- 2026年09月02日
建設業のダッシュボードとは?経営・工事データを可視化するメリットと活用方法
現場管理・業務管理

建設会社では、売上や受注状況だけでなく、工事ごとの原価や利益、請求・入金状況など、経営判断に必要なさまざまなデータが発生します。しかし、それぞれの情報が複数のExcelや帳票などに分散していると、会社全体の状況をすぐに把握することは困難です。
そこで活用したいのが「ダッシュボード」です。建設業でダッシュボードを活用すれば、経営や工事に関する重要なデータを整理し、現在の状況を把握しやすくなります。
本記事では、建設業におけるダッシュボードの役割から、管理したいデータ、導入によるメリット、活用を定着させるポイントまで詳しく解説します。
監修:室田茂樹
株式会社プラスバイプラス 代表取締役
コンテンツ
建設業におけるダッシュボードとは
ダッシュボードとは、業務や経営に関する複数のデータを集約し、状況を把握しやすい形で表示する仕組みです。建設業では、売上や原価、利益率などの経営情報だけでなく、工事単位の実績を把握する用途にも活用できます。まずは、ダッシュボードの基本的な役割について理解しておきましょう。
ダッシュボードの基本的な役割
ダッシュボードの主な役割は、複数のデータから重要な情報を取り出し、現在の状況を把握しやすくすることです。例えば、会社の売上を確認するために一つのExcelを開き、工事原価を確認するために別の管理表を探す状態では、経営状況を把握するまでに時間がかかります。
必要な指標をダッシュボードへ集約できれば、売上や原価、利益などを同じ画面上で確認しやすくなります。
また、数値を一覧表示するだけでなく、グラフなどを利用して推移や比較を分かりやすく表現できる点も特徴です。数字の変化を視覚的に確認することで、異常や傾向にも気付きやすくなります。
Excelによる集計との違い
建設会社では、売上や原価などの管理にExcelを利用しているケースも多いでしょう。Excelでも関数やグラフを使えば、データの集計や可視化は可能です。ただし、工事件数が増えるほど入力する情報も多くなり、複数の管理表から数字を集めて経営資料を作成する作業が負担になりやすくなります。
また、担当者ごとにExcelを作成していると、ファイルが分散したり、集計方法が属人化したりすることもあります。
ダッシュボードを活用する目的は、単にExcelを別のツールへ置き換えることではありません。業務で蓄積されたデータから必要な情報を確認しやすい環境を作り、集計にかかる負担を減らしながら経営判断へ生かすことにあります。
建設業でダッシュボードが注目される背景
建設業でダッシュボードが注目される背景には、経営環境の変化があります。材料価格や外注費などが変動するなかで利益を確保するためには、受注金額だけではなく、実際に発生している原価まで把握する必要があります。工事が完了してから採算を確認するだけでは、赤字になる兆候があっても施工中に対策を取れません。
また、人手不足が続くなか、管理業務に多くの時間を費やすことも避けたいところです。
こうした状況から、社内に蓄積されているデータを効率よく確認し、経営や工事管理に活用する重要性が高まっています。建設業におけるダッシュボードの活用は、データに基づいた管理体制を構築する方法の一つです。
ダッシュボードで把握できる情報
ダッシュボードに表示する情報は、利用目的によって異なります。経営者であれば、会社全体の売上高や受注高、利益率、入金状況などが重要になるでしょう。一方、工事管理を担当する立場では、個別工事の原価や実行予算との差異などを確認する必要があります。
重要なのは、社内にあるすべてのデータを表示することではありません。経営や業務上の課題に合わせて、判断に必要な情報を選ぶことが大切です。
例えば、利益改善を目的とするのであれば、売上だけでなく原価や工事利益率まで確認できるようにします。目的に応じて必要な数字を絞り込むことで、ダッシュボードを経営判断へ活用しやすくなります。
経営ダッシュボードと現場管理の関係
経営ダッシュボードというと、経営者だけが利用するものというイメージを持つかもしれません。しかし、建設業では現場で発生するデータと経営情報が密接に関係しています。例えば、現場で材料の追加発注が発生すれば工事原価が増え、最終的な利益率にも影響します。追加工事が発生したにもかかわらず請求へ反映されなければ、利益を圧迫する原因になります。
