- 2026年02月19日
CADとは?意味やできること、種類を初心者でもわかりやすく解説
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CADとは、コンピュータ上で設計図を作成・編集・管理するためのソフトウェアおよび技術の総称です。
「Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)」の略称で、建築や機械、電気など、図面が必要となる幅広い分野で活用されています。
簡単にいえば、これまで紙と鉛筆で行っていた製図作業を、デジタル上で効率的かつ正確に行うための仕組みです。
本記事では、CADの基本的な意味から種類の違い、代表的なソフト、導入メリットまでを体系的に整理します。
これからCADを学ぼうとしている方でも、読み終える頃には「CADとは何か」「どのように選び、学べばよいのか」が理解できる構成になっています。
コンテンツ
CADとは?
CADとは、コンピュータ上で設計図を作成・編集・管理するためのソフトウェアおよび技術の総称です。簡単に言えば、設計図をデジタルで描くためのツールです。
従来は紙と鉛筆で行っていた製図作業を、コンピュータ上で効率的に行えるようにしたものがCADといえます。
寸法を数値で正確に指定でき、修正や複製、データ管理も容易になるため、設計業務の正確性と効率が大きく向上しました。
建築図面の作成だけでなく、機械部品の設計、電気配線図の作成、製品デザインなど、ものづくり全般の基盤技術として活用されています。
CADでできること
CADは単に図面を描くためのツールではなく、設計業務全体を効率化する役割を担っています。CADでできることは、大きく分けて「作成」「修正」「再利用」「共有」の4つに整理できます。
作成:正確な図面を作れる
CADでは、直線や曲線、円、寸法などを数値入力で正確に指定できます。
そのため、微細な部品から大規模な建築物まで、寸法の狂いがない設計図を効率よく作成できます。手書きでは難しかった細かな調整も、コンピュータ上で精密に行えます。
修正:変更をすぐに反映できる
設計変更が発生した場合でも、該当箇所のみを修正すれば図面全体に反映できます。
紙図面のように一から描き直す必要がなく、壁の位置変更や寸法修正なども短時間で対応可能です。設計変更が多い現場では大きな強みとなります。
再利用:データを資産として活用できる
作成した図面はデータとして保存されるため、テンプレートとして再利用できます。
過去の設計データをもとに新しい案件を作成したり、部品データを流用したりすることで、作業時間を短縮できます。設計データは“資産”として蓄積されていきます。
共有:チームで効率よく連携できる
CADデータはネットワークやクラウドを通じて共有できます。
設計者同士だけでなく、営業・製造・施工など関係部署との情報連携もスムーズに行えます。3D CADであれば、完成イメージを立体的に確認できるため、打ち合わせやプレゼンテーションにも活用できます。
これらの機能によって、CADは「正確に設計する」「素早く修正する」「資産として活用する」という3つの価値を生み出しています。
CADの種類
CADは「表現方法(2D・3D)」と「用途(専用・汎用)」という2つの軸で分類できます。ここでは代表的な分類として2D/3Dと、専用CAD/汎用CADの違いを紹介します。
2D CAD(2次元CAD)
2D CAD(2次元CAD)とは、コンピュータ上で平面的な図面を作成するためのソフトウェアです。紙に描く手書き製図をデジタル化したものと考えると分かりやすく、X軸とY軸の2つの軸を用いて形状を表現します。主に正面図、平面図、側面図といった視点から対象物を描く際に用いられ、設計の基本となる平坦な図面を正確に作成することに特化しています。
活用されるシーンは非常に幅広く、建物の間取りを示す建築図面や、電気系統を記す設備図面などの作成において主流のツールとして定着しています。
3D CAD(3次元CAD)
3D CAD(3次元CAD)とは、コンピュータ上の仮想的な空間で、立体的なモデルを作成するためのソフトウェアです。横と縦の2軸で表現する2D CADに対し、奥行きを加えた3軸で形状を捉えるため、実物に近い立体造形を画面上で構築できる点が大きな特徴です。このツールは、製品の外観デザインや複雑な機械内部の構造設計といった分野で広く活用されています。視覚的に完成形を把握しやすいため、設計ミスを未然に防ぐだけでなく、組み立てのシミュレーションにも役立ちます。
平面的な図面を引く2D CADと比較すると、操作やデータ量は複雑になりますが、ものづくりの工程を効率化する上で、現代の製造業には欠かせない技術となっています。
