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  • 2025年05月14日

建設業の工事注文書とは?書き方や注意点を解説

案件管理
建設業の工事注文書とは?書き方や注意点を解説

建設業において、工事を正式に発注する際に欠かせない書類が「工事注文書」です。これは、後々のトラブルを防ぎ、工事を円滑に進める上で非常に重要な役割を果たします。

この記事では、建設業の工事注文書とは何か、その書き方や作成時の注意点、そしてすぐに使える無料テンプレートについて詳しく解説します。工事注文書に関する基本的な知識から実践的な活用方法までを網羅しているので、ぜひ参考にしてください。

工事注文書の基本と役割

建設業における工事注文書は、発注者が受注者に対して工事を依頼する意思を正式に示すための書類です。一般的に、工事の内容や金額、支払い条件などが具体的に記載されます。

工事注文書は、発注書や注文請書とセットで取り交わされることが多く、契約の一部を構成する重要な文書となります。建設工事だけでなく、リフォームや電気工事など、様々な工事で活用されます。この書類があることで、口約束による認識のずれを防ぎ、スムーズな工事の進行に役立ちます。

また、約款を添付することで、より詳細な取引条件を定めることも可能です。

 

工事注文書とは

工事注文書とは、建設業において発注者が受注者に対して発行する書類であり、特定の工事を依頼する意思表示を明確にするものです。一般的に、工事の内容、金額、工期、支払い条件などの必要事項や必要項目が記載されます。この書類は、発注書とも呼ばれ、取引の証拠となる証憑書類の一つです。

工事注文書を受け取った受注者は、その内容を確認し、問題がなければ注文請書を発行することで、契約が成立したとみなされることが一般的です。約款を添付することで、取引に関する細かなルールや条件を補足することも可能です。

国税庁は、発注先業者名、発注日、発注者名、発注合計金額を記載必須項目として推奨しています。

 

建設業における工事注文書の役割

建設業における工事注文書は、工事発注書とも呼ばれ、発注者が受注者に対して工事を正式に依頼する重要な役割を担います。この書類を作成することで、口頭でのやり取りにありがちな認識のずれを防ぎ、工事内容、金額、工期といった重要な事項を書面として明確に残すことができます。

特に建設工事やリフォーム、電気工事など、多岐にわたる工事において、工事注文書はトラブルを未然に防ぐための基盤となります。注文請書とセットで取り交わされることで、発注者と受注者双方の合意を確認し、請書は受注の意思表示となり、契約関係を明確にします。

このように、工事注文書は単なる工事依頼書としてだけでなく、契約の証として機能する重要な書類と言えます。

 

発注書と注文書の違い

発注書と注文書は、呼び方が異なるだけで法律上の違いはほとんどありません。(企業内ルールや契約内容で呼称が異なる場合はあります)どちらも発注者が受注者に対して、特定の物品の購入や業務の依頼を正式に行う意思を示すために発行する書類です。

建設業界においても、工事の発注に際して「工事発注書」または「工事注文書」という言葉が使われます。企業によっては、取引の対象や内容によってこれらの名称を使い分けている場合もありますが、書類が持つ基本的な役割、つまり発注の意思表示と取引内容の明確化という点においては違いはありません。したがって、どちらの名称を使用しても問題ありませんが、社内や取引先との間で混乱が生じないよう、統一した呼称を用いることが望ましいです。

記載される内容もほぼ同じであり、必要な項目は共通しています。

 

工事注文書に必要な項目と書き方

工事注文書を正確に作成するためには、記載すべき必要項目とその具体的な書き方を理解しておくことが重要です。これらの項目に不備があると、後々トラブルの原因となる可能性があります。特に金額や工期、支払条件などは、受発注者双方にとって最も重要な内容です。消費税の扱いについても明確に記載する必要があります。

ここでは、工事注文書に必ず含めるべき項目と、それぞれの記載のポイントについて詳しく解説します。

 

工事注文書の記入必須項目

工事注文書に必ず記載すべき事項として、いくつかの必須項目があります。これらは発注者と受注者の間の誤解を防ぎ、円滑な取引を行うために不可欠な情報です。

項目名 内容
発注者情報 発注者の会社名、担当者名、住所、連絡先などを明記します。
受注者情報 受注者の会社名、担当者名、住所、連絡先などを記載します。
工事名・工事内容 どのような工事かを明確に示します。簡潔かつ具体的に記入することが望ましいです。
工事場所 工事を行う場所の住所や地番などを正確に記載します。
契約金額 工事の合計金額(税込・税抜の明記を含む)を記載します。
工期(着工日・竣工日) 工事の開始日と終了日を明記します。
支払い条件 支払い方法(例:一括、分割)、支払日、支払いサイトなどを明記します。
契約日 工事注文書を締結した日付を記載します。
署名・捺印 発注者と受注者それぞれの署名や会社印を押印します。

