水道工事の職人から一歩ずつ「経営者」になっていく
経営者になるための教科書
職人から「経営者」になるということ
独立して経営者になった瞬間から、誰も指示を出してくれなくなります。営業から見積、現場、請求、納税まで、全部自分で考え、判断して動いていかなければなりません。
でも安心してください。
このページでは、独立したばかりのあなたが“なんとなくの経営”から卒業して、「確実に利益を残せる社長」になるまでのステップを、順番に整理しています。
すべて実務目線でまとめてあるので、上から順に読むだけで、経営に必要なことが身につきます。現場に出ながら、きちんと儲かる会社を作っていきましょう。
Contents
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独立前後に知っておきたい「経営者の心得」
いざ独立するとなると、今までとは全く違う「経営者の視点」で物事を考えなければなりません。
現場で仕事をするだけでは会社は回りませんし、どれだけ頑張っても、お金が残らない仕組みになっていたら意味がありません。
最初のこのステップでは、「経営者とはどういう存在か?」という基本から、独立直後に必要な手続きや士業との関係づくりまで、土台を築きます。
「何から始めたらいいかわからない」「相談できる人がいない」という方は、まずここから読み始めてください。
まずは仕事をとって、しっかり稼ぐ
経営において最初にやるべきことは、とにかく売上をつくることです。
「帳簿のつけ方」「会計のこと」は、まずは後回し。まずは現場に出て、仕事を取って、請け負って、稼ぐ。これが最優先です。
ただ、どんなに仕事をこなしても、お金がきちんと入ってこなければ意味がありません。
見積書や請求書の出し方、お客様や下請けとの関係の作り方、支払い・保険・経費の使い方など、現場の仕事以外に必要な“事務スキル”もここでしっかり身につけておきましょう。
「誰にも教えてもらえなかった基本」をここでまとめて押さえられます。
独立したばかりの頃は、どれだけ真面目に仕事をしていても、初めてのお客様から「この人、本当に大丈夫かな?」と警戒されることがあるため、見積書の出し方や作業中のふるまい、言葉遣いひとつひとつがそのまま信頼できる人かどうかの判断材料になります。
管理の習慣をつけて数字で見える経営へ
仕事の数が増えてくると、「なんとなく稼げてる」では通用しなくなります。
今月いくら利益が出たか?どの現場が赤字だったか?税金はどれくらいかかるのか?
こうした「数字の把握」ができていないと、気づいたときには資金が回らない…という事態にもなりかねません。
このSTEPでは、帳簿づけや経費管理、現場ごとの原価把握など、“経営者としてのお金の管理力”を育てるステージです。
会計ソフトの使い方や資金繰りのコツなども実例を交えて解説しているので、経理に苦手意識がある方でも大丈夫。
“数字が読める社長”への第一歩をここで踏み出しましょう。
経営者として判断力を鍛えて利益を守る
この段階に入ると、「忙しい=儲かってる」とは限らないことに気づき始めます。
利益の出るお客様、そうでないお客様。人を雇うか、自分だけでやるか。事務所を借りるか、自宅で続けるか。—— 経営には「どの道を選ぶか」という選択が常につきまといます。
ここでは、あなたの会社を「続ける会社」にするための“判断基準”を手に入れましょう。
短期的な視点ではなく、3年後・5年後も安心して続けられる会社をつくるには?という視点が必要になってきます。
信頼感を身につけて選ばれる会社へ
少しずつ売上が安定してきたら、次は「信頼される会社」になるための準備です。
いまやホームページやSNSでの発信は、名刺代わりどころか営業マンの役割を果たしてくれます。
また、見積・日報・工程表などの管理も紙や口頭では限界がきます。
ここでは、デジタル化や情報発信を通じて、「選ばれる会社」に変わるための仕組みづくりを学びます。
作業の効率が上がることで、余裕も利益も生まれます。
一人前の経営者へ向けて、今できることから
建設業で独立して経営者になったあなたは、すでに“現場に出られる職人”から“経営を担う責任者”へと立場が変わりました。
ただ、誰かが教えてくれるわけではないこの道で、何を学び、どう進めばいいのか悩む場面も多いはずです。
この教科書では、「仕事を取る」「管理する」「数字で判断する」「信頼をつくる」「会社を整える」という流れをステップで整理してきました。
上から順に1つずつ行動していけば、自然と「一人前の経営者」に近づいていける構成になっています。
次の行動に迷ったら
まずは【STEP1】からチェックし、自分が取り組めていないところを確認しましょう。
実践に役立つ資料も、必要に応じてダウンロードできます。
1つでもできたことがあれば、それは立派な「経営改善」です。
経営に“ゴール”はありませんが、続ける力と学び続ける姿勢があれば、必ず会社は良い方向に向かいます。
これからもこのページを“経営者としての道しるべ”として、必要なときに見返していただければ幸いです。