「専用CAD」と「汎用CAD」の違い
2D/3Dは「表現方法(次元)」の違い、専用/汎用は「用途(業界・目的)」の違いという分類軸です。CADには、幅広い用途に活用できる汎用CADと、特定の業界に特化した専用CADという区分があります。これらは主に利用目的の違いによって使い分けられており、設計の現場においてそれぞれ異なる役割を果たしています。
汎用CADは、作図に必要な基本機能が網羅されており、建築や機械、電気など分野を問わず多目的に使用できる点が特徴です。自由度が高いため、一つのソフトで多様な図面に対応したい場合に適しています。
一方で専用CADは、建築用や土木用、アパレル用といった特定の業界向けに最適化されています。
例えば、電気設備工事や水道申請業務に特化した専用CADなども存在します。
業界特有の記号や部品データ、計算機能があらかじめ搭載されており、専門的な設計を効率的に進めることに長けています。どちらが優れているということではなく、業務の内容や必要な専門性に応じて適切な種類を選択することが重要です。
CADとCAM・CAE・BIMとの違い
CADとあわせて登場しやすい言葉に、CAM・CAE・BIMがあります。どれも“ものづくり”に関わる概念ですが、役割が異なるため違いを押さえておくと理解がスムーズです。
CADとCAMの違い
CADとCAMは、どちらもものづくりの現場で欠かせないツールですが、その役割は明確に異なります。CADがコンピュータを用いて製品の形状や構造を設計・製図するためのソフトであるのに対し、CAMは設計された図面をもとに、工作機械を動かすための加工データを作成するソフトです。
つまり、CADは「何を作るか」を計画する設計工程を支援し、CAMは「どう作るか」という製造工程を支援する役割を担っています。
CADで作成した形状データをCAMに取り込み、刃物の進む経路や回転数などの指示を数値化することで、実際の加工が可能になります。設計と製造という異なるフェーズを支える、対になる技術として理解しておくことが大切です。
CADとCAEの違い
CADとCAEは、ものづくりの工程において役割が明確に分かれています。CADがコンピュータを用いて製品の形状や構造を設計し、図面を作成するためのツールであるのに対し、CAEは作成された設計データをもとに、コンピュータ上で性能のシミュレーションを行うためのツールです。具体的には、設計した部品が過重に耐えられるかを調べる強度解析や、熱や空気の流れを予測する流体解析などに活用されます。
実物を作る前に仮想空間でテストを繰り返すことができるため、試作回数の削減や品質向上に大きく貢献します。設計を支援するCADと、その妥当性を検証・解析するCAEという関係性で理解しておくとスムーズです。
CADとBIMの違い
CADとBIMは、主に建築分野で活用されるツールですが、その役割には大きな違いがあります。CADがコンピュータを用いて図面を作成することに特化しているのに対し、BIMは「Building Information Modeling」の略称で、建物全体の情報を管理するモデルを構築する手法を指します。CADが線や面を組み合わせて平面的な図面を引くのに対し、BIMは建材の名称や価格、耐用年数といった属性情報を備えた3次元モデルを作成します。
図面作成を中心とした設計支援に留まらず、コスト管理やメンテナンス計画まで含めた高度な情報管理が可能です。設計から施工後の運用まで、建築物のライフサイクル全体を支える技術として注目されています。
代表的なCADソフト(よく使われているCAD)
CADの世界には、用途や業界に応じて広く普及しているソフトウェアがいくつか存在します。なお、どのソフトが最適かは業界や目的によって異なります。
建築分野では2D CADが中心、機械設計では3D CADが主流といった傾向があります。
AutoCAD
建築・土木・機械など幅広い分野で使われているのがAutoCADです。分野を問わず導入されており、カスタマイズ性の高さや他ソフトとの互換性の良さから、業界標準ツールとして位置付けられています。
幅広い分野で共通スキルとして活用したい場合に触れる機会が多いソフトです。
JWCAD
JWCADは、無料で利用できるフリーソフトでありながら、建築業界を中心に根強い人気を誇る2D CADです。特に日本の建築実務に即した機能が充実しており、個人設計事務所からゼネコンまで幅広く利用されています。
国内の建築分野で2D図面を中心に扱う場合に使用されることが多いソフトです。
SolidWorks
SolidWorksは、機械設計や製品開発の現場でよく利用されている3D CADソフトです。直感的な操作性と高度な解析機能を備えており、自動車部品や精密機器などの立体モデル作成に活用されています。
