面をCADで編集したい場合はどうすればいいですか?

PDFは編集用の形式ではないため、CADで編集するには変換や取り込みの工夫が必要です。CADソフトによってはPDFの取り込みに標準対応しているものもあります。具体的な方法は、PDFからCADへの変換を扱った記事で解説しています。

 

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