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  • 2026年09月08日

建設工事の見積りはどう決まる?工事費の算出から見積書作成までの流れを解説

見積り・積算
建設工事の見積りはどう決まる?工事費の算出から見積書作成までの流れを解説


「工事の見積金額は、いったい何をもとに決まっているのだろう」
見積りや積算の経験が浅いと、こうした疑問を抱くことは珍しくありません。

建設工事の見積金額は、一度の計算でパッと決まるものではなく、工事内容の確認から見積書の提出まで、いくつかの工程を経て組み立てられていきます。この記事では、その一連の流れを最初から最後まで俯瞰しながら、「見積金額が、何をもとに、どのような工程を経て決まり、最終的に見積書になるのか」を解説します。

個々の計算方法や書類の記載項目まで細かく解説するのではなく、まずは見積り・積算業務全体の地図を持てることを目指した内容です。各工程の詳しい進め方は、本文中でご紹介する関連記事もあわせてご覧ください。

執筆:プラスバイプラス編集部

建設業向けCADや原価管理システムの開発・提供を通じて、現場の業務効率化を支援しています。 日々の業務の中で出会うお客様の声をもとに、図面作成・申請業務・積算・見積り・原価管理などに 関する実務知識を蓄積し、正確で実践的な情報発信を行っています。

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監修:室田茂樹
株式会社プラスバイプラス 代表取締役

2000年の創業以来26年にわたり、建設業・設備工事業者向けの専門ソフト開発・普及を牽引し、電気工事・水道工事・施工管理・原価管理の各領域に特化したソフトウェアとサポート体制を全国に展開し、業界のDXを支援し続けている専門家。

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建設工事の見積りが決まるまでの全体像

建設工事の見積金額は、おおまかに次のような流れで決まっていきます。
  1. 工事内容・図面・仕様を確認する
  2. 材料や設備の数量、必要な作業量を把握する
  3. 必要な費用を積算する
  4. 積算した費用をもとに工事費全体を組み立てる
  5. 見積金額を決定する
  6. 見積金額を見積書にまとめて顧客に提示する
この流れの中で中心的な役割を果たすのが「積算」と「見積り」という2つの言葉です。積算とは、図面や仕様書をもとに、工事に必要な材料費や労務費などの費用を一つひとつ計算して積み上げる作業のことです。一方、見積りとは、積算で出した費用に諸経費や利益などを加えて、顧客に提示する最終的な金額を決める工程を指します。

つまり、積算は見積金額を決めるための土台となる計算作業であり、見積りはその土台の上に、工事全体を成立させるための費用や利益を積み重ねて金額を確定させる工程です。積算だけを行っても見積金額が自動的に決まるわけではなく、積算した費用をもとに、工事費全体を組み立てるという次の工程を経てはじめて、顧客に提示できる見積金額が完成します。

この記事では、この一連の流れを、順を追って詳しく見ていきます。

 

見積金額を決めるために必要な情報

見積金額を決めるには、まず工事の内容を正しく把握し、必要な情報を整理しておく必要があります。ここでは、見積金額を決める前提として押さえておきたい情報を紹介します。

 

工事内容・図面・仕様

見積りの出発点は、図面や仕様書から工事の内容を正確に読み取ることです。どの範囲を、どのような工法・仕様で施工するのかが曖昧なままでは、この先の数量把握や積算にズレが生じてしまいます。電気工事や水道工事であれば、機器や配管の設置位置、使用する材料の指定などを図面から丁寧に確認することが求められます。

 

材料や設備の数量

工事内容が把握できたら、必要な材料や設備の数量を洗い出します。配管の長さ、電線の本数、機器の台数など、図面をもとに一つひとつ数量を確認していく作業です。この段階での数量の把握が不十分だと、後の積算や見積りに漏れが生じる原因になります。

 

必要な作業量・人工

材料だけでなく、施工にどれだけの作業量がかかるのかを把握することも欠かせません。作業員が何人、どれくらいの時間をかけて作業するのかという「人工(にんく)」の考え方は、労務費を算出するための土台になります。

 

材料単価・労務単価などの単価情報

数量や作業量が分かっても、単価が分からなければ費用は計算できません。材料の仕入れ単価や、作業員に支払う労務単価など、金額を算出するための単価情報をあわせて把握しておく必要があります。