つまり、経営者が確認する数字の多くは、現場で発生した一つひとつの情報から成り立っています。
現場の実績を適切に記録し、そのデータを経営側が確認できる状態にすることが重要です。ダッシュボードは、現場管理と経営管理をデータでつなぐ役割も担います。
建設業のダッシュボードで管理したいデータ
建設業のダッシュボードを経営に活用するためには、自社にとって重要なデータを選ぶ必要があります。特に「売上・受注状況」「工事ごとの原価」「工事ごとの利益率」「請求・入金状況」「予算と実績の差異」の5つを管理すべきデータとして設定しています。
売上・受注状況
会社の経営状況を把握するうえで、まず確認したいのが売上と受注に関するデータです。売上高を月次や四半期、年度単位で確認すれば、目標に対してどの程度進捗しているかを判断できます。前年同期と比較することで、事業の成長や減速の傾向を確認することも可能です。
一方、現在の売上だけでなく、受注状況にも注目する必要があります。建設業では受注してから施工・完成するまでに時間がかかるため、現在の売上が好調でも、その後の受注が不足していれば将来的に売上が減少する可能性があります。
売上と受注をあわせて確認することで、現在の業績だけでなく、今後の仕事量まで考慮した経営判断を行いやすくなります。
工事ごとの原価
建設会社の利益を管理するためには、工事ごとの原価を把握することが重要です。売上金額が同じ工事でも、材料費や外注費、労務費などが異なれば、会社に残る利益も変わります。会社全体の原価だけを確認していては、どの工事でコストが増えているのか判断できません。
工事単位で原価を確認できれば、「特定の工事だけ材料費が想定以上に増えている」「外注費が当初の計画を超えている」といった問題を把握しやすくなります。
さらに、工事完了後だけではなく施工中にも原価を確認できれば、予算超過の兆候を早い段階で発見できます。原価管理は、建設業のダッシュボードで特に重視したい項目の一つです。
工事ごとの利益率
工事ごとの利益率は、どの案件が会社の利益に貢献しているかを判断するための重要な指標です。会社全体では黒字でも、すべての工事で利益が出ているとは限りません。利益率の高い工事によって、一部の低採算・赤字工事を補っているケースもあります。
工事ごとの売上と原価を把握し、利益率を比較できれば、利益を確保できている案件と採算が悪化している案件を判別しやすくなります。
また、過去の工事利益率を工種や顧客、工事規模などで比較すれば、自社が利益を確保しやすい案件の傾向を分析する材料にもなります。
単純な売上規模だけで案件を評価せず、「どれだけ利益を残せているか」という視点を持つことが重要です。
請求・入金状況
建設会社の経営では、売上や利益だけでなく、請求と入金の状況も確認する必要があります。工事が順調に進んで売上や利益が計上されていても、予定どおり入金されなければ資金繰りに影響します。特に建設業では、材料費や外注費などの支払いが工事代金の入金より先に発生する場合があるため注意が必要です。
請求済みの金額や入金予定日、未入金額などを確認できれば、今後の資金の動きを把握しやすくなります。
また、請求漏れや入金遅延を早めに発見するためにも有効です。
利益が出ているかという損益面だけでなく、「実際に資金を回収できているか」という視点を持つことで、より安定した経営管理につながります。
予算と実績の差異
工事の採算を管理するうえでは、着工前に設定した予算と、実際に発生した原価との差異を確認することも重要です。例えば、材料費100万円を予定していた工事で、施工途中ですでに90万円を使用しているのであれば、その後の工事で予算を超過する可能性があります。
予算と実績を比較することで、単に「現在いくら使っているか」だけでなく、「計画に対してどの程度進んでいるか」を判断できます。
差異が大きくなっている場合には、材料の追加購入や外注費、施工方法などを確認し、原因を特定することが重要です。
こうしたデータを継続して蓄積すれば、次回以降の見積りや実行予算の精度向上にも活用できます。
ダッシュボードを活用するメリット
