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工事台帳で一元管理!現場利益が“見える化”するツール!

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  • 2026年01月08日

現場別原価管理のやり方|赤字工事を防ぐ基本と実践ポイント

建設業に関する知識
現場別原価管理のやり方|赤字工事を防ぐ基本と実践ポイント

建設業界において、利益を守り抜くことは企業の存続に直結する最重要の経営課題です。材料費、労務費、外注費などが複雑に絡み合う建設現場では、わずかな管理のズレが大きな赤字工事を招くリスクを常に孕んでいます。

特に近年、資材価格や労務費の高騰が激化するなかで、利益を確実に確保するためには、従来の管理体制を脱却し、現場別原価管理のやり方を正しく理解して仕組み化することが求められています。

この記事では、現場別原価管理の具体的な進め方と、赤字を未然に防ぎ、会社の利益率を改善するための実践的なポイントを解説します。

現場における原価管理とは?意義や効果

建設業における工事原価管理とは、特定の工事を竣工させるために必要な労務費、資材費、外注費などを精緻に算出し、無駄を排除してコスト削減を最大化するための管理活動を指します。
これは単なる支出の記録ではなく、適正な利益を確保して事業経営を健全化するための「戦略的な統制」といえるでしょう。

 

現場単位で管理する意味

建設業は、現場ごとに工期、工法、資材、協力会社がすべて異なる「一品受注生産」の世界です。そのため、全社的な試算表だけを見ていても、どの現場で利益が出て、どの現場で損失が出ているのかという個別の採算性は把握できません。

現場単位で管理を行うことで、各案件の収支が明確になり、経営状況の「今」を正しく把握できるようになります。
特に、2代目社長や専務など、これから会社を背負う経営陣にとって、現場ごとの数字を把握することは、感覚に頼らない客観的な経営判断を下すために不可欠です。

各工事の進捗に合わせて「今、どれだけの原価が発生し、いくら利益が残っているのか」を現場ごとに切り分けることが、すべての管理の起点です。

 

赤字防止の効果

原価管理を行う最大の意義の一つは、赤字工事を未然に防ぐ、あるいは最小限に食い止めることです。
あらかじめ設定した「実行予算」と、実際にかかった「実際原価」を定期的に比較・検証することで、予算を上回りそうな兆候を早期に察知できます。

「工事が終わってみたら赤字だった」という事後報告の管理では、対策を打つことができません。
工事の途中で差異に気づくことができれば、資材の無駄を省く、工程を最適化して労務費を抑える、あるいは施主と追加工事の交渉を行うといった具体的な改善策を講じることが可能になります。

 

経営への影響

建設業界は平均粗利率が25%前後にとどまり、販管費や金利負担を差し引いた営業利益は一桁%になりやすい極めて薄利な構造です。そのため、わずかなコストの増大が粗利を直撃し、会社全体の利益を圧食してしまいます。

各現場での利益の積み上げが会社全体の最終的な利益を決定するため、現場別原価管理のやり方を仕組み化し、1%でも粗利を改善することは、企業の財務体質を強化し、従業員の雇用や将来への投資資金を守ることに直結します。
利益を守る仕組みを持つことは、厳しい業界環境を生き抜くための防衛策となります。

 

現場別原価管理が重要な理由

なぜ「全社」ではなく「現場別」という細かい単位での管理がこれほどまでに重視されるのでしょうか。その理由は、建設業特有の不確実性と、利益構造の複雑さにあります。

 

赤字工事を早期に発見できる

現場別管理を徹底していれば、予算と実績の差異をリアルタイムで追いかけることができます。不測の事態や施工のミス、資材の歩掛の悪化などが発生した際、その影響が原価にどう跳ね返るかを即座に数値で確認できるため、手遅れになる前に是正措置を講じられます。

この「早期発見」こそが、致命的な赤字プロジェクトを作らないための唯一の手段です。

 

