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工事台帳とは?エクセル・手書き・ソフトなどそれぞれの作成手段によるメリット・デメリットを解説

  • 公開日:2021年08月17日
案件管理
工事台帳とは?エクセル・手書き・ソフトなどそれぞれの作成手段によるメリット・デメリットを解説

工事現場を適切に管理して利益を残すために、工事台帳の作成が欠かせません。経営者のなかには、工事台帳がなくても頭の中に数字が入っているから問題ないと考える人もいるかもしれませんが、台帳として数字が見える状態になっていないと、いわゆる「どんぶり勘定」の経営になってしまいます。この記事では、工事台帳を作成する目的や、作成方法別のメリット・デメリットを紹介します。

工事台帳とは?

工事台帳とは、各工事の原価を集計する台帳のことで、現場によっては工事原価管理台帳、工事原価台帳などと呼ばれることもあります。

工事台帳を作成して材料費、労務費、外注費、経費を項目別に入力することで、工事ごとのお金の流れが明確になります。原価をしっかりと把握できるようになれば利益も生み出しやすくなるため、工事台帳の作成は必須と言えるでしょう。また、工事の進捗状況も把握できるうえに、労災保険の申告や税務調査時に提出する資料としても使用可能です。

 

工事台帳を作成する目的(意味)

工事台帳を作成しなくても、経営者自身が原価や利益を把握していれば問題ないと思う方もいるかもしれません。しかし、工事台帳を作成することには大きな意味があります。ここでは、工事台帳を作成する5つの目的を紹介します。

 

目的①:利益率や収支内容の把握

工事台帳を作成するのは、安定した経営につなげるために利益率や収支内容を把握するのが目的のひとつです。工事台帳を作成せずにおおよその数字で経営をしていると、目安となる数字がなく適切な原価予測ができないため、マイナス収支になるケースもあります。しかし、工事台帳を作成して管理しておくと、過去の実績に基づいて精度の高い見積もりを作成することが可能です。競合他社との相見積もりとなった場合でも、利益が出るラインが見えるので、安売り合戦による工事受注をしなくても済むでしょう。

 

目的②:完成工事原価の算出

工事台帳があれば、完成工事原価の算出にも役立ちます。完成工事原価とは、完成工事高に計上した工事に対する工事の原価です。完成工事高とは、既に完成した工事の売上高、収益を指します。工事原価となる材料費、労務費、外注費、経費を工事ごとにまとめておくことにより、工事の規模ごとにどの程度の原価になるのか予測できるようになります。また、完成工事における粗利が明確になるため、完成時の利益予想をする際の目安としても使えます。

 

目的③:未成工事支出金の算出

未成工事支出金とは、文字通り「まだ完成していない工事でかかった支出や費用」のことです。未成工事支出金は、完成工事原価と同様に材料費、労務費、外注費、経費の4項目から構成されていて、いずれも未完の状態であることから、一般会計で言うところの「仕掛品」の勘定科目に該当します。決算では、未成工事支出金のうち完成した部分は工事原価に振り替えて損益計算書に計上します。工事が未完成の場合は売上として計上できないため、未完成で次期へ繰り越す部分については貸借対照表の資産の部に計上します。決算において、工事台帳を計算の根拠とするため、やはり工事台帳は欠かせないものと言えるでしょう。

 

目的④:経営事項審査で必要となる

工事には公共工事と民間工事がありますが、公共工事を請け負うには建設業法で定められている経営事項審査を必ず受けなければなりません。審査では「客観的事項」についてチェックされ、経営規模と経営状況、技術力、社会性などを数値化したうえで評価を受けます。この審査を受けるときに、経営状況を把握するために工事台帳を提出する必要があるのです。つまり、工事台帳を作成していなければ公共工事に参加する資格が得られないため、確実に作成しましょう。

 

目的⑤:税務調査への対応

工事台帳は、税務調査の対策という観点でも作成をする意義が大いにあります。建設業界は、工事ごとの売上金額が大きくなりがちであるため税務調査が入りやすい業界だといわれています。もしも税務調査が入った場合、ほとんどのケースで工事台帳の作成について問われるでしょう。税務調査において工事台帳を提出する義務はないものの、工事の進捗状況や売上、経費の流れが分かるように管理されていれば調査官の心証も良くなることが期待できます。