建設業でダッシュボードを活用する大きな目的は、単に数字を分かりやすく表示することではありません。売上や原価、利益などのデータを経営や工事管理に役立て、問題の早期発見や迅速な意思決定につなげることが重要です。ここでは、建設会社がダッシュボードを活用することで期待できる主なメリットを解説します。
経営状況を把握しやすくなる
建設会社では、売上や受注、原価、利益、請求、入金など、経営判断に必要な情報が複数あります。これらを別々のExcelや帳票で管理していると、会社の状況を確認するために複数の資料を開き、数字を照合しなければなりません。ダッシュボードに重要な指標を集約すれば、会社の経営状況を把握しやすくなります。売上は目標どおりに推移しているのか、原価率は上昇していないか、利益を確保できているかなどを確認することで、現在の課題を発見する手掛かりになります。
また、前月や前年同期など過去のデータと比較すれば、単一の数字を見るだけでは分からない変化も捉えやすくなります。経営状態を継続的に確認する仕組みを作ることが、データに基づいた経営管理の第一歩です。
赤字工事の兆候に気付きやすくなる
工事が完了してから原価を集計した結果、想定していたほど利益が残っていなかったというケースも考えられます。しかし、完成後に赤字が判明しても、その工事について取れる対策は限られます。そこで重要になるのが、施工中から売上や予算、実際原価などのデータを確認することです。
例えば、工程が半分程度しか進んでいないにもかかわらず、材料費や外注費が予算の大部分を占めている場合、そのままでは予算超過につながる可能性があります。
工事の進行に合わせて原価や利益の状況を把握できれば、追加発注の内容や施工方法などを早めに確認できます。ダッシュボードは、赤字になった工事を確認するだけでなく、赤字になる可能性のある工事を早期に発見するために活用することが重要です。
データ集計の負担を軽減できる
経営会議や工事会議のたびに、担当者が複数の管理表から数字を集めて資料を作成している会社もあるでしょう。こうした方法では、資料を作成するたびにデータの転記や集計が発生します。工事件数が増えるほど作業量も多くなり、本来は数字を分析するための時間が資料作成に費やされてしまいます。
業務で蓄積したデータをダッシュボードで確認できる仕組みを整えることで、手作業による集計の負担を軽減しやすくなります。
また、転記や計算を繰り返す工程が減れば、入力間違いや計算ミスを防ぐことにもつながります。
大切なのは、資料を作ることではなく、数字から問題を発見して次の行動を決めることです。集計作業を効率化し、データを分析する時間を確保することもダッシュボード活用のメリットです。
部門・工事ごとの比較がしやすくなる
ダッシュボードを活用すると、会社全体の数字だけでなく、部門や工事などの単位でデータを比較しやすくなります。例えば、会社全体では目標とする利益率を確保できていても、工事ごとに確認すると大きな差が生じている場合があります。利益率の高い工事が、低採算の工事を補っている可能性もあるでしょう。
工事ごとの原価や利益率を比較すれば、どのような案件で利益を確保できているのか、反対にどのような案件で原価が増えやすいのかを分析する材料になります。
さらに、部門別や期間別など複数の切り口で比較することで、自社の強みや改善すべきポイントを発見しやすくなります。
数字を会社全体の合計だけで捉えず、必要な単位まで掘り下げて確認することで、より具体的な改善策を検討できます。
経営判断のスピード向上につながる
経営判断を行うために必要な数字を確認するまで数日かかる状態では、問題への対応も遅れてしまいます。例えば、経営者が「現在進行中の工事で利益率が低下している案件を確認したい」と考えても、担当者が複数のExcelから数字を集計しなければ回答できない状態では、すぐに状況を判断できません。
必要な経営・工事データを確認しやすい環境を構築することで、数字を調べるための時間を短縮できます。
その結果、利益率が悪化している工事への対応や、今後受注する案件の判断なども迅速に行いやすくなります。
建設業 ダッシュボードの価値は、情報をきれいに表示することだけではありません。経営者や管理者が必要な情報を適切なタイミングで確認し、次の判断へつなげられる状態を作ることにあります。
建設業でダッシュボードを導入する手順