 

記載内容のポイント

工事注文書に記載する内容においては、いくつかの重要なポイントがあります。

  • 内容は具体的に書く
    「○○工事一式」など曖昧な表現は避け、工事の範囲や詳細を明確に記載します。トラブル防止のためにも、できるだけ具体的に書きましょう。

 

  • 金額の税込・税抜を明記する
    契約金額について、税込か税抜かを明確にし、消費税額も併記しておくことで誤解を防げます。

 

  • 支払い条件を具体的に記載する
    支払い方法、期限(例:「完了後○日以内に振込」など)、分割の有無などを具体的に記載します。

 

  • 工期を正確に書く
    着工日・竣工日を明記し、余裕を持ったスケジュールで記載しておくと安心です。

 

  • 契約日・署名・押印を忘れずに
    契約成立の証拠として、契約日を記入し、署名または押印を必ず行いましょう。

 

工事注文書のテンプレートを活用する

工事注文書を効率的に作成するためには、テンプレートの活用が非常に有効です。インターネット上には無料でダウンロードできる様々な形式のテンプレートがあり、Excel形式のものがよく利用されています。これらのテンプレートを使えば、ゼロから書類を作成する手間が省け、必要項目があらかじめ盛り込まれているため記載漏れを防ぐことができます。

また、会社のロゴや連絡先などを事前に登録しておけば、毎回入力する手間も省け、より迅速な書類作成が可能になります。自社の業務フローや記載したい内容に合わせて、最適な無料テンプレートを選び、必要に応じてカスタマイズして活用しましょう。

 

工事注文書作成時の注意点

工事注文書を作成する際には、いくつかの重要な注意点があります。これらを怠ると、法的な問題に発展したり、取引先とのトラブルを引き起こしたりする可能性があります。特に収入印紙の要否や押印の扱い、書類の保存期間については、正確な知識を持つことが重要です。

また、最近ではメールでのやり取りも増えていますが、その際の注意点も把握しておく必要があります。工事依頼書や工事発注書として扱う場合でも同様の注意が必要です。

これらの注意点を理解し、適切に対応することで、安心して工事取引を進めることができます。さらに、契約書との違いや連携についても理解しておきましょう。

 

収入印紙の必要性と貼付

工事注文書に収入印紙が必要かどうかは、その書類が印紙税法上の「請負に関する契約書」に該当するかどうかで判断されます。一般的に、工事注文書のみで契約が成立する場合や、注文書に契約内容が詳細に記載されており、かつ発注者と受注者の双方が署名または押印している場合は、契約書と同等の扱いとなり、収入印紙の貼付が必要となることがあります。

印紙税額は契約金額によって異なり、国税庁の定める一覧表に基づいて計算されます。契約金額が1万円未満の場合は非課税ですが、金額の記載がない場合は200円の印紙が必要となります。収入印紙を貼る際は、消印(割印)を忘れずに行う必要があります。これは印紙の再利用を防ぐための措置であり、怠ると過怠税が課される可能性があるため注意が必要です。

 

請書 収入印紙の扱い

工事請書(注文請書)も、請負契約に関する文書として印紙税の課税対象となる場合があります。特に、契約金額が1万円以上の請負契約に関する注文請書は、原則として収入印紙の貼付が必要です。印紙税額は、注文請書に記載された契約金額に基づいて決定されます。

ただし、別途正式な工事請負契約書が作成されており、そちらに収入印紙が貼付されている場合は、注文請書には収入印紙が不要となるケースがあります。

また、電子データで注文請書を交付する場合は、印紙税は課税されません。収入印紙を貼る必要がある場合は、注文請書の作成者である受注者が負担するのが一般的です。収入印紙を貼り忘れたり、消印を忘れたりすると、税務調査で指摘を受け、過怠税が課される可能性があるため、正確な知識を持って対応することが重要です。

 

押印の有無と注意点

工事注文書への押印は、法律で義務付けられているわけではありません。しかし、商慣習として、会社として正式に発行した書類であることを証明し、書類の信頼性を高めるために社印などを押印することが一般的です。押印することで、その書類が改ざんされていないことの証明や、発注の意思を明確に示す役割があります。発注者名の近くに社印を重ねて押すことが多いです。