 

工事台帳の項目

工事台帳には材料費・労務費・外注費・経費を記載します。ここでは、それぞれの経費についてどのような意味合いがあるのか紹介します。

 

材料費

材料費は、施工するために仕入れた費用を指します。材料を購入した時点では工事台帳に記載せず、実際に工事に使用した時点で原価として工事台帳に記載するのが本来の形です。しかし、実際には当該工事のために材料を購入して使用するケースが多いため、在庫となることは少ないでしょう。そのため、購入した材料をそのまま材料費として計上するのが一般的です。また、材料の原価だけでなく、取引にかかった費用も材料費として計上します。

 

労務費

労務費は、自社の従業員に支払う賃金以外に、健康保険料や厚生年金保険料などの法定福利費、交通費などの各種手当も含まれます。原価管理を適正に行うためにも、従業員の作業時間は日報でしっかりと管理しておきましょう。気をつけたいのは、自社の従業員だからといって現場にいる全員が対象にはならない点。労務費の対象は、直接工事に関わった従業員が対象なので、工事現場に常駐していても事務所スタッフの給与は労務費に含まれません。

 

外注費

外注費は自社と雇用関係のない現場作業員に支払う費用です。工事現場では、現場の規模が大きくなるほど協力業者や下請け業者などの出入り業者多くなるため、外注費も増える傾向にあります。労務費と外注費については「労務費は自社の現場作業員」「外注費は自社以外の現場作業員」と認識しておくとわかりやすいでしょう。なお、外注費と似ている言葉に労務外注費があります。一般的には、自社で材料費を負担し、工事を外注した場合に労務外注費として計上するものの、自治体の担当者によって見解が異なるようです。

 

経費

経費に該当するのは、材料費、労務費、外注費以外の費用です。たとえば、工事に使用する機器や工事現場の光熱費、事務員の賃金などが経費となります。ほかにも、保険料や事務用品、通信交通費、補償費なども経費です。また、本来は経費に含める必要があるのに、一般管理費に含めているケースも少なくありません。工事現場で使用したお金は経費、工事に関係ない業務の費用は一般管理費と区別して計上しましょう。

 

工事台帳の作成方法。手書き作成も可能?

工事台帳を作成するには、手書き・エクセル・ソフトの3つの方法があります。ここからは、それぞれの作成方法について、特徴とメリット・デメリットを紹介します。
工事台帳を作成するには手書きと考える人はまだ多いようです。手書きに慣れている方の場合は作業がスムーズに進むかもしれませんが、パソコンを使用して作成するのに比べて時間がかかりやすく、計算の過程でミスが生じる可能性もあります。また、紙ベースで作成した書類が保管庫に眠ったままになっていて、後から確認するのが一苦労というケースも。工事台帳の作成は利益率や収支内容を把握して利益管理をするのが目的ですが、手書きの場合は作成業務そのものが目的になってしまいやすいので、基本的におすすめしません。
 

エクセルを使った工事台帳の作り方

エクセルを使った工事台帳の作り方をおおまかに解説します。
まずは、工事台帳用の新しいエクセルファイルを用意します。
一般的な工事台帳では、工事名や着工日などの基本情報欄と原価管理表、入出金情報などを1つシートにまとめますが、スケジュールごとの原価情報のみを記録するなど、使いやすいようにアレンジして問題ありません。
入出金情報や主要スケジュールが自動反映される関数を組み込むことで、記録作業を効率化できます。
 

原価管理表の横軸に置く項目例としては、以下があります。
  • 日付
  • 施工内容・概要
  • 勘定項目
  • 金額:材料費・労務費・外注費・経費・合計
 

費用が発生したら、1行ずつ必要な項目を入力していきます。
施工内容や勘定項目などにプルダウンメニューを設置して、選択式にしておくと毎回入力する手間を省けるでしょう。
原価情報表とは別に、毎月の合計金額を記録する表を用意し、金額が自動反映されるよう設定しておくと便利です。
工事別のシートの他に、会社全体用の管理用シートを作り、各シートの合計原価を算出する関数を入れておくと、全工事の原価管理が簡単に行えます。
 