ダッシュボードを導入する際は、最初から多くのデータを集めようとするのではなく、「何を改善するために活用するのか」を明確にすることが重要です。目的が曖昧なままでは、さまざまな数字を表示しただけで実際の経営判断には使われない可能性があります。
可視化したい経営課題を決める
ダッシュボードの導入を検討する際は、まず自社が解決したい経営課題を明確にしましょう。例えば、「売上は伸びているのに利益が増えない」という課題がある場合、売上だけを細かく表示しても原因は分かりません。工事ごとの原価や利益率、予算と実績の差異などを確認する必要があります。
一方、資金繰りに課題を感じているのであれば、請求額や入金予定、未入金額などが重要になります。
最初に課題を設定することで、ダッシュボードで何を見るべきかが明確になります。
「データを可視化したい」という漠然とした目的から始めるのではなく、「利益率が低下する原因を把握したい」「赤字工事を早期に発見したい」など、経営上の具体的な課題から考えることが重要です。
管理する指標を選定する
経営課題を明確にしたら、その状況を判断するために必要な指標を選びます。例えば、工事の収益性を改善したいのであれば、工事ごとの売上や原価、利益率などが候補になります。実行予算との差異を確認することで、施工中に原価が想定以上に増えていないかを判断することもできます。
ここで注意したいのが、管理する指標を増やしすぎないことです。数字が多いほど詳細に分析できるように思えますが、重要な変化が埋もれてしまう可能性があります。
経営者と現場管理者では必要な情報が異なる場合もあるため、「誰が何を判断するために見る数字なのか」を考えて選定するとよいでしょう。
自社の課題と直接関係する重要な指標から管理を始めることが、ダッシュボードを実務で活用するポイントです。
必要なデータの取得方法を整理する
表示する指標を決めたら、その数字を算出するために必要なデータがどこにあるのかを確認します。例えば、工事利益率を把握するためには、工事ごとの売上と原価のデータが必要です。しかし、売上は販売管理のExcel、材料費は別の管理表、外注費は紙の請求書というように情報が分散していると、ダッシュボードへ反映する前の集計に手間がかかります。
まずは現在の業務で、誰がどのタイミングでどの情報を記録しているのかを整理しましょう。
必要なデータそのものが記録されていない場合は、入力方法から見直す必要があります。
ダッシュボードの表示方法だけに注目するのではなく、その元になるデータを正確かつ継続的に蓄積できる仕組みを整えることが重要です。
更新頻度と確認する担当者を決める
ダッシュボードは、一度作成して終わりではありません。データを更新し、定期的に確認することで経営や工事管理に活用できます。そのため、指標ごとに更新頻度と確認する担当者を決めておきましょう。
例えば、工事原価のように施工中も変化する情報は、工事が完了してからまとめて更新するだけでは赤字の兆候を早期に把握できません。一方で、すべての数字を毎日確認する必要があるとも限りません。
週次や月次など、自社の業務や判断のタイミングに合わせた頻度を設定することが大切です。
また、「経営者が見る」「工事責任者が見る」といった役割も明確にしておくことで、数字が表示されているだけの状態を防げます。確認した後に誰が判断し、必要な対応を取るのかまで決めておくと効果的です。
小規模な運用から改善を重ねる
ダッシュボードを導入するときに、最初から会社全体のあらゆるデータを管理しようとすると、仕組みが複雑になりやすくなります。特に、これまでExcelや紙による管理が中心だった会社では、入力方法や業務フローを一度に大きく変更すると現場の負担になる可能性があります。
まずは、利益管理など優先度の高い課題に絞り、必要な指標から運用を始める方法が現実的です。
実際に利用すると、「この数字はあまり使わない」「この情報も確認できた方が判断しやすい」といった改善点が見つかります。
小規模に始めて、実際の利用状況を見ながら表示する情報や運用方法を調整していくことで、自社にとって使いやすいダッシュボードへ育てていくことができます。
ダッシュボードを形骸化させないポイント
