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  • 2025年12月02日

工事完了報告書とは?書き方や注意点をわかりやすく解説

建設業に関する知識
工事完了報告書とは?書き方や注意点をわかりやすく解説

工事完了報告書とは、請け負った工事が無事に完了したことを発注者に報告するための書類です。
この記事では、工事完了報告書の基本的な役割や目的から、具体的な書き方、作成・提出時の注意点までを網羅的に解説します。

初めて報告書を作成する方や、より分かりやすい書類を目指す担当者の方に向けて、記載方法も交えながら、作成のポイントを分かりやすく説明します。

工事完了報告書とは?その役割と目的を解説

工事完了報告書とは、受注者が発注者に対し、契約通りに工事が完了したことを正式に通知するための文書です。
この完了報告書には、工事内容の正当性を示し、成果物を確認してもらう重要な役割があります。

また、工事代金を請求する際の根拠資料となるほか、施工内容の記録として保管することで、将来的なメンテナンスやトラブル発生時の証拠としても機能します。
発注者との良好な信頼関係を維持し、円滑な取引を継続するために不可欠な書類と言えます。

 

作業完了報告書との明確な違い

工事完了報告書と作業完了報告書は、報告の対象となる範囲と目的に明確な違いがあります。
工事完了報告書が、契約した工事全体の完了を報告し、発注者による最終確認や検収、代金請求の根拠となるのに対し、作業完了報告書は、より短い期間や特定の工程の完了を報告するものです。
例えば、日々の業務報告や、大規模工事における一部の工程が完了した際に提出されます。

つまり、工事全体という大きな枠組みを対象とするのが「工事完了報告書」、その中の個別のタスクを対象とするのが「作業完了報告書」と区別されます。

 

工事完了報告書の提出は法的な義務?

工事完了報告書の提出自体を直接的に義務付ける法律は、建設業法などには存在しません。
しかし、多くの工事請負契約書において、成果物の一つとして提出が定められています。
契約書に提出義務が明記されている場合、その履行は法的な義務となります。
また、公共工事においては提出が必須とされるケースが一般的です。

法的な義務がない場合でも、工事の完了を証明し、代金を請求するための重要な証拠書類となるため、提出は実務上不可欠です。
提出を怠ると、工事の完了が認められず、支払いが遅延するなどのトラブルにつながる可能性があります。

 

工事完了報告書の基本的な書き方と記載項目

工事完了報告書は、誰が読んでも内容を正確に理解できるよう、定められた項目を過不足なく記載することが重要です。
一般的に、工事の基本情報を記す「工事概要」、具体的な作業内容を説明する「作業内容」、施工の証拠となる「工事写真」、使用した資材を記録する「使用部材・機材」、そして特筆すべき事項をまとめた「特記事項」などで構成されます。

これらの項目を正確かつ分かりやすく記述することで、発注者の確認作業がスムーズに進み、信頼性の高い報告書となります。

 

工事概要:工事名・場所・期間などを正確に記載

工事概要の欄には、その工事を特定するための基本情報を正確に記載します。
具体的には、「工事名」「工事場所」「工事期間(着工日と完了日)」「発注者名」「受注者名」といった契約内容に準ずる情報を明記します。
これに加えて、「報告書作成日」「報告書番号」「作成担当者名および連絡先」も記載することで、書類管理がしやすくなります。

これらの情報は、契約書や発注書と相違がないように注意深く確認することが不可欠です。
万が一、情報に誤りがあると、書類としての信頼性が損なわれる原因となります。

 

作業内容:実施した作業を具体的に記述

作業内容の項目では、契約に基づいて実施した具体的な作業内容を発注者に分かりやすく報告します。
どのような工程を経て工事が完成したのか、全体の流れが把握できるように記述することが求められます。
時系列に沿って作業項目を箇条書きにするなど、読みやすさを意識した構成が効果的です。

専門用語の使用は極力避け、誰が読んでも理解できる平易な言葉で説明することが重要です。
作業内容を明確に伝えることで、契約通りの施工がなされたことの証明となり、発注者の安心感につながります。

 

工事写真:施工前後がわかるように撮影・添付

工事写真は、施工内容と品質を視覚的に証明する上で非常に重要な要素です。
文字だけでは伝わりにくい施工の成果を客観的に示すことができます。
基本的には、工事着手前の状況を示す「施工前」、主要な工程ごとの「施工中」、そして工事がすべて完了した後の「施工後」の写真を添付します。

これにより、どのような変化があったのかが一目瞭然となります。
写真には、撮影年月日や場所、どの部分の作業かといった簡単な説明を加えることで、報告書としての説得力と正確性がさらに高まります。
隠れて見えなくなる箇所の写真も、品質を証明するために重要です。

 