利益構造を把握できる

「どの費目が利益を圧迫しているのか」を分析できる点も重要です。材料費、労務費、外注費、現場経費のうち、どの部分で予算を超過しているのかを特定することで、根拠のある対策が打てるようになります。

たとえば、特定の工種で外注費が膨らんでいるのであれば、協力会社との契約内容の見直しや、自社施工への切り替え検討といった具体的なアクションが可能になります。

利益の源泉がどこにあるのかを構造的に理解することは、会社の稼ぐ力を高めることに他なりません。

 

工事ごとの差を分析できる

同じような工事内容であっても、担当する現場監督のスキルや、使用する協力会社の違い、あるいは現場の立地条件によって利益率に差が出ることがあります。

これらを比較分析することで、社内の施工体制における強みや弱みが浮き彫りになります。成功している現場のやり方を標準化し、全社に水平展開することで、全体の利益水準を底上げするきっかけが得られます。

また、現場監督ごとのコスト意識が視える化されるため、社内教育の指針としても活用できます。

 

次の工事に活かせる

過去の実績データは、未来の利益を予測するための貴重なデータベースです。実際にかかった原価を正確に記録・蓄積しておくことで、次回の見積り作成において、より精度の高い積算が可能になります。

「過去の類似工事では実際にはこれだけのコストがかかった」という実態に基づいた見積りを行えば、安請け合いによる「受注段階での赤字」を回避できます。成功と失敗を数字として残し、フィードバックし続けることが、組織としての積算能力と提案力を高めていきます。

 

現場別原価管理の基本ステップ

効果的な原価管理は、単なる記録の積み上げではなく、PDCAサイクルを回す一連のプロセスとして捉える必要があります。

 

見積り原価の設定

まずは工事を受注する際、材料費、労務費、外注費などを積み上げて「見積原価」を算出します。これがすべての管理の「仮説」となります。

近年は資材や労務費の変動が激しいため、見積の段階で価格改定条項や見積り有効期限を契約に明記しておくといったリスク管理も、このステップに含まれます。正確な積算による見積り作成は、利益確保の第一歩です。

 

実行予算の策定

受注後、見積原価をもとにさらに費用を精査し、工事完了までにいくらかけるかを決める「実行予算」を策定します。

実行予算書は、単なる予算表ではなく「費用金額入りの施工計画書」としての性質を持ちます。現場監督を中心としたチームで、現場条件や工法の難易度を加味した精度の高い数値を設定し、承認を得ることで、現場の利益目標が組織として確定します。

 

実績の入力・集計

工事の進捗に合わせて、実際に発生した費用(実際原価)を工事原価台帳などに記録します。

建設業では工期が年をまたぐことも多いため、「工事進行基準」に基づいた売上・原価の分割計上や、一時的な支出を「未成工事支出金」として管理するなどの特殊な処理が必要になる場合もあります。
情報の鮮度を保つために、現場からの報告や発注・支払データを迅速に集約し、こまめに集計し続ける仕組みが求められます。

 

差異の確認と対応

「見積」と「実行予算」と「実際原価」の三者を比較し、差異が生じた場合はその要因を徹底的に調査します。

歩掛が悪化しているのか、不測の追加工事が発生しているのか。もし差異が許容範囲を超えている場合は、早急に工程の調整やコスト削減の交渉を開始します。
この分析結果を次回以降の見積りや予算策定にフィードバックすることで、会社全体の管理レベルを向上させます。

 

現場別原価管理が形骸化する原因

多くの企業が原価管理に取り組もうとしますが、実際には途中で頓挫したり、形だけの管理になったりするケースが少なくありません。その背景には、建設業特有の事情があります。

 

数字の更新が遅れる

現場からの情報の吸い上げが遅れ、事務方が数字をまとめる頃には工事が終わっている「事後報告」の状態では、管理は機能しません。

原価管理の本質は、異常を察知して「即座に打ち手に変える」ことにあります。情報の反映が1ヶ月、2ヶ月と遅れることで、赤字の兆候を見逃し、手遅れになってしまうことが形骸化の大きな要因です。