これらの情報は、この段階で完璧に揃える必要はありませんが、「何を把握しておく必要があるのか」を理解しておくことが、次の積算工程をスムーズに進める助けになります。

 

必要な費用を積算する

工事内容や数量、単価といった情報が揃ったら、実際に必要な費用を積算していきます。

 

数量と単価から必要な費用を算出する

積算の基本的な考え方は、把握した数量に単価を掛け合わせて費用を算出することです。たとえば、配管100mが必要であれば、その材料単価を掛け合わせて材料費を求めます。こうした計算を、工事に必要な項目ごとに一つずつ行っていくのが積算の作業です。

 

材料費だけでなく労務費なども考える

積算では、材料費だけでなく、施工に携わる作業員の労務費や、機械を使用する場合の経費なども合わせて計算します。「材料をいくらで仕入れるか」だけでなく、「その材料を施工するのにどれだけの人手と時間がかかるか」まで含めて考えることで、工事にかかる費用の全体像が見えてきます。

このように積算は、見積金額を決めるための基礎となる、費用計算の工程です。
積算そのものの詳しい仕事内容や具体的な手順については、積算の基本や具体的な進め方を解説した記事をご覧ください。

 

積算した費用から工事費全体を組み立てる

積算によって工事に必要な費用を算出しても、その金額がそのまま顧客へ提示する見積金額になるとは限りません。工事費全体を組み立てるには、さらにいくつかの費用を考慮する必要があります。

 

直接工事費と間接工事費

積算では、材料費や労務費をはじめ、工事に必要となる費用を数量や単価などをもとに算出していきます。これらの費用を整理しながら、工事目的物の施工に直接かかる「直接工事費」と、現場の運営などに必要な「間接工事費」を含めて工事費全体を組み立てていきます。

間接工事費には、仮設設備や現場管理などにかかる費用が含まれます。特定の作業に直接紐づく費用ではありませんが、工事を進めるうえで必要となる費用です。

 

諸経費や一般管理費

工事現場にかかる費用だけでなく、会社全体を運営していくための一般管理費等も、見積金額を構成する要素の一つです。見積書では、こうした費用が「諸経費」としてまとめて扱われることもあり、その範囲は会社や見積方法によって幅があります。

 

利益も考慮して見積金額を決める

直接工事費・間接工事費・一般管理費等を積み上げた金額に、さらに利益を加えたものが、顧客に提示する見積金額のベースとなります。つまり、「材料費+労務費=そのまま見積金額」ではなく、そこに現場運営や会社経営に必要な費用、そして利益を積み重ねて、はじめて見積金額が決まるという関係にあります。

直接工事費・間接工事費・諸経費などの詳しい関係については、工事費の内訳・費目をまとめた記事で解説しています。

 

決定した見積金額を見積書にまとめる

積算と工事費の整理によって見積金額が固まったら、その内容を社内資料として終わらせるのではなく、顧客へ提示するための見積書として整理する工程に進みます。

 

工事項目や金額を整理する

見積書には、一般的には工事全体の総額だけでなく、その金額の根拠となる工事項目ごとの内訳を記載します。どの工事にいくらかかるのかを項目別に整理することで、顧客が金額の内容を理解しやすくなり、後々の認識違いを防ぐことにもつながります。

 

見積条件など必要な情報を記載する

見積書には金額の内訳だけでなく、必要に応じて工期や支払条件、見積りの前提となる条件なども記載します。これらの情報を明記しておくことで、どのような条件のもとで算出された金額なのかを顧客と共有でき、契約前の認識合わせがスムーズになります。

見積書に必要な項目や具体的な作成手順については、工事見積書の記載項目や作成方法を解説した記事をご覧ください。

 

見積りが実際の工事原価とズレる主な原因

ここまで見てきたように、見積金額は工事内容の確認から積算、工事費の整理を経て決まっていきます。この一連の流れのどこかに漏れや見落としがあると、見積りが実際の工事原価とズレてしまい、想定していた利益が確保できなくなる原因になります。

 

数量の拾い漏れ

図面から数量を拾い出す段階で、必要な材料や作業項目の一部を見落としてしまうと、その分の費用が最初から見積りに含まれないことになります。工事内容の確認が不十分なまま次の工程に進んでしまうと、こうした拾い漏れが起こりやすくなります。

 