使用部材・機材:数量や型番まで詳細に記録

この項目では、工事で使用した部材や機材の詳細を一覧にして記載します。
具体的には、「品名」「メーカー名」「型番」「規格・サイズ」「数量」「単価」「金額」などを正確に記録します。
見積書や仕様書に記載された通りの部材が使用されていることを発注者が確認するための重要な情報です。

正確な記録は、請求内容の透明性を高め、信頼性を担保する役割を果たします。
また、将来的に修繕やメンテナンスが必要になった際、使用された部材の情報をすぐに確認できるため、貴重な技術資料としても活用されます。

 

特記事項:トラブルや変更点などを明記

特記事項は、当初の計画から変更が生じた点や報告すべき特別な事柄を記載するための欄です。例えば、悪天候による工期の遅れ、発注者からの追加要望による仕様変更、作業中に発生した軽微なトラブルとその対応策などが該当します。

これらの情報を共有することで、後々の認識の齟齬を防ぎ、誠実な対応を示すことにつながります。特に報告すべき事項がない場合は、文脈に応じて適切な記載を検討することが重要です。

 

工事完了報告書を作成する3つの方法

工事完了報告書の作成方法は複数存在します。ExcelやWordのテンプレートを利用する方法は、手軽な選択肢の一つです。近年では、報告書作成機能を備えた工事管理システムやアプリを導入する企業が増加しており、これらのデジタルツールは作成効率の向上に貢献しています。

また、従来通り手書きで報告書を作成する方法も依然として用いられています。それぞれの作成方法には利点と欠点があるため、企業の規模、業務の流れ、そして管理体制を考慮し、最も適した手段を選ぶことが肝要です。

 

Excel・Wordのテンプレートを活用して作成する

ExcelやWordのテンプレートを利用する方法は、多くの企業で導入されている手軽な作成手段です。
インターネット上で無料で配布されているテンプレートも多く、初期費用をかけずに始められます。
使い慣れたソフトであるため操作が容易で、自社の運用に合わせて自由に項目をカスタマイズできる点が大きなメリットです。

一方で、案件ごとにファイルが散在しやすく、管理が煩雑になる可能性があります。
また、バージョン管理や複数人での同時編集が難しく、入力ミスや古い情報の上書きといったヒューマンエラーが発生しやすい点には注意が必要です。

 

工事管理システムやアプリで効率的に作成する

工事管理システムや専門アプリを活用すると、報告書作成業務を大幅に効率化できます。
多くのシステムには報告書用のテンプレートが用意されており、案件情報を入力するだけで簡単に見栄えの良い書類が作成可能です。
スマートフォンやタブレットに対応したアプリなら、現場で撮影した写真をそのまま報告書に添付できるため、事務所に戻ってから作業する手間が省けます。

クラウド上でデータが一元管理されるため、情報の共有や検索も容易です。
導入にはコストがかかりますが、報告書作成だけでなく、案件全体の管理や情報共有の円滑化に貢献します。

 

手書きで作成する場合のポイント

デジタル化が進む中でも、手書きで工事完了報告書を作成するケースは依然として存在します。
手書きで作成する場合、最も重要なのは、誰が読んでも判読できる丁寧な文字で書くことです。
走り書きや癖の強い文字は、誤解を招き、企業の信頼性を損なう原因にもなりかねません。

複写式の用紙を使用すれば、提出用と自社の控えを一度に作成できるため便利です。
しかし、手書きは修正が難しく、写真の添付やデータの長期保管、後からの検索性に劣るというデメリットもあります。
業務効率や情報管理の観点からは、段階的なデジタル化を検討することが望ましいです。

 

提出前にチェック!工事完了報告書作成時の5つの注意点

工事完了報告書は、作成して提出しただけでは完結しません。内容に不備があると、代金の支払いが遅れたり、発注者との間でトラブルが生じたりする可能性も考えられます。そうした事態を避けるため、提出前にはいくつかの重要なポイントを確認することが不可欠です。

ここでは、金額の事前合意や専門用語の扱い、提出のタイミングなど、特に注意すべきいくつかの点について解説します。これらの確認項目を徹底することで、スムーズな取引と信頼関係の維持につながります。

 

顧客と金額の認識を事前にすり合わせる

工事完了報告書は請求書と連動する重要書類であるため、記載する金額については、提出前に必ず顧客と認識を合わせておく必要があります。
特に、契約後に仕様変更や追加工事が発生した場合は、その都度、追加の見積書を提出し、顧客からの正式な承認を得ておくことが不可欠です。

このプロセスを怠り、報告書提出の段階で初めて追加費用を提示すると、「聞いていない」といったトラブルに発展しかねません。
金額に関する合意は、必ず書面やメールなど記録に残る形で行い、双方の認識に齟齬がない状態にしてから報告書を作成します。

 

専門用語の使用は避け、誰にでも分かる言葉で書く

工事完了報告書の閲覧者は、現場の担当者だけとは限りません。
発注者企業の経理担当者や経営層など、必ずしも建設業界の専門知識を持たない人が目を通す可能性があります。
そのため、業界内でしか通用しない専門用語や略語、隠語などの使用は避け、誰が読んでも作業内容を正確に理解できるような平易な言葉で記述することが重要です。