ダッシュボードを導入しても、次第に確認されなくなったり、数値を眺めるだけになったりしては、十分な効果を得られません。重要なのは、ダッシュボードそのものを作ることではなく、表示されたデータを実際の経営や工事管理に活用することです。導入後も継続して使われる仕組みにするためのポイントを確認しておきましょう。
表示する指標を増やしすぎない
経営に関するデータを可視化できるようになると、さまざまな数字をダッシュボードへ表示したくなることがあります。しかし、指標を増やしすぎると、本当に確認すべき数字が分かりにくくなるため注意が必要です。例えば、利益改善が現在の経営課題であれば、工事ごとの売上や原価、利益率、予算と実績の差異など、利益に関係する指標を優先して確認します。
ダッシュボードは、多くの情報を表示すること自体が目的ではありません。経営者や管理者が状況を把握し、判断するために必要な情報へ素早くアクセスできることが重要です。
会社の経営課題が変化した場合は、表示する指標も見直し、その時点で重要な数字を確認できる状態を維持しましょう。
データの入力ルールを統一する
ダッシュボードに表示される数字の正確性は、元となるデータの品質に左右されます。例えば、同じ外注費でも、担当者によって異なる項目へ入力していれば、工事原価を正しく比較することが難しくなります。工事名や工事番号などの表記が統一されていない場合も、同じ案件の情報が別々のデータとして扱われる可能性があります。
そのため、誰が入力しても同じ基準でデータが蓄積されるよう、社内で入力ルールを統一することが重要です。
細かなルールを増やしすぎると入力する側の負担になるため、必要な項目や分類方法を整理し、分かりやすい運用を目指しましょう。
正確なデータを継続して蓄積できる環境を作ることが、信頼できるダッシュボードの基礎となります。
数値を見るだけで終わらせない
ダッシュボードで経営状況を確認できるようになっても、数字を眺めるだけでは経営改善にはつながりません。例えば、工事利益率が目標を下回っていることが分かったら、材料費や外注費、労務費などを確認し、利益を圧迫している要因を探る必要があります。そのうえで、次回の発注方法や見積り、施工体制などを見直します。
反対に、想定以上の利益を確保できた工事についても、その理由を分析することが重要です。利益率の高い案件に共通する条件を把握できれば、今後の受注判断にも生かせます。
ダッシュボードは、問題の答えを自動的に示すものではなく、課題を発見するための手掛かりです。表示された数字から具体的な行動へつなげることを意識しましょう。
異常値が出た原因まで確認する
ダッシュボードを継続して確認していると、通常とは大きく異なる数字が現れることがあります。例えば、ある工事だけ原価率が高くなっている場合、単に「原価率が悪い」と判断するだけでは十分ではありません。材料価格の上昇、追加発注、施工の手戻り、外注費の増加など、数字が変化した原因まで確認する必要があります。
一時的な特殊要因によるものなのか、他の工事でも発生する可能性がある問題なのかによって、取るべき対策も変わります。
また、異常値だけでなく、緩やかな変化にも注意が必要です。数か月にわたって原価率が少しずつ上昇している場合などは、早めに原因を分析することで大きな利益低下を防げる可能性があります。
数字の変化と実際の業務を結び付けて考えることが重要です。
経営会議や工事管理に活用する
ダッシュボードを社内に定着させるには、日常的な業務の中で確認する機会を設けることも有効です。例えば、毎月の経営会議で売上や受注、利益率などを確認したり、工事会議で進行中の案件の原価や予算との差異を確認したりする方法があります。
定期的に同じ指標を確認することで、数字の変化を継続して追いやすくなります。また、「利益率が一定水準を下回った場合は原因を確認する」といった判断基準を設けておけば、問題が放置されることも防ぎやすくなります。
ダッシュボードを特別な分析をするときだけ開くものにせず、普段の経営管理や工事管理に組み込むことがポイントです。
数字をもとに状況を共有する習慣が定着すれば、担当者個人の感覚だけに依存しない判断にもつながります。
要 〜KANAME〜で工事の利益を視える化
建設業においてダッシュボードを活用するためには、表示する画面だけでなく、その元となる工事データを正確に蓄積できる環境が重要です。売上はExcel、原価は別の管理表、請求や入金はさらに別の帳票というように情報が分散していると、経営状況を確認するための集計作業に時間がかかります。
