- 2026年09月17日
【建設業の決算対策】決算前に確認したいポイントとは?利益を残すために経営者がやるべきこと
経営・集客・採用

「今年は利益が出そうだけど、決算前に何を確認すればいいのかわからない」
「売上はあるのに、なぜか手元にお金が残らない」
「決算直前になって慌てて税金対策を考えている」
経営者の中に、このような悩みを抱える方もいらっしゃいます。
特に建設業は、工事期間が長くなったり、入金と支払いのタイミングがずれたりするため、「利益が出ていること」と「お金が残っていること」が一致しにくい業種です。
だからこそ、建設業の決算対策では、単純に税金を減らすことだけを考えるのではなく、
「今年、会社はいくら稼いだのか」
「どの工事で利益を出したのか」
「なぜ利益が残らなかったのか」
「来期はいくら利益を残す必要があるのか」
まで確認できる環境つくりが重要です。
この記事では、建設業の経営者が決算前に確認しておきたいポイントと、利益を残すための決算対策についてわかりやすく解説します。
監修:室田茂樹
株式会社プラスバイプラス 代表取締役
コンテンツ
建設業の決算対策は「節税」だけではない
「決算対策」と聞くと、- 節税する
- 経費を増やす
- 設備を購入する
- 税金を少なくする
もちろん、適切な税務対策を検討することは大切です。
しかし、経営者が決算前に本当に確認したいのは、
「税金をいくら減らせるか」だけではありません。
重要なのは、
最終的に、「会社にどれだけ利益と現金を残せるのか」ということです。
例えば、節税のために100万円の不要な設備や商品を購入したとします。
税務上のメリットが得られたとしても、会社からは100万円の現金が出ていきます。
つまり、
「税金を減らすこと」と「会社にお金を残すこと」は同じではありません。
決算対策では、
利益・税金・キャッシュ・設備投資・来期の経営計画
をセットで考える必要があります。
なぜ「決算前」に確認することが重要なのか?
「工事別の利益」や「固定費」「資金繰り」は、決算前だけ確認すればいいものではありません。本来は、毎月確認することが重要です。
では、なぜ決算前に改めて確認する必要があるのでしょうか?
それは、
1年間の経営結果が見えてきて、来期の経営判断につなげられるタイミングだからです。
例えば、決算前に、
「今年は思ったより利益が出ている」
と分かったとします。
そこで初めて、
- 来期の利益目標
- 必要な設備投資
- 資金繰り
- 借入金返済
- 固定費
- 見積・価格設定
- 受注する工事
逆に、決算書が完成してから初めて数字を見ると、その時点では対応できることが限られてしまいます。
つまり決算前は、
「今年を締めくくる時期」であると同時に、「来期の経営を考える時期」なのです。
建設業の決算前に確認したい6つのポイント
① 工事ごとの利益を確認する
建設業の経営で非常に重要なのが、工事ごとの利益管理です。売上の大きい工事が、必ずしも会社に大きな利益を残しているとは限りません。
例えば、
| 工事名 | 売上 | 粗利 |
|---|---|---|
| A工事 | 1,000万円 | 200万円 |
| B工事 | 700万円 | 210万円 |
さらに建設業では、
- 材料費
- 外注費
- 労務費
- 現場経費
- 車両費
- その他の工事関連費
だからこそ決算前には、1年間の工事を振り返り、「どの工事が会社に利益を残したのか?」
「どの工事で利益を失ったのか?」を確認してみましょう。
この分析は、来期の
- 見積金額
- 価格設定
- 受注判断
- 工事の選び方
- 原価管理
つまり、決算前の工事別利益の確認は、「今年の利益を確認するため」だけではありません。
「来期、どんな仕事を受けるべきか」を判断するためでもあるのです。
② 未成工事の状況を確認する
建設業では、決算時点でまだ完成していない工事が存在することがあります。いわゆる未成工事です。
決算前には、
- 現在進行中の工事
- 工事の進捗状況
- これまでに発生した原価
- 今後発生する見込みの費用