具体的な作業内容を分かりやすく説明することで、工事の透明性が高まり、発注者の信頼を得ることができます。
丁寧で分かりやすい報告書は、企業の誠実な姿勢を示すことにもつながります。

 

工事完了後は速やかに提出する

工事完了報告書は、工事が完了したら可能な限り速やかに作成し、提出するのが原則です。
提出が遅れると、工事の完了が正式に認められず、代金の支払いもその分遅れてしまいます。
また、時間が経つほど作業内容の記憶が曖昧になり、正確な報告書の作成が困難になる可能性もあります。

顧客にとっても、報告が遅いと不安を感じる原因となります。
正式な報告書が完成する前でも、まずは工事が無事に完了した旨を電話やメールで一報入れておくと、より丁寧な印象を与え、顧客満足度の向上に貢献します。

 

提出期限と提出先の担当者を明確にする

契約を交わす段階や工事の着手前に、工事完了報告書の提出期限と提出先を明確に確認しておくことが重要です。
特に、取引先が大規模な企業の場合、現場の担当者と書類を受け付ける経理・総務部門の担当者が異なるケースが少なくありません。
誰に、いつまでに提出すればよいかを事前に把握しておかないと、提出したにもかかわらず担当部署に届いていなかったり、社内手続きが滞ったりする原因となります。

確認した内容は口頭ではなく、メールなどの文書で記録を残しておくと、後々の「言った・言わない」のトラブルを防止できます。

 

控えは法律で定められた期間保管する

工事完了報告書は、その控えを保管しておくことが推奨されます。建設業法では、完成図や発注者との打ち合わせ記録、施工体系図など、営業に関する図書を10年間保存することが義務付けられています。工事完了報告書には保存期間の明確な定めはありませんが、これらと同様に重要な書類として扱われることがあります。

法的な義務を遵守するだけでなく、将来的に追加工事やメンテナンスの依頼があった際の参考資料となったり、万が一、施工内容に関するトラブルや訴訟が発生した際に、自社の正当性を証明する重要な証拠となったりします。すぐに取り出せるように、案件ごとに整理して保管することが望ましいです。

 

工事完了報告書の作成をもっと簡単・正確にするために

工事完了報告書は、発注者との信頼を築き、代金請求の根拠にもなる重要書類です。しかし実務では、「写真整理が面倒」「項目漏れが起きる」「Excel管理が煩雑」という悩みが絶えません。

そんな課題をまとめて解決できるのが、建設業向け原価管理システム 「要 〜KANAME〜」です。
現場で撮影した写真をそのまま報告書に反映でき、工事情報も自動で紐づくため、ミスや手戻りを大幅に削減。クラウド管理により、担当者間の情報共有もスムーズになります。

毎回の報告書作成に時間がかかっている方や、業務全体の効率化を図りたい企業にとって、「要 〜KANAME〜」は強力なサポートツールです。業務品質を高めたい方は、ぜひ導入をご検討ください。

スマホからでも簡単に工事完了報告書を作成!「要 〜KANAME〜」
 

まとめ

工事完了報告書は、工事の完了を証明し、代金請求の根拠となるだけでなく、発注者との信頼関係を築くための重要なコミュニケーションツールです。
記載項目を正確に、そして誰が読んでも分かりやすい言葉で記述することが求められます。
工事写真は施工品質を視覚的に証明する上で欠かせません。

作成にあたっては、テンプレートや工事管理システムなどを活用して効率化を図りつつ、提出前のチェックを怠らないことが重要です。
適切な報告書を迅速に提出する対応は、企業の信頼性を高め、継続的な取引へとつながります。

 

 

工事完了報告書に関するよくある質問

Q1. 工事完了報告書と作業完了報告書の違いは何ですか?

工事完了報告書は“工事全体の完了”を発注者に正式に知らせる書類で、代金請求の根拠にもなります。一方、作業完了報告書は“日々の作業”や“工程の一部”の完了を報告するための書類です。

 

Q2. 工事完了報告書に必ず提出義務はありますか?

建設工事において、契約書の作成・交付は建設業法により義務付けられています。 この義務は、請負金額や工事の規模にかかわらず適用されます。 契約書には、工事内容、請負代金の額、工事着手・完成の時期など、建設業法で定められた14項目を必ず記載する必要があります。

特に公共工事では、契約書の他に、入札金額内訳書や施工体制台帳などの提出も義務付けられている場合があります。 これらの書類は、発注機関によって異なる部分があるため、個別の指示を確認することが重要です。

 

Q3. 報告書に添付する写真はどの程度必要ですか?

基本的に「施工前」「施工中」「施工後」の3段階が必要です。隠ぺい部など後から確認できない箇所は、証拠として必ず写真を残すことが推奨されます。

 

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