- 2025年09月17日
JWCADでトレースをする方法は?画像をデータ化する2通りのやり方を解説!
Jwcadに関する知識

JWCADに限らず、CADで図面を作成していると「完成した図面に加筆・修正をする」という場面が多くあります。それがCADソフトで編集できるデータなら、作業はそれほど難しくないでしょう。
しかし、JPEG画像やPDFファイル、紙の図面などで渡されると困ることが多いものです。「これを1から自分で描かないといけないのか」と負担を感じる技術者は少なくないでしょう。このような場面で役立つ手法がトレースで、これはJWCADでもしばしば用いられるものです。
ここでは、「CADのトレースとは何か」「JWCADで行うにはどうすればいいか」を解説していきます。
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CADのトレースとは?2通りの方法を解説
CADのトレースとは、簡単にいうと「画像データからCADデータを作成する作業」です。方法は2通りで、1つ目は取り込んだ画像を上からなぞる方法、2つ目はラスター/ベクター変換を行う方法です。1つ目の方法では、作業自体は普通の作図と変わりません。
たとえば、長方形を描く場合は、まったく同じ動作をします。通常との違いは、取り込んだ画像の長方形が裏にうっすら見えているため、作図が簡単という点です。
2つ目の方法では、普通の作図と根本的に違う作業をします。簡単にいうと「ソフトを使ってボタン1つで」実行するものです。
たとえば、配管図ならソフトが「ただの線と点の集合体」として分析します。そして、CAD上で線と点を使って描いたようなデータを瞬時に作成してくれるのです。
この方法だと作業は簡単になりますが、図面の精度は落ちます。
トレースという言葉の意味は、英語で「たどる」というものです。この語源から考えると、1つ目の方法が本来のトレースといえます。
ただ、最終的に目指すものが同じなので、後者もトレースと呼ばれることが多いものです。
CADのトレースは、JWCADでもそれ以外のソフトでも、ほぼすべて共通してこのような2つの作業のことを指します。
ラスター/ベクター変換とは?
ラスター/ベクター変換とは「ラスターデータをベクターデータに変換する」ことです。ラスベク変換と呼ばれることもあります。この作業はCADソフトだけでなく、Illustratorなどの別分野のソフトでも行われるものです。
ラスターデータとは、通常の画像のように「もう自由に編集できないデータ」を指します。ベクターデータとは、作図中のCADの図形のように「自由に編集できるデータ」です。
ラスターは「ラスト=完結」の意味、ベクターは「ベクトル=方向」(編集途中)の意味と考えるとわかりやすいでしょう。一般のパソコンユーザーが使うベクターデータは、たとえばWordやPowerPointなどの図形です。
ラスター/ベクター変換は作業が早く終わるだけでなく、変換後にデータを編集しやすいのもメリットです。
どこまで正確に変換できるかが鍵ですが、正確性の基準をクリアしていれば、ラスターデータよりもその後の使い回しをしやすくなります。
JWCADで通常のトレースをする方法
通常のトレースをJWCADで行う手順は「画像をJWCADで開く」「画像の線を直線や曲線の描画機能でなぞる」というだけです。このとき、画像用と描画用でレイヤーを分けるのがポイントとなります。レイヤーとは層のことで、積み重ねられた透明のフィルムのようなものです。下のレイヤーに画像を貼り上のレイヤーでなぞることで、両者を別々に管理できます。
レイヤーは他のソフトではレイヤーと呼ばれることが多いのですが、JWCADではソフト内でレイヤーと表記されているため、レイヤーと呼ぶのが主流です。
レイヤー分けさえできれば、あとは通常の描画の要領で線をなぞるだけでトレースできます。
JWCADで「ラスター/ベクター変換」をする方法
ラスター/ベクター変換は、JWCADで行うことはできません。変換自体は別のソフトで行います。変換後のデータは微調整が必要なことが多いため、その微調整の段階でJWCADを使うのが一般的です。
変換は無料配布されているフリーソフトでできます。
よく使われるソフトの1つは「ScanBmp Monkey II」で、BMP(ビットマップ)の画像をベクターのデータに変換するものです。
ベクターデータの形式は複数用意されていますが、その中のjwcを選べばJWCADでも開けるようになります。
ScanBmp Monkey IIの操作はシンプルで「ふぁいるをひらく」→「けいさん」→「でーたのほぞん」と、ボタンを順番に押していくだけです。
「けいさん」のボタンを押した後は、スケールと解像度を入力します。
スケールはトレースする元の図面に「1/500」などの数値で書かれているものです。
解像度はdpiという単位で表すもので、わからない場合はWeb上の無料ツールに画像をアップロードして測定できます。
ScanBmp Monkey IIでBMP画像を読み取るためには「モノクロ2値」にしておくことが必要です。
モノクロ2値とは「白と黒以外の色が一切ない状態」を指します。
モノクロ写真のように中間色があるものは「グレースケール」です。
BMP画像をモノクロ2値にする場合、ペイントで開いて「モノクロビットマップ」として保存します。
画像をこれからスキャンする場合、その段階からモノクロビットマップで保存することも可能です。
多くのメーカーのスキャナでは、スキャン時に表示されるメニュー画面で設定できます。スキャナでなくコピー機のスキャナ機能を使う場合は、モノクロビットマップで保存できない機種もあるものです。その場合は「TIFF」を選べばモノクロ2値で保存できることが多いため、TIFFを選びましょう。
パソコンに取り込んだ後で、そのTIFFをBMPに変換します。変換に使うソフトはペイントでも各種フリーソフトでもかまいません。
スキャンするときは解像度を設定できる機種が多いものです。300dpiや600dpiなどの主な解像度を選べることが多くなっています。ここで自分が選んだ解像度を覚えておけば、ScanBmp Monkey IIの「けいさん」の段階で、解像度を調べずにそのまま入力可能です。
ScanBmp Monkey IIを使うときの注意点は、線が細切れになることが多いことです。一見すると普通の直線でも、拡大してみると点線のようになっていることが多くあります。
このような部分は必要に応じて、先に解説した通常トレースの方法を使って手作業で線を描き直しましょう。

水道や電気の図面をトレースするなら専用CADソフトが便利!