 

入力作業が負担になる

現場監督は施工管理、安全管理、施主対応などで極めて多忙です。そのうえで、使い勝手の悪いシステムや、複雑なフォーマットへの入力を強いると、現場の負担が限界を超えます。

結果として入力が後回しになったり、数字が適当になったりすることで、集計データの信頼性が失われます。
事務部門にとっても、現場ごとに異なるバラバラなデータを手作業で集計し、複雑な配賦(はいふ)作業を行うことは、膨大な負担となります。

 

管理目的が共有されていない

「なぜこの細かい入力が必要なのか」という目的が現場に浸透していないと、原価管理は単なる「上司への報告のための事務作業」になってしまいます。

数字を出すこと自体が目的化し、それを使って現場をどう良くするかという意識が欠如していると、管理体制は長続きしません。会社をより良く進めるための共通認識を持つことが、仕組みの定着には不可欠です。

 

現場にメリットが伝わらない

管理を行うことで、現場監督自身の仕事がどう楽になるのか、あるいはどう評価されるのかが見えないことも定着を妨げます。

逆に、管理の仕組みによって「自分の現場の利益が正当に視える化され、努力が評価に繋がる」というメリットを感じられるようになれば、現場の協力的な姿勢を引き出すことができます。現場と経営の双方にプラスになる仕組み作りが必要です。

 

Excel管理で起こりがちな問題

Excelでの原価管理は手軽に始められる一方、一定規模以上の工事や複数現場の同時進行には向かず、次のようなリスクを孕んでいます。

 

ファイルが乱立する

現場ごとにExcelファイルが作成され、さらには「最新版」「コピー」「修正版」といったファイルがフォルダ内に乱立することで、どれが正解の数字か分からなくなります。
情報の共有が阻害され、必要な時に必要な数字が見つからないという非効率が発生します。

 

計算ミスが起こりやすい

複雑な関数やセル間のリンクを使用したExcelシートは、一箇所の数式の誤りや、入力時のセルの上書きによって全体の計算が狂ってしまいます。

手入力によるヒューマンエラーは避けられず、間違った集計結果に基づいて誤った経営判断を下してしまうリスクは、会社経営にとって極めて危険です。

 

履歴管理が難しい

Excelでは「いつ、誰が、どの数字を変更したのか」の履歴を追跡することが困難です。
予算の変更や追加発注の経緯が不透明になりやすく、後から赤字の原因を振り返ろうとしても、そのプロセスを検証することができません。これは内部統制や透明性の観点からも大きな問題となります。

 

属人化から抜け出せない

特定の社員が作り込んだ「秘伝のExcelシート」は、その担当者以外には構造が分からず、担当者が不在になると管理が止まってしまう「属人化」を招きます。

これは技術やノウハウの継承を妨げ、事業承継を考えている2代目社長などにとって、経営の持続性を損なう大きな障壁となります。
業務を標準化し、誰でも同じ精度で管理できる仕組みへの移行が急務です。

 

現場別原価管理を定着させる方法

仕組みを形骸化させず、組織の文化として定着させるためには、現場と事務の連携を強化し、共通の指標で対話する環境を作ることが重要です。

 

現場と管理部門をつなぐ

現場で発生したコスト情報を、即座に事務・管理部門と共有できる体制を構築します。情報の橋渡しをスムーズにし、現場の「今」を事務側の仕訳や配賦作業にリアルタイムで連動させることで、会社全体の管理スピードを劇的に高めます。

 

数字を共通言語にする

「たぶん大丈夫だろう」という感覚的な対話ではなく、常に最新の実績値に基づいて、現場と経営が「共通言語」として数字を語り合う文化を醸成します。

異常値があれば即座に全員が気づき、その原因を前向きに議論できる環境を作ることで、意思決定の精度とスピードが格段に向上します。

 

