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経営管理とは?目的や方法、経営管理責任者になるための資格を解説

  • 公開日:2022年10月20日
経営に役立つ知識
経営管理とは?目的や方法、経営管理責任者になるための資格を解説

建設業は住まいや社会的インフラを支える役割を担っており、
工事の契約金額も高額となるため財務状況の健全性や安定した収益力が求められます。
建設業の許可を取得する条件として経営管理責任者の配置が求められており、適正に経営を管理することが
事業を継続していくためにも重要です。
この記事では経営管理を行う目的・方法や、建設業として経営管理責任者になるための資格・要件について解説します。

1.経営管理とは?

 

経営管理とは、会社が経営目標を達成するために業務の遂行状況を管理し、必要な経営資源を調整・配分するマネジメント手法です。
経営資源は「ヒト・モノ・カネ・情報」のことをいい、どれか1つが欠けても会社の経営は成り立ちません。
また、ヒトはすべての経営資源を管理・活用する存在です。
効率良く仕事が進むよう適材適所に人材を配置して、会社の生産性と収益を高めていきます。
必要に応じて業務の進め方を改善するなど、PDCAサイクルとして取り組んでいくのも特徴です。
最近では会社の文化や社風を経営資源の中に組み込んで、チームワークの強化に取り組む会社もみられます。

 

経営管理を行う目的や、経営企画との違いについても確認してみましょう。
 

 

1-1. 経営管理の目的

経営管理の目的は経営者が適切に経営判断を行い、従業員に対して会社の方向性を明確に示した上で行動基準の統一を促すことです。

経営管理を行う中で、組織や従業員がパフォーマンスを発揮できないなどの課題が見つかれば、教育研修を実施したり必要な資材を導入したりして課題の克服を目指していきます。
一方、採算が合わない業務を引き受けないなど、会社の経営リスクを最小限にとどめる判断もあり得ます。
状況に応じて最善の判断を下せるよう、経営者は業務状況をモニタリングしながら経営資源の配分方法を検討しているわけです。

経営管理の一環として、経営戦略やビジョンを従業員に周知する会社も増えています。
従業員一人ひとりが当事者意識を持って業務に取り組める環境を作り、仕事のモチベーション向上にもつなげていきます。
従業員が一丸となって経営目標の達成に取り組む社風づくりにも効果を発揮するのが、経営管理の特徴の一つです。

 

 

1-2. 経営管理と経営企画との違い

経営企画は経営管理とは異なり、会社の経営戦略の立案・推進に特化しているのが特徴です。
中小企業では必ずしも経営企画と経営管理が分業化されておらず、経営者自身が経営戦略を立案して業務状況の管理を行っているケースが少なくありません。

経営企画は会社経営の舵取り役として、年度ごとの経営目標だけでなく会社の未来を見据えた上で中期・長期の経営目標も立てています。
経営判断に必要なデータの分析や市場調査などの情報収集も、経営企画の業務の一つです。


一方、経営管理は経営戦略をもとに人材や予算などを管理し、実務が円滑に進むように組織を運営しています。
パフォーマンス管理や労働環境の整備といった従業員のケアにも取り組んでいます。

 

 

2.経営管理論とは?

経営管理論とは、会社や組織の経営を続けるために必要な実践的な技法を確立する学問で、経営学の一つの分野として位置づけられています。
20世紀初頭に、アメリカの経営学者フレデリック・テイラーが労働者の管理方法として提唱した科学的管理法が基礎となっています。
その後、フランスの経営学者アンリ・ファヨールが著書で「企業の経営には管理が最も重要である」と指摘、計画・組織・指揮・調整・統制を管理活動の5要素として定義しました。なお、管理活動の5要素はPDCAサイクルに対応する内容といわれています。

経営管理論の研究が進む中で人間関係や自己実現欲求にも注目する考え方が生まれ、組織内でのコミュニケーションやモチベーション管理が重要視されるようになりました。近年では企業経営のあり方や組織体系の多様化が進み、なおかつ専門性も高まっているため人事管理論や財務管理論・経営工学などに細分化されています。
 

 

3.経営管理の方法

経営管理を円滑に進め、必要な場面で経営判断を下すためには管理項目ごとの特徴を理解しておくことが大切です。
経営資源の管理・調整能力も求められます。
経営管理の方法を項目ごとに紹介します。

 

 

3-1. 人事・労務管理

人事・労務管理(ヒトの管理)は、会社が経営していくために必要な人材を確保し、働く環境を整備するための管理項目です。

人事部門では採用活動をはじめ、目標達成を効果的に進められるよう従業員の教育研修や人材配置を行います。
従業員の業績をチェックする人事評価も、人事部門の仕事です。


労務部門では給与計算や社会保険の手続き、就業規則など働くルールの周知徹底を行います。
健康診断・安全衛生教育の実施や福利厚生制度の整備など、従業員が安心して働き続けられる環境づくりにも取り組みます。
建設業では一般企業と異なり、安全管理の徹底や作業の効率化を図るために下請業者の労務管理を行う場合があるのが特徴です。

 

 