こうした工事に関する情報をまとめて管理し、利益の視える化に役立つのが、建設業向け原価管理システム「要 〜KANAME〜」です。
工事台帳をベースに工事情報を一元管理できる
建設業では、一つの工事に対して売上や原価、見積り、請求などさまざまな情報が発生します。これらを個別に管理すると、工事の状況を確認するために複数の資料を照合しなければなりません。「要 〜KANAME〜」では、工事台帳をベースとして工事に関する情報を一元管理できます。
工事単位で情報を整理することで、会社全体の数字だけでなく、個別案件の状況も把握しやすくなります。また、工事情報が担当者ごとのExcelなどに分散する状態を減らせるため、必要な情報を社内で確認しやすくなる点もメリットです。
ダッシュボードによる経営管理を考える際も、まずはその基礎となる工事データを整理し、継続して蓄積できる環境を構築することが重要です。
売上・原価を工事単位で把握できる
会社全体の売上や原価だけでは、どの工事が経営にどのような影響を与えているのかまでは分かりません。「要 〜KANAME〜」を活用することで、売上や原価を工事単位で把握しやすくなります。
例えば、売上金額が大きい工事でも、材料費や外注費などの原価が膨らんでいれば、十分な利益を確保できていない可能性があります。工事単位で数字を確認することで、原価が想定以上に増えている案件を把握し、その原因を検討できます。
また、工事ごとの実績を継続して蓄積すれば、過去の類似工事と比較することも可能になります。
売上だけで案件を評価せず、実際に発生した原価まで確認することが、建設会社の収益性を正確に把握するためのポイントです。
工事ごとの利益を視える化できる
建設会社の経営では、「売上がいくらあるか」と同時に、「その売上からどれだけ利益を確保できているか」を把握する必要があります。「要 〜KANAME〜」では、工事ごとの売上と原価を管理することで、案件ごとの利益を視える化できます。
どの工事で利益が出ているのかを把握できれば、採算性の高い案件の特徴を分析し、今後の受注判断へ生かすことができます。一方、利益率が低い工事については、材料費や外注費などを確認し、改善すべきポイントを探ることが可能です。
工事完了後に会社全体の利益を見るだけでなく、個々の工事の採算を把握することが重要です。
工事ごとの利益データを蓄積していくことで、経験や感覚だけではなく、実績に基づいた経営判断にもつなげやすくなります。
見積り・請求・入金などの情報もまとめて管理できる
工事の経営管理では、原価や利益だけでなく、見積りから請求、入金までの流れも把握する必要があります。例えば、工事自体は完了していても、追加工事の内容が請求へ反映されていなければ、本来得られるはずの売上を回収できません。また、請求済みでも入金が遅れていれば、資金繰りへ影響する可能性があります。
「要 〜KANAME〜」では、工事台帳をベースとして見積り・請求・原価・入金などをまとめて管理できます。
工事に関する情報を一連の流れとして把握することで、売上や利益だけでなく、請求や入金の状況まで確認しやすくなります。
複数の管理表に分散していた情報を工事単位で整理することは、経営に必要なデータを効率よく活用するためにも重要です。
導入後のサポートを受けながらデータ活用を進められる
業務システムは、導入しただけで経営改善につながるわけではありません。実際の業務に定着させ、継続して正確なデータを蓄積することが重要です。特に、これまで紙やExcelを中心に管理してきた建設会社では、新しい管理方法へ移行する過程で操作方法や運用方法について疑問が生じることもあります。
「要 〜KANAME〜」では、導入後もサポートを受けながら運用を進められます。
システムを使い続けるなかで生じた疑問を相談できる環境があれば、社内への定着も進めやすくなります。
建設業のダッシュボード活用では、データを表示すること以上に、日々の業務から正確な情報を継続的に蓄積することが重要です。導入後の運用まで見据えた環境を整えることで、工事データを経営判断へ生かしやすくなります。
建設業のダッシュボードについてよくある質問
Q1. 建設業のダッシュボードでは何を表示すればよいですか?
