はじめに〜「そろそろ俺も独立か?」と思ったら読む記事
10年近く現場で汗を流してきて、「そろそろ自分の看板でやってみたい」と思うこと、ありますよね。とはいえ、いざ独立となると「何から手をつけたらいいんだ?」と不安になるのが正直なところ。この記事では、水道工事業で独立を目指す職人さんが、スムーズにスタートを切るために必要な準備と最初の届け出をわかりやすく解説します。
「なんとなく独立したい」では、現実はなかなか厳しいです。仕事の確保、資金繰り、資格の取得、行政への届け出…やることは山積みです。でも、焦らなくて大丈夫。ひとつずつ整理して動けば、確実に一歩ずつ前に進めます。
なぜ準備が大事なのか?〜現場感覚では通用しない開業のリアル
独立してもすぐに仕事があるとは限りません。段取りが悪ければ、開業直後に「仕事ゼロ」「収入ゼロ」という事態にもなりかねません。さらに、役所への届け出や必要書類の準備を怠ると、許可が下りずに業務ができない…なんてことも。
現場仕事の「段取り八分、仕事二分」という言葉、聞いたことありますよね?独立もまさにそれ。準備が8割です。ここを甘く見ると、せっかくの実力も活かしきれず、もったいないスタートになります。
独立前にやるべき5つの準備
1. 仕事の見込みを立てる
独立直後から収入があるように、元請けや知り合いの工務店、管理会社などに「独立予定」の挨拶をしておきましょう。「4月から一人でやります」としっかり伝えることで、応援の意味も込めて仕事を回してくれるケースは多いです。口約束だけでなく、LINEやメールなど記録が残る形でやり取りしておくと安心です。
2. 屋号・事業所の決定
屋号(事業名)は、名刺、請求書、看板、Webサイトなど様々な場面で使います。親しみやすく、覚えやすく、信頼感がある名前を選びましょう。また、事業所を自宅兼用にするか、事務所を借りるかで、経費の計上方法や郵便物の受取方法にも影響があります。賃貸契約の名義や業種制限にも注意しましょう。
3. 開業資金の確保
「思ったよりお金がかかった」は独立あるある。車両の購入・整備費、工具類、保険料、名刺や印鑑、スマホやプリンタなどの事務用品、登録料など、開業時には想定外の出費が続きます。さらに、すぐに売上が立たない月が続くことも考えて、最低でも3ヶ月分の生活費+100万円前後の準備資金があると安心です。
4. 資格と許可の確認
水道工事業では、「指定給水装置工事事業者」の登録が必要です。この登録がないと、自治体の給水工事を請け負うことができません。地域によっては実務経験証明や、特定の資格保有者の常駐が求められることもあります。建設業許可とは別物なので、混同しないように注意しましょう。
5. 信頼できる税理士・行政書士の確保
開業時の届け出、青色申告、建設業許可申請など、自分ひとりでは対応が難しい書類仕事もたくさんあります。特に税務は、後から「知らなかった」では済まされません。早めに相談できる税理士や行政書士を見つけて、顧問契約も視野に入れておきましょう。無料相談会や紹介サイトを活用するのも手です。
開業時に必要な届け出
個人事業主の開業届
税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。開業日から1ヶ月以内が提出期限です。郵送やe-Taxでも提出できます。開業freeeやマネーフォワード開業などの無料ツールを使えば、フォームに沿って入力するだけで書類が完成し、郵送まで代行してくれる場合もあります。
青色申告の承認申請
節税のために青色申告を選ぶのがおすすめです。特に65万円控除が使える「複式簿記」方式は大きなメリットですが、帳簿付けが難しいと感じるなら、税理士に依頼するか、会計ソフトの利用が前提になります。青色申告の承認申請書は、開業日から2ヶ月以内に提出する必要があります。
指定給水装置工事事業者の登録
水道工事を請け負うには、各市町村の水道局での登録が必要です。登録には次のような書類が求められる場合があります:
- 登記簿謄本(法人の場合)
- 住民票(個人の場合)
- 技術者証明(配管技能士など)
- 使用機材一覧
- 作業場の写真 など 申請から登録完了までに1ヶ月程度かかることもあるので、開業日を逆算して準備しておきましょう。
建設業許可(必要に応じて)
請負金額が500万円を超える工事を請ける場合は、「管工事業」として建設業許可が必要です。これには5年以上の実務経験や専任技術者の確保、財務要件などが求められます。最初のうちは無許可で可能な工事のみ請け負う方も多いですが、いずれ取得を目指すなら今から準備を始めておくと良いでしょう。
実例:先輩社長のリアルな声
「独立前に、水道局の登録が必要だって知らなくて、せっかく依頼をもらったのに請けられなかった。ちゃんと準備しときゃよかったよ」(38歳・開業2年目)
「開業届を出してない間は、正式に経費が落とせなかった。開業日を決めて、ちゃんと届け出しとくのは大事だね」(40歳・開業1年目)
「最初の数ヶ月、見積りも請求書も全部手書きでやってたけど、思いきってソフト入れたらめちゃくちゃラクになった。もっと早く導入しときゃよかったな」(36歳・開業3年目)
まとめ〜“準備力”があなたの武器になる
独立はゴールではなく、スタートです。現場では段取りが命だったように、開業準備もまた成功への第一歩です。今からできることを一つずつ、確実に進めていきましょう。準備不足で出遅れるのはもったいない。早めの行動が、未来の売上と信用を作ります。
あなたの背中を押すために、この記事が少しでも役に立てば嬉しいです。
独立前・独立後に知っておきたい情報公開中!
特設ページ「個人事業主としての独立するための教科書」では、独立前・独立後に知っておきたい基本知識から知っておくと得する情報や便利ツールなどを掲載しています!
ぜひご覧ください!
\【スイポ】サイトへのご意見募集してます/ 「こんなこと知りたい」、「ここが使いにくい」などの貴重なご意見を募集しております。