- 2025年12月17日
【水道・電気工事業の経営者必見】損益計算書・貸借対照表の“ここ”を見るだけで経営改善できるポイントとは?
経営に役立つ知識

工事店を経営していると、日々の現場管理・顧客対応・職人手配などに時間が取られ、「経営数字」をゆっくり確認する暇がほとんどありません。
しかし、利益が出ていると思っていたのに資金が足りなくなる、仕事量はあるのに経営が苦しい──そんな状況は、多くの場合 「損益計算書」と「貸借対照表」の理解不足 と活用不足から生まれます。
本記事では、水道・電気工事店経営者が最低限押さえておくべき2つの決算書「損益計算書(PL)」と「貸借対照表(BS)」を、専門知識がなくても理解できるように解説します。
コンテンツ
1.水道・電気工事業にとっての「損益計算書(PL)」とは?
損益計算書は、1年間でどれだけ“儲かったのか”を表す表 です。損益計算書の理解は、工事店経営における「利益の見える化」に直結します。
損益計算書の基本構造(水道・電気工事業様向けに解説)
1. 売上高新築、リフォーム、修繕などの施工売上。
2. 売上原価
材料費・外注費(協力業者への支払い)など。
工事店ではこの部分を把握していないと「利益の出ない現場」が増え、経営が急速に悪化します。
3. 粗利益(≒売上総利益)
一般的に場合現場で“どれだけ稼いだか”を示す数字です。
ただし、厳密には多くの場合損益計算書だけでは出せず。正確な数字を出そうとなると工夫が必要です。
4. 販売費及び一般管理費
人件費、事務所家賃、広告費、車両費など。
工事店では特に“人件費”と“現場経費”が膨らみやすいのが特徴です。
5. 営業利益
本業で稼ぐことができた利益。
ここがプラスであれば経営は安定し、マイナスなら改善が必要です。
損益計算書が読めないと起きる問題
• 現場ごとの利益が把握できず、赤字現場が続く。• 売上はあるのに利益が残らない。
• 販売費および一般管理費(売上のためにかかった経費)が膨らんでいることに気づけない。
• 適切な見積単価や原価の想定がうまくいってるか認識できず、対応が遅れる。
2. 「貸借対照表(BS)」とは?
損益計算書が“1年の成績表”だとすれば、貸借対照表は”会社の健康診断書”です。貸借対照表の基本構造
1. 資産(会社が持っているもの)現金、売掛金、在庫(材料)、車両、工具、建物、土地、未成工事支出金(まだ完成していない工事で発生した費用や支出)など。
2. 負債(将来の支出など、何らかの義務が生じるものや一時的に預かっているもの)
銀行借入金、買掛金、未払金、未成工事受入金(工事完成前に受け取った代金)や退職給付引当金など。
3. 純資産(資産から負債を引いた残り)
資本金や利益剰余金など。
ここがマイナスになると、取引条件が厳しくなったり、掛取引ができなくなったり、金融機関からお金を借りることが難しくなったりします。
水道・電気工事店経営者が特に見るべきポイント
• 現金残高は十分か?現場数が増えるほど、先の支払いが増加します。手元資金は命綱です。
• 負債の返済スケジュールは重くないか?
多くの工事店が「借入返済の負担」で資金が枯渇します。
• 在庫(材料の持ちすぎ)が資金を圧迫していないか?
材料の買い置きは利益より先に“現金”を奪う要因になります。
3. PLとBSを両方見ないと、水道・電気工事業店経営は改善できない
損益計算書だけを見て「黒字だから問題なし」と思っていると、資金繰りで突然苦しくなります。逆に、貸借対照表だけ見て資産があると安心しても、現場が赤字では未来が描けません。
◎ PLが示すもの: 「儲かっているか?」(未来の利益)
◎ BSが示すもの: 「会社の体力はあるか?」(現在の安全性)
工事店が確実に利益を残し続けるためには、両者をセットで理解することが欠かせません。
4. 水道・電気工事店向け経営塾で学べること
本記事で基礎はつかんでいただけたと思いますが、実際の現場では次のような質問が多く寄せられます。• 「原価管理の正しい方法を知りたい」
• 「利益を生み出すにはどうしたらよいか」
• 「資金が足りない理由が分からない」
• 「金融機関に評価される財務の見せ方が知りたい」
• 「会社が生み出す生産性がどれくらいなのか知りたい」
• 「赤字工事を生み出さないためにすべきことは」
こうした課題に対し、弊社がご案内している経営勉強会の❝経営塾❞では実際の工事店の数字を用いた分析方法や、赤字を生まない見積り・現場管理術など、即実務で活かせる内容をお伝えします。
5. まとめ
工事店にとって「損益計算書」と「貸借対照表」は、単なる決算のための書類ではありません。利益を守るための“羅針盤”であり、会社を倒産させないための“警告灯” です。
数字が読めるようになると、
• どの現場が利益を生んでいるのか
• 無駄な経費はどこか
• 資金がいつ不足するのか
• 借入の最適なタイミング
が分かるようになり、経営判断の質が劇的に変わります。
しかし、損益計算書・貸借対照表は税務申告を主な目的として作成されます。
そのため経営分析に使用する際は留意するべきポイントがたくさんあります。
経営の数字を武器にするために、ぜひ一度経営勉強会にご参加ください。