また、書類が複数ページにわたる場合は、製本してページ間に割印を押すことで、書類の一体性を示し、差し替えなどの不正を防ぐことができます。押印がなくても契約自体は有効ですが、後々のトラブルを避けるためにも、慣習に従って適切に押印することが推奨されます。

 

メールでの送付方法

工事注文書をメールで送付する場合、いくつかの点に注意が必要です。まず、Excelなどで作成した注文書をPDF形式に変換して添付するのが一般的です。PDF形式にすることで、レイアウト崩れを防ぎ、改ざんのリスクを減らすことができます。メール本文には、誰宛てのどのような書類であるかを明確に記載し、パスワード設定などのセキュリティ対策を講じることも検討しましょう。

また、メールで送付しただけでは、相手方が注文書を受領したかどうかが不明確な場合があります。そのため、メール送付後に電話などで確認を取り、相手方が注文書の内容を確認し、正式に受理したことを確認することが重要です。電子的に注文書をやり取りする場合、原則として収入印紙は不要となります。

 

保存期間の取り扱い

工事注文書は、税法上の帳簿書類に該当するため、一定期間の保存が義務付けられています。

法人の場合、原則として確定申告の提出期限の翌日から7年間保存する必要があります。ただし、青色申告書を提出した事業年度で欠損金が生じた場合は、10年間保存しなければならないとされています。

個人事業主の場合も7年間保管しておくと安心です。保存方法は原則として紙での保存ですが、電子帳簿保存法の要件を満たせば、電子データのまま保存することも可能です。

保存期間を過ぎるまで、注文書の控え、注文請書、その他の関連書類とともに、紛失や破損がないように適切に管理することが重要です。書類の内容、日付、金額、押印などが確認できるよう整理して保存しましょう。

 

工事依頼書・工事発注書の訂正手順

工事依頼書や工事発注書に誤りが見つかった場合、原則として訂正した新しい書類を再発行することが最も望ましい方法です。しかし、やむを得ず既存の書類を訂正する場合は、正確な手順を踏む必要があります。

 

  • 訂正内容を確認する
    金額・数量・工期など、どの項目に誤りがあるかを明確にします。

 

  • 発注者と受注者の間で協議する
    訂正内容について双方で合意を取りましょう。口頭だけでなく記録に残すことが重要です。

 

  • 書面で訂正手続きを行う
    訂正方法は「二重線で訂正し、訂正印を押す(手書き書類の場合)」「訂正内容を反映した新しい書類を再発行する(推奨)」などがあります

 

  • 工期を正確に書く
    着工日・竣工日を明記し、余裕を持ったスケジュールで記載しておくと安心です。

 

  • 双方で署名・押印する
    再発行した書類にも、発注者・受注者双方の署名や押印が必要です。

 

  • 訂正後の書類を保管する
    訂正後の最新版とあわせて、訂正前の書類も保管するのが望ましいです。

 

ただし、取引先によっては独自の訂正ルールを設けている場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。書類の改ざんと疑われないためにも、丁寧かつ正確な訂正を心がけましょう。割印が必要な書類の場合は、訂正によって割印がずれてしまわないよう注意が必要です。

 

契約書との違いと連携

工事注文書は、工事の発注意思を示す書類であり、契約の申し込みとしての性質を持ちます。

一方、契約書は、発注者と受注者の間で工事内容、金額、工期、支払い条件など、取引に関する詳細な合意事項を定めた正式な文書です。一般的に、工事注文書とそれに対する注文請書が揃うことで契約が成立したとみなされることが多いですが、大規模な工事や複雑な内容の工事の場合は、別途工事請負契約書を作成するのが一般的です。

工事注文書は契約書の一部として扱われたり、契約書の内容を補完する役割を担ったりすることもあります。基本契約書がある場合は、工事注文書に「基本契約書の定めるところによる」といった文言を記載し、約款の添付を省略することもあります。契約書と工事注文書は、それぞれの役割を理解し、適切に使い分けることで、より明確な取引関係を構築できます。

 

まとめ

建設業における工事注文書は、工事の発注意思を明確にし、トラブルを未然に防ぐための重要な書類です。その役割、必要な記載項目、正確な書き方を理解し、適切に作成・管理することが円滑な工事の進行に不可欠です。本記事で解説したように、無料のテンプレートを活用することで、効率的に工事注文書を作成できます。

また、収入印紙の要否、押印、保存期間、メールでの送付、訂正方法、そして契約書との関係性といった注意点も把握しておくことが重要です。これらの知識を活かし、正確で信頼性の高い工事注文書を作成することで、取引先との良好な関係を築き、安心して建設プロジェクトを進めることができるでしょう。

 

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