- 2024年07月30日
PDFをCAD変換する方法と主要なオンラインフリーソフトを紹介
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CADファイルと紙ベースの図面やPDFファイルの互換性は、図面データを扱う上で重要なポイントです。特に、多くの資料やデータのやり取りで使われるPDFのデータを、CADファイルへと変換する効率的な手段を探している人もいるでしょう。
本記事では、PDFをCAD変換できるおすすめのフリーソフトや、PDFからCADへ変換する際に気をつけたい注意点について解説します。より簡単かつ効率的にCAD用ファイルへ変換するために、ぜひお役立てください。
コンテンツ
PDFをCADデータに変換する方法とは?
CADにPDFファイルの図面を取り込み、データ化する方法はいくつかあります。ここでは、代表的な方法を紹介します。紙の図面をスキャンしてCADに取り込む
紙の図面をスキャナで読み取り、図面をTIFFやJPEGなどの画像データへ変換してから、CADに取り込む方法です。ただ、図面をスキャンしたデータは点と線の集合体であるため、CAD上で編集できるよう修正を行う必要があります。場合によってはスキャンした図面データを、CAD上でトレースする必要があるため、時間を要する可能性もあるでしょう。
CADデータ変換の専用ソフトを使う
PDFデータからCADデータへ変換できる専用のソフトを利用する方法です。紙図面をスキャンするか、PDFファイルにした後、専用システムでベクター(Vector)へと変換できます。ベクターに変換した画像は、DXF・DWGといったファイル形式を選べるため、CADデータとして活用できます。元図面の傾きや角度の補正、不要箇所の削除、誤差の修正などにも対応しており、作図作業の効率化につながります。
フリーソフトや、オンライン上でPDFからCADフォーマットへ変換できる無料サービスも提供されていますが、精度や操作性はサービスによって異なります。
PDFの読み込み可能なCADを利用する
PDFデータの読み込みに対応しているCADも登場しています。Autodesk社による汎用CAD「AutoCAD」の「PDFIMPORT(PDF読み込み)」コマンドがその代表例です。この機能を使って図面を読み込むと、編集可能なデータへと変換してくれます。読み込まれたデータの線分や文字がそれぞれ編集可能なデータになるため、作業効率化に繋がるでしょう。ただ、コンテンツ作成に使用したバージョンなどの条件が設けられているので注意が必要です。
PDFをCADデータに変換できるフリーソフト5選
PDFをCADデータに変換できるフリーソフトを5つ紹介していきます。中には、ダウンロードやインストール不要ですぐに使い始められるツールもあるので、それぞれの特徴を参考にしてご活用ください。AnyConv
AnyConvは、無料のオンラインファイル変換ツールです。PDFファイルからdxfファイルを含むCADデータへの変換だけでなく、ドキュメントや画像、オーディオ、動画など、300以上の出力ファイル形式の組み合わせに対応しています。使い方は簡単で、AnyConvのサイト上でPDFファイルをアップロードし、変換したいファイルの種類を選ぶだけです。変換自体は、ほとんどの場合数秒で完了します。パソコンはもちろん、スマホやタブレットなどモバイル端末からも利用可能です。
DARE
DAREは、CADやPDFのデータを、他のファイル形式へ変換できる無料のクラウドサービスです。DXFやJWWなど7種類のCADデータ形式に対応しています。AutoCADの互換CADソフトであるインテリジャパン社の「IJCAD」の変換エンジンを内部で利用しており、IJCADで一旦PDFデータを読み込んでからCADデータとして保存することで、高精度な変換結果を実現しています。また、ページ指定や矢印塗りつぶし、テキスト結合、重複テキスト削除などの機能が搭載されており、1つずつ指定できます。
2PDF.com
2PDF.comは、PDFファイルから直接CADファイルに変換できるフリーソフトです。変換後のCADデータには、PDFファイルでのページ要素やレイアウトが高い精度で引き継がれています。オンラインテキスト認識機能を使えば、PDFや画像内のテキストの認識も可能です。AnyConv同様に、クリックまたはドラッグ&ドロップといった簡単な操作でファイルを選択し「Start」をクリックするだけで、変換ファイルが作成され、すぐにダウンロードできます。変換されたファイルは24時間後に自動消去され、高いセキュリティを確保しています。
AnyPDF
