- 2026年10月16日
電気工事に資格は必要?無資格でできる工事・できない工事を解説
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電気工事は、一部の軽微な工事を除き、電気工事士などの資格がなければ行えません。一方で、電気に関わる作業のすべてに資格が必要なわけではなく、電気工事士法の対象にならない軽微な工事もあります。
この記事では、電気工事士法の考え方をもとに、資格が不要な作業と必要な作業の境目を整理します。コンセントや照明、エアコンなど、身近な例で迷いやすいポイントも取り上げます。
監修:室田茂樹
株式会社プラスバイプラス 代表取締役
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電気工事には資格が必要?
結論として、住宅や小規模店舗などの一般用電気工作物等や、一定規模未満のビル・工場などの電気設備を設置・変更する工事では、作業内容に応じて電気工事士などの資格が必要です。感電や漏電火災といった事故を防ぐため、電気工事士法で、資格を持つ人でなければ従事できない作業が定められています。ただし、「電気に関係する作業はすべて資格が必要」というわけではありません。法律の上では、次の3つに分けて考えます。
| 区分 | 内容 | 資格 |
|---|---|---|
| 資格が必要な作業 | 電気工事のうち、電気工事士などでなければ従事できないと定められた作業 | 必要 |
| 軽微な作業 | 電気工事には当たるが、保安上支障がないとして資格が求められない作業(資格者の補助作業など) | 不要 |
| 軽微な工事 | 電気工事士法上の「電気工事」から除かれている工事 | 不要 |
無資格でもできる電気関係の作業とは
電気工事士法施行令では、次のような工事を「軽微な工事」として、電気工事の範囲から除いています。これらは電気工事士などの資格がなくても行えます。| 軽微な工事の内容(概要) | 補足 |
|---|---|
| 600V以下で使用する接続器(差込み接続器、ソケット、ローゼットなど)や開閉器(スナップスイッチなど)に、コードまたはキャブタイヤケーブルを接続する工事 | 壁や天井の配線ではなく、コード類との接続に限られる |
| 600V以下で使用する電気機器(配線器具を除く)や蓄電池の端子に、ねじ止めで電線を接続する工事 | 電気機器本体の端子への接続に限られる |
| 600V以下で使用する電力量計、電流制限器、ヒューズの取付け・取外し | |
| 電鈴、インターホーン、火災感知器などに使う小型変圧器(二次電圧36V以下)の二次側の配線工事 | 一次側(電源側)は含まれない |
| 電線を支持する柱、腕木などの工作物の設置・変更 | |
| 地中電線用の暗渠(あんきょ)や管の設置・変更 |
ここで注意したいのは、「簡単そうに見える」ことと「資格が不要」であることは別という点です。軽微な工事は、接続する相手(コードかどうか)や電圧、作業の対象まで細かく決められています。たとえば、同じ「接続」でも、コードをつなぐ作業は軽微な工事に当たり、壁の中の配線につなぐ作業は資格が必要になる場合があります。
電気工事士の資格が必要になる工事
資格が必要な作業は、施行規則で列挙されています。主なものを、身近な言葉で整理すると次のとおりです。- 電線どうしを接続する作業
- 碍子(がいし)に電線を取り付ける・取り外す作業
- 電線を造営材(壁や天井など)に直接取り付ける・取り外す作業
- 電線管やダクトなどに電線を収める作業
- コンセントやスイッチなどの配線器具を壁などに取り付ける・取り外す、または電線を接続する作業(露出型のスイッチ・コンセントの「取り換え」は除く)
- 電線管を曲げる、ねじ切りする、ボックスなどに接続する作業
- 金属製のボックスを取り付ける・取り外す作業
- 600Vを超えて使用する電気機器に電線を接続する作業
- 一般用電気工作物では、接地線の取付けや接地極の埋設に関わる作業
なお、資格がなければ電気工事に従事してはならないとする電気工事士法第3条に違反すると、罰則の定めがあります。
第一種・第二種によってできる工事の範囲は異なる
電気工事士には第一種と第二種があり、従事できる範囲が異なります。- 第二種電気工事士:一般住宅や小規模な店舗など、一般用電気工作物等の電気工事
- 第一種電気工事士:第二種の範囲に加えて、最大電力500kW未満の需要設備(高圧で受電するビルや工場など)の電気工事
電気工事士以外の資格が必要になる場合もある