継続的な改善につなげる

出た結果を単なる「過去の記録」として終わらせず、必ず次のアクションへのフィードバックに活用します。赤字になった原因を分析し、それを次の見積り作成や実行予算の組み方に反映させるサイクルを回し続けることで、会社全体の利益体質が着実に強化されていきます。

 

「要 〜KANAME〜」で原価を視える化

これらすべての課題を解決し、建設業の利益率改善を強力にサポートするのが、建設業向け原価管理システム「要 〜KANAME〜」です。

「要 〜KANAME〜」を活用すれば、煩雑なExcel管理や手書きの集計から解放され、現場ごとの利益推移をリアルタイムで視える化できます。
ITが苦手な方でも迷わず操作できる直感的なインターフェースにより、現場への定着もスムーズです。
見積り、予算などの各段階での利益を簡単に追えるため、低利益工事の原因分析も容易になります。

正確な現状を常に視える化しておくことは、経営者が適切な判断を下すための最大の武器となるでしょう。

 

 

 

現場別原価管理のやり方についてよくある質問

Q1:工事原価の4要素は何ですか?

A:建設業会計における工事原価は、一般的に「材料費」「労務費」「外注費」「経費(現場経費)」の4つで構成されます。
  • 材料費:工事に使用する資材や消耗品の使用額
  • 労務費:自社の職人に支払う賃金や法定福利費
  • 外注費:協力会社や一人親方へ施工を依頼した請負費用
  • 経費:現場事務所費、水道光熱費、リース料、現場用の保険など
 

Q2:工事原価には一般管理費も含まれますか?

A:原則として、工事原価に一般管理費は含みません。

工事原価は現場に直接紐づく費用で構成され、本社で発生する事務員人件費、本社家賃、広告費などは「販売費及び一般管理費」として区別されます。
ただし、実務上の意思決定のために、合理的な配賦基準(工事金額など)で按分し、案件別の「管理目的の採算」を試算することは有効です。

 

Q3:システム導入のメリットを教えてください

A:大きく3つあります。
  1. 入力業務の負担軽減:自動計算と一元管理で手間を削減
  2. ヒューマンエラーの削減:計算ミスや転記ミスを防止
  3. 計算業務の精度向上:リアルタイムな粗利把握で迅速な判断が可能
これにより業務が標準化され、特定の人に依存しない体制(脱・属人化)が構築できます。

 

Q4:外注費と労務外注費はどう使い分けますか?

A:施工そのものを丸ごと依頼するような請負契約は「外注費」、人材不足を補うための「応援」や、一定期間の雇用に近い形態は「労務費」に計上するのが一般的です。
システム(例:要 〜KANAME〜)を活用すれば、これらを明確に区別して管理でき、経理処理の迷いがなくなります。

 

Q5:ITが苦手な社員がいても運用できますか?

A:はい、可能です。
最新のシステム(例:要 〜KANAME〜)は、Excelに近い操作感や、直感的に操作できる画面設計を採用しています。また、導入から運用まで一貫したサポート体制がある提供会社を選ぶことで、操作方法の説明を継続して受けられるため、安心して移行を進められます。

 

Q6:赤字工事が発覚した後の具体的な対策は?

A:まずは原因を「材料費の高騰」「歩掛の悪化」「追加工事の未請求」などに切り分けます。
その上で、資材の代替品検討、協力会社との再交渉、あるいは施主への追加費用請求といった「即時的な対策」を講じます。これらは工事が完了してからでは手遅れになるため、いかに早く異変に気づけるかが勝負となります。

 

Q7:小規模工事が多くても現場別管理は必要ですか?

A:むしろ必要です。
一件あたりの金額が小さくても、数が多ければ小さな赤字の積み重ねが経営を圧迫します。小規模工事が乱立する業種こそ、システムによる一元管理で「どこで利益を落としているか」を明確に把握するメリットが大きくなります。

 

 

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