自社の経営課題を判断するために必要な指標を表示することが重要です。代表的なものとしては、売上・受注状況、工事ごとの原価や利益率、請求・入金状況、予算と実績の差異などがあります。
ただし、これらすべてを表示する必要はありません。例えば、工事の利益改善が課題であれば、工事ごとの売上、原価、利益率、予算との差異などを優先して確認します。
まずは「何を改善したいのか」を明確にし、その状況を判断するために必要な数字へ絞り込むとよいでしょう。表示する情報を増やしすぎず、経営判断に使えるダッシュボードを作ることが大切です。
Q2. Excelでも建設業のダッシュボードを作成できますか?
Excelでも、関数やピボットテーブル、グラフなどを活用してデータを可視化することは可能です。工事件数や管理するデータが少ない場合は、Excelから始める方法もあります。一方、工事件数や管理項目が増えると、複数のファイルからデータを集めたり、手作業で更新したりする負担が大きくなることがあります。
また、特定の担当者しか集計方法を理解していない状態になると、管理が属人化する点にも注意が必要です。
現在のExcel管理でどの程度の負担が発生しているのかを確認し、集計や情報管理に時間がかかっている場合は、工事情報を一元管理できるシステムの導入も検討するとよいでしょう。
Q3. ダッシュボードを導入すれば赤字工事を防げますか?
ダッシュボードを導入するだけで、赤字工事を完全に防げるわけではありません。ただし、施工中から予算と実際原価、利益率などを継続して確認することで、赤字につながる兆候を早期に把握しやすくなります。
例えば、工事の途中で材料費や外注費が予算を大幅に上回っていることが分かれば、その原因を確認し、今後の発注や施工方法を見直すことができます。
重要なのは、数字を表示するだけで終わらせないことです。異常値を発見したら原因を分析し、具体的な改善策へつなげる必要があります。
ダッシュボードを経営会議や工事管理の中で継続して確認し、数字をもとに行動する仕組みを作ることで、赤字工事の早期発見や利益改善に役立てられます。
建設業のダッシュボードについてよくある質問
Q1. 建設業のダッシュボードでは何を表示すればよいですか?
自社の経営課題を判断するために必要な指標を表示することが重要です。代表的なものとしては、売上・受注状況、工事ごとの原価や利益率、請求・入金状況、予算と実績の差異などがあります。
ただし、これらすべてを表示する必要はありません。例えば、工事の利益改善が課題であれば、工事ごとの売上、原価、利益率、予算との差異などを優先して確認します。
まずは「何を改善したいのか」を明確にし、その状況を判断するために必要な数字へ絞り込むとよいでしょう。表示する情報を増やしすぎず、経営判断に使えるダッシュボードを作ることが大切です。
Q2. Excelでも建設業のダッシュボードを作成できますか?
Excelでも、関数やピボットテーブル、グラフなどを活用してデータを可視化することは可能です。工事件数や管理するデータが少ない場合は、Excelから始める方法もあります。一方、工事件数や管理項目が増えると、複数のファイルからデータを集めたり、手作業で更新したりする負担が大きくなることがあります。
また、特定の担当者しか集計方法を理解していない状態になると、管理が属人化する点にも注意が必要です。
現在のExcel管理でどの程度の負担が発生しているのかを確認し、集計や情報管理に時間がかかっている場合は、工事情報を一元管理できるシステムの導入も検討するとよいでしょう。
Q3. ダッシュボードを導入すれば赤字工事を防げますか?
ダッシュボードを導入するだけで、赤字工事を完全に防げるわけではありません。ただし、施工中から予算と実際原価、利益率などを継続して確認することで、赤字につながる兆候を早期に把握しやすくなります。
例えば、工事の途中で材料費や外注費が予算を大幅に上回っていることが分かれば、その原因を確認し、今後の発注や施工方法を見直すことができます。
重要なのは、数字を表示するだけで終わらせないことです。異常値を発見したら原因を分析し、具体的な改善策へつなげる必要があります。
ダッシュボードを経営会議や工事管理の中で継続して確認し、数字をもとに行動する仕組みを作ることで、赤字工事の早期発見や利益改善に役立てられます。