AnyPDFは、PDFからDXFファイルへとスピーディに変換するための高速アプリケーションです。オンライン上でファイルをアップロードし、「変換する」を選択するだけで変換が完了します。WindowsやMACなどのパソコンや、Android、iOSなどのスマホ端末から完全無料で使えます。すべてのファイルは1時間以内にサーバー上から完全削除されるため、セキュリティ面も安心でしょう。
OnlineConvertFree
OnlineConvertFreeは、PDFファイルからCADを含む多くのファイル形式へと変換するためのクラウドサービスです。パソコン上だけでなく、GoogleドライブやDropboxなどにあるファイルを、希望するフォーマットへ変換できます。ファイルコンバーター機能以外にも、サイズ調整やトリミング、圧縮、回転といった多彩な機能を備えており、さまざまな用途で利用できるでしょう。
PDFを読み込みできるCADを使う
PDFファイルを読み込みできるCADソフトがあれば、PDFからCADへの変換不要で図面データを取り込み、編集に使うことが可能です。ただし、PDFデータを保存する際に、作成したソフトの機能があわせて引き継がれていることを確認する必要があります。テキストや線などがデータとして保存されていない場合、受け取ったPDFファイル自体はplusCADのようなCADソフトで開けても、編集できない可能性が高いです。PDFファイルが単なる画像としてのPDFファイルなのか、それともテキストデータを残して保存されたものか、という点も事前に確認が必要です。
plusCADは、PDFファイルの読み取り機能が標準装備されています。また、水道や電気など各分野の図面に必要な材料が揃っており、図面をゼロから作る場合にも効率的に作業できます。また、マウス操作だけで作図から見積もり作成までほとんどの作業を完結できる「plusCAD総合α」など種類も豊富ですので、下記より詳細をご覧ください。
まとめ
CAD図面を作成、編集する際にPDFファイルのデータが必要となる場面は多く見られます。CADファイル形式へ変換できるツールの中には、完全無料かつインストール不要で使えるクラウドサービスやソフトウェアも多数あります。最適なツールを見つけるために、今回紹介したおすすめツール一覧をぜひ参考にしましょう。plusCADのように、PDFファイルを直接CADで読み込めるソフトもあるので、併せてご検討ください。
PDFのCAD変換についてよくある質問
Q:PDFをCAD変換する際の注意点は何ですか?
PDFからDXFファイルへ変換し、CADデータを編集するにあたって、手直しが発生することがあります。変換ソフトは高精度でデータを引き継いでくれますが、データの状態やサイズなどによっては編集に入る前に調整が必要な場合があります。データの補正を最小限に抑えたい場合は、PDFを直接取り込めるCADを利用するか、データ取り込み時の不備を自動補正できるツールを選ぶと良いでしょう。
Q:PDFをCAD変換できるツールは無料ですか?
無料のツールも多く存在します。今回紹介した5つのツールはすべて無料で使えます。インストールやダウンロードの必要がなく、それぞれのWebページにアクセスしてPDFファイルをアップロードし、変換をスタートすれば短時間で完了できます。また、ファイルデータは24時間など一定時間経つと自動で削除されるため、プライバシー面も安心です。データの扱いなど利用上の注意点は事前に確認しておくことをおすすめします。
Q:CAD変換ツールはPDFファイル以外にも対応していますか?
PDFやCAD以外のファイル形式に対応しているフリーツールも多数あります。例えば、「OnlineConvertFree」は、GIFやJPEG、DOCXなど数十もの形式へ変換可能です。対応ファイル形式については、各ツールで確認しましょう。Q:PDFが編集可能なジオメトリに変換されない場合はどうしたらいいですか?
利用したいCADソフトの対応条件を確認してみましょう。AutoCADの場合、PDFIMPORT(PDF読み込み)コマンドが使えるのはAutoCAD2018移行のバージョンで作成された図面に限られます。異なるバージョンの図面でなければ正常にデータが読み込まれ、線分は編集可能なジオメトリに、文字は編集可能なテキストデータに変換されます。
Q:PDFからCADへの変換ソフトを使用するメリットは?
PDFファイルからCADデータへ変換する際に、専用システムやソフトウェアを使うメリットとして、主に操作性や効率性、そして信頼性が挙げられます。専用システムを使用せずPDFという静的データをCADへ変換するには高度なスキルが必要です。また、大量なPDFをCADデータに変換するのに労力がかかりますが、変換ソフトを使えば効率的に実行できます。さらに、専用ソフトはCAD変換に特化しており、機能そのものの信頼性が高いため、安心して導入できるでしょう。