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一人親方が納める税金は?負担・節税・申告の基本をわかりやすく解説

独立のための教科書

一人親方として事業を営む際、税金は避けて通れない重要な課題です。多くの事業主が「いくら税金がかかるのかわからない」「損をしていないか不安」といった悩みを抱えています。

本記事では、税金の知識がない方でも理解できるよう、一人親方にかかる税金の種類から、具体的な負担額のシミュレーション、効果的な節税方法、そして確定申告の基本までを網羅的に解説します。この記事を読むことで、税金に対する不安を解消し、事業経営に役立つ知識を身につけることができます。

一人親方が支払う主な税金の種類

一人親方が負担する税金は複数あり、それぞれ計算方法や納付のタイミングが異なります。

所得税

1年間の事業所得(売上から経費を差し引いた金額)に対して課税される国税です。

計算方法
所得税の計算は3つのステップで考えます。
・収入から必要経費を差し引いて事業所得を算出します。
・事業所得から所得控除(基礎控除、社会保険料控除など)を差し引いて、課税所得算出します。
・最後に、求めた課税所得に税率をかけて所得税額が算出されます。

所得税率は課税所得によって区分されます。(一例)

課税所得所得税率
195万円以下5%
195万円超〜330万円以下10%
330万円超~695万円以下20%

納付のタイミング
確定申告期間は2月16日から3月15日までで、納税の期限は3月15日までです。申告と納付は同日でなくてもかまいませんが、期限までの納付が必要です。

住民税

居住地の都道府県や市区町村に納める地方税です。

計算方法
住民税は、課税所得に対して原則10%の「所得割」が課され、さらに数千円程度の「均等割」が加算されます。

納付のタイミング
確定申告後、翌年の6月頃に自治体から納付書が送付されます。通常、6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて納付します。

個人事業税

一部の事業を営む個人事業主に対して課される地方税です。建築業は法律で定められた70の対象業種に含まれます。

計算方法
事業所得から、事業主控除(一律290万円)を差し引いた金額に、税率5%をかけて計算します。つまり、事業所得が290万円以下の場合、個人事業税は課税されません。

納付のタイミング
毎年8月頃に都道府県税事務所から納付書が送付され、8月と11月の2回に分けて納付します。

消費税

サービスの提供や商品の販売に対してかかる税金です。

計算方法
課税売上高が「基準期間(原則:前々年)」で1,000万円を超えているかどうかで課税事業者か免税事業者かが判定されます。
課税売上高が1,000万円以下:免税事業者となり、消費税の納税義務はありません。
課税売上高が1,000万円超:課税事業者となり、原則として「預かった消費税(売上にかかる)-支払った消費税(仕入れ等にかかる)」を差し引いて納税します。

インボイス制度への対応
2023年10月から「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」が始まりました。免税事業者であっても請求書を発行すること自体は可能ですが、その請求書はインボイスとして認められないため、取引先は支払った消費税を仕入税額控除できません。
その結果、取引先から取引を敬遠される、実質的に課税事業者登録を求められるといったケースが増えています。取引先との関係性に応じて、インボイス発行事業者への登録を検討する必要があります。

納付のタイミング
課税事業者になった場合、課税期間(原則1月1日〜12月31日)分について、翌年3月31日までに消費税の申告・納付を行います。

効果的な節税方法と実践すべきこと

税金の負担を軽減するためには、以下のポイントを押さえることが不可欠です。

青色申告で節税効果を最大化

確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。一人親方には青色申告が圧倒的に有利です。

青色申告特別控除
所得から最大65万円を控除できるため、課税対象となる所得を大幅に減らせます。

赤字の繰り越し
事業で生じた赤字を翌年以降最長10年間繰り越すことができ、将来の所得と相殺して税金を減らせます。

家族への給与を必要経費に
事業を手伝う家族への給与を、条件を満たせば「青色事業専従者給与」として経費に計上できます。

青色申告を行うには、事前に税務署への届出が必要であり、日々の取引を複式簿記で記帳する必要があります。近年は、会計ソフトを利用することで、簿記の知識がなくても簡単に帳簿を作成できます。

経費の基本と帳簿管理

税金を減らす最も基本的な方法は、事業でかかった費用を経費として漏れなく計上することです。

経費になるもの
工具代、材料費、作業着代、現場までの交通費(ガソリン代)、事務用品費、取引先との接待費など。

経費にならないもの
プライベートな食費、個人的な買い物、家族旅行の費用など。

経費の証明には領収書やレシートが必要です。日々、発生した経費の記録と領収書の整理を習慣化することが、正確な確定申告につながります。

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税理士に依頼するメリットと費用

「確定申告の手間を減らしたい」「税金で損をしたくない」と考える場合は、税理士への依頼を検討する価値があります。

メリットデメリット
自身で対応・費用がかからない・確定申告に時間と手間がかかる
・税法に関する情報収集が必要
・計算ミスや申告漏れのリスクがある
税理士に依頼・税務の専門家による安心感
・適切な節税策の提案
・確定申告の手間が大幅に削減
・税務調査のリスク軽減
・費用が発生する

税理士への依頼費用は、年間の売上や依頼する業務範囲によって異なりますが、確定申告のみであれば5〜15万円が相場です。費用対効果を考慮し、自身の事業規模や状況に応じて判断することが重要です。

確定申告の流れとチェックリスト

確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算し、翌年の2月16日から3月15日までに行います。

確定申告チェックリスト

必要書類の準備
売上や経費がわかる書類(請求書控え、領収書など)、各種控除証明書(国民健康保険料など)、本人確認書類。

申告書の作成
国税庁のウェブサイトや会計ソフトを利用して作成します。

申告書の提出
青色申告特別控除65万円の適用を受けるには、e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存のいずれかを利用する必要があります。

申告期限を過ぎた場合、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があるため、期限厳守が求められます。

よくあるQ&A

Q1. 自宅兼事務所の場合、光熱費や家賃は経費になりますか?

A. 事業で使用している部分を**按分(あんぶん)**して経費にできます。例えば、自宅の床面積のうち仕事場が占める割合に応じて、家賃や光熱費の一部を経費として計上します。

Q2. プライベートでも使用する車の費用は?

A. 事業での使用割合分は経費にできます。日々の業務での走行距離などを記録しておくと、明確な根拠となり、税務調査でも説明がしやすくなります。

Q3. 消費税は納税しなくていい?

A. 基準期間(原則として前々年)の課税売上高が1,000万円以下であれば、消費税の納税義務は免除されます。この場合は「免税事業者」と呼ばれます。一方で、課税売上高が1,000万円を超えると「課税事業者」となり、消費税の申告・納税が必要です。

ただし、2023年10月から導入されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、免税事業者であっても消費税を請求することは可能ですが、その請求書はインボイスとして認められず、取引先は仕入税額控除ができません。そのため、取引先にとって負担が増えることから、取引条件が不利になる、あるいは取引を継続するために課税事業者への登録を求められるケースが増えています。

まとめ

税金の基本を理解することは、一人親方として事業を安定的に継続するために不可欠な知識です。日々の経費を正確に管理し、青色申告などの節税策を積極的に活用することで、手元に残るお金を増やし、経営をより安定させることができます。

本記事で解説した内容を参考に、早めの準備を心がけ、税金に対する不安を解消しましょう。

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  • お客様をどう見つけ、どう信頼を得るか
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