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  • 2024年06月03日

排水工事とは?流れや排水工事責任技術技術者について解説

水道工事に関する知識
排水工事とは?流れや排水工事責任技術技術者について解説

排水工事は、日常生活で出た汚水を適切に処理するために重要な工事です。飲料水や生活用水、産業用水を供給するための給水管と、汚水を排水槽へ送り届けるための排水管はセットで扱われます。

 

この記事では、排水工事の概要から排水工事の流れ、工事を行う上で必要な排水工事責任技術者の資格について詳しく解説します。安定したニーズのある排水工事に携わる業者の活動に役立つ情報をまとめていますので、ぜひご覧ください。

排水工事とは?

排水工事とは、各家庭からの生活排水を公共枡へ送るための排水管や、汚水枡に関する工事のことです。公共枡は、家庭用の排水管から流れてきた汚水を下水道へ流すための設備で、浄化施設に至るまでの公共下水道工事は、管轄エリアの水道局が担います。
 

排水設備が適切に機能していないと、衛生的な生活環境を維持できないため、インフラの中でも特に重要度の高い工事のひとつと言えます。
 

住宅における排水工事は、宅内排水工事と屋外排水工事に分けられます。宅内排水管工事は、住宅や建物のトイレや浴室、洗面所、キッチンなどの汚水が流れる排水管と、屋外の配水管をつなぐ工事です。屋外排水工事は、敷地内の排水管から公共枡までを接続します。
 

排水工事には、排水設備の新設や増設、改造が含まれます。公共枡から敷地内の排水管を接続する工事は、各自治体が認可している排水設備指定業者が行うことが定められています。
 

排水管の耐用年数

排水管の耐用年数について、ひとつの目安となるのが法定耐用年数(減価償却期間の目安)で、15年と定められています。また、減価償却上の耐用年数については、水道管は約40年です。
 

ただし、実際の耐用年数は、使用される素材や設置された年代などの条件により異なります。例えば、塩ビ管(硬質ポリ塩化ビニル管)の耐用年数は約20年〜25年で、ポリ管(ポリエチレン管)は約30年〜40年です。
 

また、現場では給排水管が法定耐用年数よりも長く利用されるケースも見られます。大規模修繕やその前後のタイミングとなる築25年〜40年目で新しくされる場合も少なくありません。
 

排水工事の流れ

排水工事は、水道局による下水道工事と排水工事業者による工事に分かれます。下水道工事が終わった後に、各家庭の排水管を接続する必要があります。ここでは、全体の流れを説明します。
 

下水道工事

下水道工事では、はじめに現地調査を行って地下埋設物の確認を行います。調査結果を基に、下水道の埋設位置や工事方法を決め、施工図面を作成します。また、工事箇所の沿道にある家屋についても、工事による影響が出ないかどうかを知るために調査します。
 

工事の概要が決まったら、工事業者を選定します。通常は入札によって業者を決めます。また、周辺エリアの住民へは工事説明会やお知らせ文の配布を行い、周知します。工事に着手し、完了後は完成検査を実施します。
 

下水道供用開始

完了検査を通過したら、正式に下水道工事が完了となり、下水道法の第9条で規定されている共用開始の告示を行います。
 

排水工事業者の選定・契約

公共下水道工事が完了した後、排水工事を行う業者を選定します。管轄エリアで認可されている指定事業者のなかから、適した業者を選び契約を行います。
 

自治体へ宅内工事申請

排水工事について、自治体に規定の申請を行います。通常は、契約した指定事業者が施主(依頼者)の代わりに行います。
 

敷地内の排水設備工事

敷地内や建物における排水設備工事を実施します。比較的簡単な工事であれば約3日〜4日ほどで完了しますが、複雑な工事や大掛かりな工事だと1週間以上かかる場合もあります。
 

完了報告・自治体検査

工事事業者からの工事完了報告を受けて、自治体が現地調査を行います。問題なければ設備を使い始めます。
 

排水工事を行うためには排水工事責任技術者の資格が必要

排水工事を行う指定事業者となるためには、「排水工事責任技術者」の資格が必要です。ここでは、排水工事責任技術者の資格について解説します。
 

排水工事責任技術者とは?