工事台帳をエクセルで作成するメリット

エクセルを使用して工事台帳を作成する方法は、無料公開されている工事台帳のエクセルテンプレートに入力するのが一般的です。企業が購入するパソコンのほとんどにエクセルが搭載されているので、パソコンを用意すればほかにコストがかかりません。手書きに比べて作成にかかる時間も大幅に短縮できるうえに、パソコン内にデータを保存できるため書類の保管スペースを用意する必要がないのもメリットでしょう。保管したデータはメールで共有したり、ファイルサーバーにある共有フォルダで簡単に共有できるため、担当者間での確認や修正もスムーズにできます。また、エクセルの詳しい知識があれば自社に合うように工事台帳をカスタマイズすることも可能です。
 

工事台帳をエクセルで作成するデメリット

エクセルは工事台帳を共有する際の手間を軽減できるものの、複数人が同時に編集することはできません。担当者間で編集作業をする際は、エクセルの共同編集機能を利用するか、事前に連絡する必要があります。編集履歴の確認もできないため、工事台帳の内容変更や関数の入力ミスがあった際に気づきにくい点もデメリットです。また、エクセルはネット上でファイルを共有できるとはいえ、リアルタイムに共有できるわけではなく編集から共有まで時間がかかります。経営者と現場で認識の違いにより、工事に影響が出てしまうおそれもあるでしょう。さらに、社内にエクセルが得意な人がいる場合、特定の人材に頼りがちになってしまいがちという問題もあります。万が一、担当する従業員が退職してしまうと、業務が滞ってしまうかもしれません。
 

ソフトによる作成

工事台帳作成ソフトは、手書きやエクセルよりも使い勝手がよく、導入を積極的に検討したいツールです。具体的なメリットとデメリットを確認しておきましょう。
 

工事台帳をソフトで作成するメリット

工事台帳を作成できるソフトには、主にクラウド型とインストール型があります。クラウド型は、ネット環境があればスマホやタブレットを使用してどこからでもソフトを起動できます。インストール型は、パソコンにインストールして使用するタイプで、ネット環境は不要です。ただし、現場で工事台帳の作成や編集をしたい方には向いていると言えず、またソフトのバージョンアップ時に費用が発生するなどの理由から、クラウド型を利用する企業が増えています。

ソフトを利用すると、手書きやエクセルによる作成に比べてさまざまな面でメリットが得られます。たとえば、ソフトを利用するとエクセルよりも入力箇所が限定的になるため入力ミスを軽減できます。また、エクセルの工事台帳では、作成を特定の人に頼りがちな側面がありますが、フォーマットが統一されている工事台帳作成ソフトなら操作性についての問題も解消できるでしょう。さらに、工事台帳ソフトは情報の共有も容易に行えるので、経営者が現場ごとの工事台帳をすぐに確認して指示を出すことができます。

これまで手書きやエクセルを活用した工事台帳に頼ってきた企業ほど、ソフトを活用することで大幅な業務効率化が可能になるでしょう。人材不足や採算性の悪化、管理業務の問題などを抱えている企業ほど工事台帳作成ソフトの導入がおすすめです。
 

工事台帳をソフトで作成するデメリット

工事台帳を作成できるソフトは便利ではあるものの、コスト面がネックになる可能性があります。ソフトによって価格や機能に違いがあるため、自社にとってメリットの多い製品選びが欠かせません。ソフトのなかには、自社の業務に不要な機能が備わっているケースもあります。高機能な製品でも価格が高く、自社に必要なければ無駄な買い物になってしまうため、導入前の検討は必須です。また、工事台帳作成ソフトの入力作業は簡素化されているとはいえ、ソフトを使いこなせるまでに時間がかかる場合もあります。スムーズに導入して有効活用できるように、マニュアルの作成や管理責任者の設置など社内体制の構築を進めることが大切です。
 

無料テンプレートを活用する方法も

エクセルで工事台帳を作成する場合、無料テンプレートを活用することで、すぐに項目や金額を入力して使い始めることが可能です。エクセルで一から工事台帳を作成する場合、表作成や関数の組み込みといった帳簿のベース作りに時間と手間がかかりますが、無料テンプレートを使えばそうした作業は不要です。
とはいえ、希望する無料テンプレートが見つかるとは限りません。また、テンプレートをアレンジした際に、関数や自動反映を壊してしまうと修正に手間取る可能性があります。
場合によっては複数のシートで修正が発生するなど、スムーズな活用が難しくなるでしょう。エクセルは自由度が高い分、工事台帳として活用するにあたって業務効率とのバランスを考慮する必要があります。
 