トレースは便利な作図方法ですが、水道や電気の図面ではミリ単位の誤差も許されません。ラスター/ベクター変換ができないのはもちろん、通常のトレースすら使えないケースが少なくないのです。そのためゼロから描く「CAD製図」が必要になります。ただし、多くの案件をすべて手作業で行うと、どうしても工程が圧迫されてしまいます。
そこで役立つのが、水道・電気に特化した専用CADです。CAD製図でもトレース並みのスピードを実現できるので、精度と効率を両立できます。
●水道工事の給排水工事申請に特化「plusCAD水道V」
手書き図面やPDF図面を取込み、トレース機能を使えば、正しい縮尺の平面図が簡単に作図できます。
また、登録済みの間取りや水栓記号をスタンプ感覚の操作性や、平面図から立面図・縦断図を自動作図する機能など、初心者でも正確な申請図面を簡単に作成することができます。
●電気工事の図面・見積り作成に特化「plusCAD電気α」
PDFファイルがベクターデータで保存されている場合、それをそのままCADデータに変換することが可能です。
また、DXFやDWGなど様々なCADデータと互換性があるので、もらった図面から電気図面を作成する際の手間が大幅に削減できます。
さらに、図面から1クリックで材料を拾い出して見積りを作成し、登録済みの材料単価から見積りを素早く、ミスなく作成することができるため、図面、見積りの作業時間を大幅に削減できます。
このように水道・電気の専用CADを使えば、精度を保ちながら図面作成の負担を大幅に軽減できます。「もっと速く、もっと正確に」図面を仕上げたい方は、ぜひ「plusCAD水道V」や「plusCAD電気α」などの専門ソフトを検討してみるのも良いかもしれません。
JWCADのトレースについてよくある質問
CADのトレースとは何?
「画像データからCADデータを作成する作業」です。方法は2通りで、1つ目は取り込んだ画像を上からなぞる方法、2つ目はラスター/ベクター変換を行う方法です。
CADのトレースのラスター/ベクター変換とは?
「ラスターデータをベクターデータに変換する」ことです。ラスベク変換と呼ばれることもあります。この作業はCADソフトだけでなく、Illustratorなどの別分野のソフトでも行われるものです。
ラスターデータとは、通常の画像のように「もう自由に編集できないデータ」を指します。ベクターデータとは、作図中のCADの図形のように「自由に編集できるデータ」です。
ラスターは「ラスト=完結」の意味、ベクターは「ベクトル=方向」(編集途中)の意味と考えるとわかりやすいでしょう。
一般のパソコンユーザーが使うベクターデータは、たとえばWordやPowerPointなどの図形です。
ラスター/ベクター変換は作業が早く終わるだけでなく、変換後にデータを編集しやすいのもメリットです。
JWCADで通常のトレースをする方法
通常のトレースをJWCADで行う手順は「画像をJWCADで開く」「画像の線を直線や曲線の描画機能でなぞる」というだけです。このとき、画像用と描画用でレイヤーを分けるのがポイントとなります。
レイヤーとは層のことで、積み重ねられた透明のフィルムのようなものです。
下のレイヤーに画像を貼り上のレイヤーでなぞることで、両者を別々に管理できます。
レイヤーは他のソフトではレイヤーと呼ばれることが多いのですが、JWCADではソフト内でレイヤーと表記されているため、レイヤーと呼ぶのが主流です。
JWCADで「ラスター/ベクター変換」をする方法
ラスター/ベクター変換は、JWCADで行うことはできません。変換自体は別のソフトで行います。変換後のデータは微調整が必要なことが多いため、その微調整の段階でJWCADを使うのが一般的です。
変換は無料配布されているフリーソフトでできます。
よく使われるソフトの1つは「ScanBmp Monkey II」で、BMP(ビットマップ)の画像をベクターのデータに変換するものです。
ベクターデータの形式は複数用意されていますが、その中のjwcを選べばJWCADでも開けるようになります。