排水設備工事責任技術者とは、排水設備の新設や交換、撤去などの工事を実施するために必要な資格です。各都道府県市区町村で実施される「排水設備工事責任技術者」試験に合格し、免状を受理する必要があります。
 

排水工事を行うためには、各市区町村の下水道排水設備指定工事店として認可を受ける必要があります。指定工事店となるためには、事業所に1名以上の排水設備工事責任技術者の選任が必要です。
 

排水設備工事責任技術者の仕事内容

排水設備工事責任技術者は、排水設備の新設工事における設置計画や施工現場のマネジメントなど、一連の流れを担うポジションです。加えて、施工図作成やスケジュール管理、予算管理といった事務処理も含まれます。
 

工事に関わるあらゆる立場の人とコミュニケーションを取り、専門知識を活用してスムーズに工事を完了させる必要があります。排水装置の点検・管理といったメンテナンスでも、工事計画から施工までを担います。
 

排水工事責任技術者試験の概要

排水設備工事責任技術者試験に合格することで、排水設備工事責任技術者となります。例年11月〜12月に試験が実施されていますが、受験資格や試験の概要は各都道府県によって異なるため事前に確認が必要です。資格を取得した後は、5年ごとに更新手続きが必要です。
 

まとめ

排水工事は、人々の衛生環境を維持するうえで重要な工事のひとつです。住宅やビルなどに排水管を引き込む工事は、下水道工事が完了した後に開始されます。また、各自治体が認可した下水道排水設備指定工事店のみが工事を行うことができ、下水道排水設備指定工事店に指定されるためには、排水工事責任技術者の在籍が必要です。
 

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排水工事についてよくある質問

排水工事で用いられる主な工法は?

排水工事のうち、下水道工事では地形や工事規模などに応じて以下3つの工法が使われます。
 
  • 開削工法
  • 推進工法
  • シールド工法
 

開削工法は、地面を掘り下げて排水管を埋設する手法です。地下トンネルや地下管路を作る際にも用いられます。
 

推進工法は、地下を掘る際にシールドと呼ばれる機械を用いて、地盤を支えながら進める方法です。道路の交通や周辺環境への影響を抑えることができ、都市部や地中深い位置の地下トンネルの工事でも採用されています。
 

シールド工法は推進工法の一種であり、地盤を支えるシールド(盾)を使って地下を掘進する方法です。地質条件に合ったタイプのシールドを用いて、安全かつ効率的に作業を行います。

排水工事のおおまかな費用は?

住宅を新築した場合、下水道管への接続工事が必要です。公共汚水桝が近くにある場合、接続工事費用は約30万~50万円ですが、公共汚水桝との距離がある場合は約50万~80万円かかります。
 

屋内の排水管については、部分的な交換の場合は約1.5万円、全体を交換する場合は約20万〜30万円が相場です。給水管も合わせて交換する場合は、約25万〜50万円みておくと良いでしょう。

排水管でよく起きるトラブルは?

排水管で起きやすいトラブルに、配管の詰まりがあります。キッチンや浴室、洗面所など油分を含んだ排水が出やすい場所では、排水管内に油分が付着し、肥大化してしまうことで詰まってしまいます。
 

また、毛髪や垢などが影響し、水の逆流や悪臭が発生する可能性もあるため注意が必要です。配管の経年劣化によって、接手部分の不具合やひび割れが起こり漏水につながるケースもあります。

排水管を新しくすべきタイミングの目安は? 

排水管の耐用年数はあくまでも目安であって、配管同士の継手や設置環境、使用状況などによって配管の状態は大きく変わります。排水管の交換が必要なタイミングとしては、以下のような症状が挙げられます。
 
  • 黄色や赤い色の水が流れる
  • 漏水する
  • 掃除をしても流れが悪い
  • 悪臭がする・詰まりやすい
 

このような不具合が発生したら、すぐにメンテナンスが必要です。

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