「要  〜KANAME〜」で建設業における工事台帳作成の効率化を実現

現場台帳管理ソフトの「要  〜KANAME〜」を導入することにより、利益の見える化が可能になります。提供しているアプリを活用すると、現場にいながら出退勤や諸経費、材料費などの入力ができるので、現場の負担軽減にもつながります。また、必要項目を入力すると工事台帳に集約され、売上や粗利などが自動計算されるため経営分析にも役立つでしょう。工事台帳の効率的な作成を実現しつつ、利益拡大を目指すには「要  〜KANAME〜」の利用をおすすめします。


 

 

工事台帳についてよくある質問

Q:工事台帳を作成するのが面倒です。必ず作成するものですか?

A:工事台帳を作成して適切に管理しておくことで、工事ごとの収支がわかるようになり、工事規模ごとの原価予測がしやすくなります。工事台帳がなく、いわゆる「どんぶり勘定」の経営では正確な収支を算出できないうえに、税務調査への対応にも困る可能性もあります。自社の発展のためにも、工事台帳の作成は必須と考えましょう。
 

Q:工事台帳に記載する項目を教えてください。

A:工事台帳には材料費・労務費・外注費・経費を記載します。主なポイントは以下の通りです。
材料費:工事に必要な材料の仕入れ費用のことで、取引にかかった費用も含まれます。
労務費:現場作業員の給料や諸手当です。直接工事に関わった従業員が労務費の対象となるため、工事現場に常駐している事務員の給与は労務費に含まれません。
外注費:協力業者など自社が雇用しない作業員に支払う費用です。現場の規模が大きいほど外注費が増える傾向にあります。
経費:工事現場にいる事務員の給与、現場の光熱費、保険料などが経費に含まれます。基本的には、材料費・労務費・外注費以外の費用が経費となります。
 

Q:工事台帳作成ソフトの選定で重要なポイントは何ですか?

A:何よりも操作性の高さ、収支のわかりやすさが重要です。せっかくソフトを導入しても、操作が難しくて十分に使いこなせなければ意味がありません。「要  〜KANAME〜」なら収支をリアルタイムに把握し、素早い経営判断ができます。スマホから日報を入力して現場の費用や利益を管理できる手軽さで、労力の削減と利益率の向上を実現できるのも特長です。パソコンが苦手な方も安心して利用できるように、万全のサポート体制をとっていますのでお気軽にご相談ください。
 

Q:工事台帳の保存義務はありますか?

A:建設業法において、建設業者は工事台帳を5年間保存するよう義務付けられています。また、契約書やその他の必要書類も帳簿に添付するか、データ保存しておく必要があります。営業所ごとに、締結した建設工事請負契約に関する事項を記載した帳簿を保存しなければならず、本店での一括は認められていないので注意が必要です。
 

万が一帳簿の保存や備え付けを怠ると、建設業法違反として懲役または罰金が課せられる可能性があるため、保管を徹底しましょう。

Q:工事番号のつけ方を教えて下さい。

A:工事番号は、現場ごとの工事台帳を作成するために必要です。また、未完成工事支出金や受入金、完成工事高や原価、利益といった計算をする上でも重要な要素です。
 

番号の数字や桁数に細かな決まりはありませんが、管理しやすいようシンプルにすることが大切です。例えば、工事を受注した順に「A01」「A02」と付けていくとわかりやすいでしょう。なお、工期が短く、受注金額が小さな工事は、雑小工事として別の番号を振り分ける方法もあります。

Q:工事台帳の保存期間はいつまでですか?

A:建設業法の「帳簿の記載事項等」において、帳簿や添付書類は原則として5年間保存することが定められています。対象書類は、以下の通りです。
 
  • 営業所の代表者名
  • 建設工事の請負契約に関する事項
  • 下請契約に関する事項
  • 添付書類
 

上記とは別に、元請業者について10年間の保存が義務付けられている書類もあります。下記の対象書類も保存しておきましょう。
 
  • 発注者から直接請け負った新築住宅建設に関する事項
  • 発注者から受領した完成図
  • 発注者との打合せ記録
  • 施工体系図
 


 

 

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