- 契約金額
なぜなら、工事が完成していない場合、その工事にかかった原価などを適切に処理しなければ、決算上の利益が実態と大きくずれる可能性があるからです。
だからこそ決算前に、
「今進んでいる工事は、最終的にいつどれくらいの利益になりそうなのか?」
を確認しておきましょう。
決算が終わってから、
「思ったより利益が出ていた」
「税金がこんなにかかるとは思わなかった」
「資金が足りない」
と気づいても、できることには限りがあります。
一方、決算前であれば、
- 必要な設備投資を検討する
- 資金繰りを確認する
- 売掛金の回収状況を確認する
- 今後の支出を把握する
- 税理士などと決算・税務について相談する
- 来期の利益目標を考える
③ 売掛金・未収入金を確認する
「利益は出ているのに、お金がない」建設業では、このような状況が起こることがあります。
その原因の一つが、売掛金や未収入金です。
例えば、「工事は完成して売上になっている」としても、「実際の入金は数か月後」ということがあります。
帳簿上は利益が出ていても、まだ現金になっていなければ、会社の預金残高は増えません。
決算前には、
- 入金予定日
- 未入金となっている工事
- 回収が遅れている取引先
- 長期間残っている売掛金
- 取引先ごとの回収条件
建設業の経営では、
「いくら売ったか」だけではなく、「いつ現金になるのか」まで見ることが重要です。
これを確認しておくことで、決算後の資金繰りも見通しやすくなります。
④ 不要な経費・固定費を見直す
決算対策というと、「利益が出そうだから経費を使おう」
と考える方もいます。
しかし、決算前だからこそ確認したいのは、これからも払い続ける固定費です。
例えば、
- 通信費
- 車両関連費
- 保険料
- 事務所関連費
- リース料
- 外部サービス費
1つ1つは小さな金額でも、年間で見ると大きな固定費になっていることがあります。
そこで、
「この経費は本当に会社の利益につながっているか?」
「来期も払い続ける必要があるのか?」
という視点で見直してみましょう。
決算をきっかけに固定費を整理できれば、翌期以降も継続的に利益を改善できる可能性があります。
⑤ 来期の利益目標を決める
決算前に忘れてはいけないのが、来期の利益目標です。「来期は売上3億円を目指そう」
という目標だけでは、十分とは言えません。
重要なのは、
- 売上はいくら必要なのか
- 粗利益はいくら必要なのか
- 固定費はいくらかかるのか
- 最終的にいくら利益を残すのか
例えば、売上を増やしても粗利が下がれば、「売上は増えたのに利益が減った」ということが起こります。
建設業では、
「売上をいくらにするか」ではなく、「いくらの利益を残すために、どれだけの売上と粗利益が必要なのか」
という順番で考えることが重要です。
決算前だからこそ、今年の結果をもとに来期の利益目標を設定してみましょう。
⑥ 借入金と決算後の資金繰りを確認する
決算前には、利益だけでなく資金繰りも確認しましょう。建設業では、
- 材料費の支払い
- 外注費
- 人件費
- 借入金の返済
- 税金の支払い
特に決算後には、納税などまとまった支出が発生する可能性があります。
そこで、
「決算後に税金を支払い、借入金を返済しても資金は大丈夫なのか?」
を確認しておくことが重要です。
ここで覚えておきたいのが、「利益とキャッシュは別物」ということです。
利益が出ていても、売掛金が多ければ現金が不足することがあります。
逆に、借入によって預金残高が増えていても、それは利益が増えたわけではありません。
経営者は、利益と資金繰りの両方を見ることが大切です。
建設業の決算対策で注意したい「やってはいけない節税」
決算前になると、「できるだけ税金を払いたくない」
という気持ちになるかもしれません。
しかし、税金を減らすことだけを目的に、不要な支出を増やすのは注意が必要です。
例えば、
「税金が50万円減るから100万円使う」
という判断をした場合、税金は減っても会社から100万円の現金が出ていきます。