3-2. 財務管理

財務管理(カネの管理)は、会社が適切・健全に経営を続けていくために欠かせない資金や資産を管理する項目で、
会社にとっては最も重要な位置づけです。
財務管理を適正に行うことで現金不足に起因する黒字倒産を防げるだけでなく、無駄な出費を見直して収益率の向上にもつなげられます。


月々の業務は、主に経費の精算や取引先への支払い・顧客からの入金管理です。
会社や従業員の経費の使い方をチェックして、必要に応じてコストダウンの方法を提案します。
入金管
理は会社の資金を確保するためにも重要で、期日までに顧客から支払がなかった場合は督促などの対応を行います。
財務状況の分析や資金繰り表の作成も、経営者の意思決定をサポートする大切な仕事です。
1年間の財務状況や経営成績は決算書にまとめ、翌年度以降の経営計画につなげていきます。

 

 

3-3. 生産・販売管理

生産・販売管理(モノ・情報の管理)は、生産活動の効率化や商品・サービスの提供状況の管理を通じて
会社の収益確保につなげる管理項目です。
建設業では、作業の段取りや工程管理と言い換えることができます。


生産管理では、工事内容に応じた作業員の配置や資材・設備の確保を行います。
工事仕様書どおりに施工できるように、現場の状況に応じた工法を選ぶなど事前の段取りが重要です。


販売管理では顧客への見積提示をはじめ、契約手続きや作業日程の管理などを行います。
進行中の工事状況を把握した上で、すべての案件で効率よく作業を進め工期を遵守できるように資材・設備を割り当てていきます。

 

 

4.建設業における経営管理責任者とは?

建設業の許可を受けるには、事業の主要拠点となる本社・本店に常勤の経営管理責任者を置くことが建設業法で義務づけられています。
経営管理責任者(経管)とは、会社が安定して経営できるように経営体制を整え、営業取引上の対外的な責任を負う役割を担っています。
経営判断を伴う業務であり、個人事業主の場合は事業主本人が、法人の場合は常勤取締役(株式会社)や業務執行社員(合同会社)が就任するのが一般的です。

建設業では工事1件あたりの金額が高額になり、建築物の完成後も長期にわたって契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負うことになります。
適切に工事を進めるためには自社の施工能力を考慮して受注するかどうかを決める必要がある他、受注の変動に応じた資金調達と債務返済の計画も欠かせません。
仮に倒産した場合には社会的な影響が大きくなるため、経営管理責任者を置くことで経営の適正さを担保しているわけです。

 

 

5.経営管理責任者になるための資格・要件

経営管理責任者になるための資格試験はありませんが、建設業での経営管理に関する実務経験が求められます。
以下のいずれかの実務経験を満たせば、すべての許可業種で経営管理責任者に就任可能です。
実務経験の年数は、他社での勤務期間や自営業としての経営期間を通算できます。

 
(1)個人事業主または会社役員として、5年以上建設業の経営者・経営管理責任者としての経験がある人
(2)会社の代表取締役や取締役会から具体的な権限委譲を受けて、5年以上経営管理に携わった経験がある人(主に執行役員)
(3)役員に次ぐ役職者として、6年以上経営者の補佐業務に携わった経験がある人(主に部長職や個人事業主の配偶者・子)
 

経営管理責任者の実務経験は、確定申告書の写しや法人登記事項証明書(登記簿謄本)、社会保険の加入証明資料などで証明します。
なお、退職などで1日でも経営管理責任者が不在になると建設業許可が取り消されるのでご注意ください。

 

 

6.まとめ

経営管理では円滑に業務を遂行できるよう、経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」を配分・調整することを目的としています。
特に建設業では工事ごとの契約金額が高額となるだけでなく、建築物が完成した後も長期にわたって契約不適合責任を負うため、
適正な経営管理が求められているのが現状です。
また、建設業で経営業務管理責任者になるには最低5年以上建設業の経営に携わる必要があります。会社を長く存続させるためにも、
経営管理の実践は重要だといえます。

 

 

経営管理についてよくある質問

経営管理は何のために行うのですか?

経営管理は、経営者が会社を運営するために必要な判断を行い、従業員に対し事業の方向性を示した上で目標達成の実現を目指すために行います。
業務が円滑に進むように、経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」をバランスよく配分して収益向上を目指していくのです。

 

 

経営管理責任者になるために条件はあるのでしょうか?

個人事業主や会社役員といった経営責任を負う立場で5年以上経営管理に携わった経験のある人や、役員に次ぐ役職や個人事業主の配偶者・子として6年以上経営管理の補佐に携わった経験のある人が経営管理責任者になることができます。
資格試験制度は設けられておらず、建設業の許可申請時に実務経験に関する確認書類を提出する必要があります。

 

 

経営管理責任者がいなければ建設業の許可は下りないのでしょうか?

建設業の許可を得るためには、経営管理責任者を本社・本店など事業の主要拠点で常勤させることが建設業法で義務づけられています。
1日でも経営管理責任者がいない期間が生じると建設業許可が取り消されるため、実務経験を満たす人を役員に就任させておくなどの対策が重要です。

 

 

 

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