機械設計や製品開発で3Dモデリングを行う場面で導入されることが多いソフトです。
CADのメリット・デメリット
CADのメリット
CADを導入する最大の利点は、設計作業の正確性とスピードが飛躍的に向上することです。コンピュータ上で製図を行うため、手書きでは困難だった微細な数値入力も容易で、寸法の狂いがない正確な図面を短時間で作成できます。また、デジタルデータとして保存されるため、図面の一部を変更したい場合でも、該当箇所を書き換えるだけで修正が完了します。過去のデータを再利用できる点も、設計業務の効率化につながります。
このように、CADは設計業務を効率化する大きなメリットを持っていますが、一方で導入時に考慮すべき点もあります。
CADのデメリット
CADは設計業務を大きく効率化しますが、操作を習得するまでには一定の学習期間が必要です。特に高機能なソフトほどコマンド数が多く、慣れるまでに時間がかかる傾向があります。また、有料ソフトの場合は導入費用や保守費用が発生し、3D CADでは高性能なパソコン環境が求められることもあります。
これらの特性を踏まえ、自分の目的や予算に合ったソフトを選ぶことが重要です。次章では、CADソフトを選ぶ際のポイントを整理します。
CADソフトを選ぶポイント
CADソフトを選ぶ際は、目的に合った機能や環境を見極めることが重要です。主に次のポイントを確認すると選びやすくなります。
- 用途(建築・機械・電気などの分野)
- 2Dか3Dかという表現方法
- 導入コスト(無料・月額制・買い切り)
- 必要なPCスペック
次に、平面的な図面作成が中心となる2D CADか、立体的なモデル構築が必要な3D CADかを検討します。作成したい成果物の種類によって適したソフトは変わります。
コスト面も重要な判断材料です。無料で利用できるフリーソフトから、月額制のサブスクリプション、数十万円以上の買い切り型まで幅広いため、予算との兼ね合いを考慮します。
また、特に3D CADでは高い処理能力が求められる場合があります。現在使用しているパソコンで快適に動作するかどうかも事前に確認しておきましょう。
CADを学ぶ主な方法
CADを習得するためのアプローチは、目的や予算に応じていくつかの選択肢があります。まずは独学で進める方法です。市販の書籍やインターネット上の学習動画を活用すれば、自分のペースで基礎から順を追って学ぶことが可能です。最近では無料で公開されているチュートリアル動画も充実しており、操作画面を確認しながら学習を進められます。
より効率的かつ体系的に学びたい場合は、専門のスクールに通うのが有効です。講師から直接指導を受けられるため、疑問点をその場で解消できるほか、実務に即した高度なテクニックを短期間で習得できる強みがあります。
また、CADはソフトによって操作感やコマンドが大きく異なるため、特定のソフトに絞って学習を進めることも大切です。
自分が目指す業界で標準的に使われているソフトを選び、その基本操作を重点的に練習することで、実践的なスキルを効率よく身につけることができます。
まとめ
CADは、コンピュータ上で設計図を作成・編集・管理するための基盤技術です。2D CADと3D CADという表現方法の違い、専用CADと汎用CADという用途の違いを理解することで、自分に合った選択がしやすくなります。
まずは、自分の目指す分野で主流となっているCADの種類を確認し、基本操作に触れてみることから始めてみましょう。
CADに関するよくある質問
CADとはどんな仕事で使われますか?
CADは建築・土木・機械・電気・製品開発など、設計図が必要なほぼすべての分野で使われています。設計図や製図を正確に作成するためのツールとして、多くの業界で導入されています。
CADは初心者でも使えますか?
基本操作は初心者でも習得可能ですが、自在に使いこなすには練習が必要です。最近では初心者向けの教材や動画も充実しており、独学で始めることもできます。
CADとBIMの違いは何ですか?
CADは主に図面作成を行うツールであるのに対し、BIMは建物の情報を統合的に管理する仕組みです。設計だけでなく、コストや維持管理まで含めた情報管理ができる点が異なります。
CADソフトは無料でも使えますか?
無料で利用できるCADソフトも存在します。用途や機能は有料版と異なる場合がありますが、学習用途や2D図面作成には十分な場合もあります。
CADを学ぶのにどれくらい時間がかかりますか?
基本操作の習得であれば数週間〜数か月程度が目安です。ただし、実務レベルで使いこなすには継続的な学習と実践経験が必要です。