もちろん、今後の事業に必要な設備投資などであれば、経営上の意味があります。
重要なのは、
「節税になるから買う」のではなく、「経営上必要だから投資する。その結果として税務上のメリットも得られる」
という考え方です。
具体的な税務処理や節税方法は、会社の状況によって異なります。
実際の判断については、税理士などの専門家に相談しましょう。
【↓税金対策の注意点は下記記事でもご紹介しています↓】
【建設業経営者必見!】「税金を減らしたのに、お金が残らない…」そんな会社にならないための税金対策5つのポイント - 電気CAD・水道CADなら|株式会社プラスバイプラス
建設業の決算対策は「決算直前」では遅い
ここまで読んで、「決算前に確認することが多いな」
と思われた方もいるかもしれません。
実は、これらの確認は決算直前にまとめて行うのではなく、毎月の経営管理につなげることが理想です。
例えば、
毎月確認する
- 売上
- 粗利益
- 粗利益率
- 工事別利益
- 固定費
- 営業利益
- 資金繰り
決算数か月前に確認する
- 年間利益の着地予測
- 納税額の見込み
- 未成工事
- 売掛金
- 設備投資
- 借入金
- 来期の利益目標
決算後に振り返る
- 利益が増えた理由
- 利益が減った理由
- 儲かった工事
- 儲からなかった工事
- 増えた経費
- 改善すべき経費
- 来期の目標
このサイクルを繰り返すことで、決算を単なる「税金を計算する時期」ではなく、
「会社の経営を改善するタイミング」
として活用できるようになります。
決算対策から「利益が残る経営」へ
建設業の経営で大切なのは、「売上を増やすこと」だけではありません。
「適正な利益を確保し、その利益を会社に残すこと」が重要です。
そのためには、
- どの工事が儲かっているのか
- どこで利益を失っているのか
- 原価は適切に管理できているのか
- 不要な固定費はないか
- いくらの利益を残す必要があるのか
- 利益に対して資金は足りているのか
決算は、1年間の経営を振り返るだけではありません。
「来期、会社をどう良くするのか」を考える絶好の機会です。
まとめ|建設業の決算対策で重要なのは「税金」より「利益を残すこと」
建設業の決算対策で重要なのは、単純に税金を減らすことではありません。今回紹介した6つのポイントを振り返ってみましょう。
- 工事ごとの利益を確認する
- 未成工事の状況を確認する
- 売掛金・未収入金を確認する
- 不要な経費・固定費を見直す
- 来期の利益目標を決める
- 借入金と決算後の資金繰りを確認する
「売上を増やす経営」から「利益を残す経営」へ視点を変えること
です。
決算は、単に税金を計算するためのものではありません。
「今年、会社はどうだったのか?」を確認し、「来期、どうすればもっと利益を残せるのか?」を考えるための重要なタイミングです。
もし、
「売上はあるのに利益が残らない」
「工事ごとの利益を把握できていない」
「決算前に何を確認すればいいかわからない」
「来期の利益目標をどう決めればいいかわからない」
と感じているのであれば、今回の決算をきっかけに、自社の経営数字を一度見直してみてはいかがでしょうか。
建設業の経営者の皆様へ|数字を「経営の武器」にしませんか?
決算書は、税理士や金融機関に見せるためだけのものではありません。経営者自身が会社の状態を把握し、利益を増やすために使うものです。
「利益を残すためには、何を改善すればいいのか?」
「工事ごとの利益をどう管理すればいいのか?」
「自社の数字を、経営にどう活かせばいいのか?」
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勉強会では、単に数字の見方を学ぶだけではなく、
「数字をどう経営判断につなげ、利益を残していくのか」
という考え方を学んでいただけます。
決算を「税金を計算するためのイベント」で終わらせるのではなく、
「来期の利益を増やすためのスタート」に変えてみませんか?
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