工事の内容によっては、電気工事士の資格だけでは従事できない場合があります。- 特種電気工事資格者:自家用電気工作物のうち、ネオン工事や非常用予備発電装置工事(特殊電気工事)に従事するために必要な資格です。第一種・第二種の電気工事士の資格だけでは、これらの工事には従事できません。
- 認定電気工事従事者:自家用電気工作物のうち、電圧600V以下で使用する簡易電気工事に従事できる認定です。第二種電気工事士が従事できる範囲を超える、一部の工事に関わります。
無資格で電気工事を行わないために確認したいこと
電気工事の資格の要不要を判断する際は、以下の点を確認することが重要です。- 見た目が簡単な作業でも資格が必要な場合がある:コンセントの交換のような短時間で終わる作業でも、壁の中の配線に触れる場合は資格が必要です。
- 電気機器の設置と電気工事は同じではない:機器を置く、コードを差し込むといった作業と、配線に手を加える作業は別のものとして扱われます。
- 作業内容によって判断が変わる:同じ機器でも、電圧や接続先、既存設備を使うか新設するかで、資格の要否が変わります。
- 判断できない場合は、専門業者や公的窓口へ確認する:自己判断が難しいときは、電気工事業者や、経済産業省の産業保安監督部などに問い合わせるのが確実です。
なお、電気工事を業として請け負う場合は、電気工事士の資格のほかに、電気工事業法に基づく登録や届出が必要になることがあります。
電気工事士の資格を取得したい場合
電気工事を仕事にしたい場合や、資格が必要な範囲の工事に携わりたい場合は、電気工事士の資格を取得します。電気工事士には第一種と第二種があり、どちらも試験に合格する必要があります。取得すると、資格に応じた範囲の電気工事に従事できるようになります。
電気工事士の仕事内容や第一種・第二種の違い、資格取得の流れについては、別の記事で詳しく解説しています。
電気工事の資格に関するよくある質問
電気工事は無資格でもできますか?
電気工事士法で定められた「電気工事」は、原則として電気工事士などの資格がなければ行えません。ただし、同法施行令で定められた軽微な工事は、電気工事から除かれているため、資格がなくても行えます。どの作業が軽微な工事に当たるかは、接続する相手や電圧などの条件で決まります。資格なしでできる電気工事はありますか?
接続器や開閉器にコードやキャブタイヤケーブルを接続する工事、電気機器の端子へのねじ止めによる接続など、施行令で定める軽微な工事が該当します。また、資格者の補助作業など、施行規則で定める軽微な作業も資格なしで従事できます。いずれも条件が細かく定められているため、作業前に内容を確認してください。コンセント交換には資格が必要ですか?
壁に埋め込まれたコンセントの交換は、配線器具に電線を接続する作業に当たり、電気工事士の資格が必要です。一方、一定の条件を満たす露出型のスイッチやコンセントの取り換えは、施行規則上、資格が必要な作業から除かれています。ただし、新設や、埋込み型の交換は含まれません。判断に迷う場合は、専門業者に確認してください。照明の交換には資格が必要ですか?
既設の引掛けシーリングなどに対応した照明器具を取り付けるだけで、建物側の配線や配線器具に手を加えない場合は、電気工事士の資格を必要としないことがあります。一方、引掛けシーリング自体の交換・新設や、照明器具を配線へ直接接続する作業では資格が必要になります。エアコンの取り付けに電気工事士の資格は必要ですか?
エアコン本体の据付けなど、電気工事に当たらない作業には資格が不要な場合があります。一方、専用コンセントの新設・移設・取替え、接地線に関わる作業、内外接続電線を壁などに固定する作業などは、電気工事士の資格が必要になる場合があります。経済産業省が公表している、エアコン設置・修理に係る電気工事士法の対象となる作業の整理も参考になります。第一種と第二種ではできる工事が違いますか?
違います。第二種電気工事士は一般用電気工作物等の工事に、第一種電気工事士は、それに加えて最大電力500kW未満の需要設備の工事にも従事できます。ネオン工事や非常用予備発電装置工事は、どちらの電気工事士の資格だけでも従事できません。まとめ
- 電気工事には、電気工事士などの資格が必要な作業があります。
- 施行令で定める軽微な工事など、資格がなくてもできる作業もあります。ただし条件は細かく定められています。
- 工事の内容や対象設備によって、必要な資格が異なります。
- 自己判断せず、資格が必要かどうかを確認することが重要です。