材料費や労務費の計上漏れ

材料費や労務費そのものは把握できていても、その一部の項目を積算の段階で計上し忘れてしまうケースもあります。積算は工事に必要な費用を一つずつ積み上げていく作業のため、丁寧な確認を怠ると計上漏れにつながります。

 

諸経費を十分に考慮していない

直接工事費だけに意識が向いてしまい、現場運営や会社経営に必要な諸経費や一般管理費等を十分に考慮しないまま見積金額を決めてしまうと、直接工事費だけを基準にすると採算が取れているように見えても、会社運営に必要な費用まで含めると、十分な利益が残らないという事態になりかねません。

 

材料価格などの変動を見積金額に反映できていない

材料の価格は、時期や市場の状況によって変動することがあります。見積り時点の単価をそのまま使い続けていると、実際に工事を行う頃には材料価格が上がっており、想定していた原価を上回ってしまうこともあります。

これらの原因に共通しているのは、「工事内容の確認→積算→工事費の整理→見積金額の決定」という一連の流れを、それぞれの工程で丁寧に行っていないと発生しやすいという点です。逆にいえば、各工程を正しい順序で、抜け漏れなく進めることが、見積りと実際の工事原価とのズレを防ぐ最も基本的な対策になります。

 

見積り・積算業務を効率化する方法

見積りや積算は、Excelや手作業でも行うことができます。実際に、多くの事業者がExcelのテンプレートなどを使って見積書を作成しています。

 

Excelや手作業で見積りを作成する

Excelは、表や計算式を自由に組み合わせて見積りを管理しやすい一方で、案件数や扱う項目が増えてくると、拾い出しの転記や単価の更新、計算式の管理などに手間がかかるようになります。また、担当者ごとにやり方が異なりやすく、業務が特定の人に偏ってしまう、いわゆる属人化が起こりやすい点にも注意が必要です。

 

積算・見積りソフトを利用する

こうした手間を軽減する選択肢として、積算・見積り業務に特化したソフトを利用する方法があります。
ソフトによっては、数量の拾い出しから単価の反映、内訳の集計、見積書の作成までを一連の流れでサポートできます。こうしたソフトを活用することで、手作業に比べて業務時間を短縮しやすくなるほか、計算ミスや拾い漏れの防止にもつながります。

業務に合ったツールを検討する場合は、積算・見積りソフトの機能や選び方もあわせてご覧ください。

 

見積り・積算は一連の流れで考えることが重要

建設工事の見積金額は、材料費や労務費を計算するだけで決まるものではありません。工事内容や数量を把握し、必要な費用を積算したうえで、工事費全体を整理し、必要な利益も考慮して、最終的な見積金額を決定します。

そのため、「工事内容の確認→積算→工事費の整理→見積金額の決定→見積書の作成」という一連の流れを理解しておくことが重要です。

また、図面作成から数量の拾い出し、見積りまでを別々に管理するのではなく、一連の業務を連動させることで、転記作業や入力の手間を減らす方法もあります。
図面作成と見積りを連携して効率化したい場合は、plusCAD電気αplusCAD機械αの活用も選択肢の一つです。

 

建設工事の見積りについてよくある質問

積算と見積りはどちらを先に行いますか?

一般的には、工事に必要な費用を積算・整理したうえで、その結果や会社として必要な利益などを踏まえて見積金額を決定します。そのため、一連の流れとしては積算を行った後に、顧客へ提示する見積金額を決めるのが基本です。

 

積算した金額がそのまま見積金額になりますか?

いいえ、積算した金額がそのまま見積金額になるとは限りません。積算によって工事に必要な費用を算出・整理したうえで、諸経費や会社として確保すべき利益なども考慮し、顧客へ提示する見積金額を決定します。

 

見積金額にはどのような費用を含めますか?

見積金額には、材料費や労務費などの直接工事費に加えて、現場運営に必要な間接工事費、会社運営に必要な一般管理費等、そして利益が含まれます。それぞれの費目の詳しい内容は、工事費の内訳を解説した記事で確認できます。

 

見積りや積算はExcelでもできますか?

Excelでも見積りや積算を行うことは可能です。ただし、案件数や項目数が増えてくると、転記や単価更新などの手間が大きくなりやすいため、業務量が多い場合は積算・見積りソフトの利用も選択肢に入れると効率化を図りやすくなります。

 

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