水道工事の職人から一歩ずつ「経営者」になっていく【経営者になるための教科書】公開中!

     
×

個人事業主の帳簿づけ入門!確定申告で困らないための記帳のコツを解説

独立のための教科書

はじめに~ 帳簿づけ、後回しにしていませんか?

独立して1〜3年目の水道工事業の個人事業主の皆さん、日々の業務に追われ、帳簿づけを後回しにしていませんか?

「請求書や領収書はLINEでやり取りしてるし、売上もなんとなく把握してるから大丈夫」と思っていても、確定申告の時期になると、どこから手をつけていいか分からなくなることもあります。

帳簿づけは、税務申告のためだけでなく、事業の健全な運営や将来の発展のためにも欠かせない作業です。自分自身の業務やお金の流れを「見える化」することで、日々の判断がスムーズになり、取引先や金融機関からの信頼にもつながります。

この記事では、帳簿づけの基本から、実際の記帳方法、注意点、さらには会計ソフト活用のヒントまでをわかりやすく解説します。

1. 帳簿づけの重要性

帳簿とは、事業の収入や支出を記録するための書類であり、言い換えれば「事業のお金の履歴書」です。

個人事業主であっても、帳簿の作成と保存は法律で義務付けられており、曖昧な管理では済まされません。帳簿を正しくつけることで、以下のようなメリットがあります。

  • 正確な所得の把握ができる(=納税額の根拠が明確になる)
  • 税務申告がスムーズに行える(提出資料が揃っている)
  • 経営状況の分析や改善に役立つ(無駄な支出の発見など)
  • 税務調査に対応できる(記録が整っていることで指摘が少なくなる)

特に、今後融資や補助金の申請を検討している方は、帳簿が整っていないと信用力に大きく影響します。将来的な事業展開のためにも、日頃からの記帳習慣を大切にしましょう。

2. 青色申告と白色申告の違い

確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。

青色申告

  • 最大65万円の特別控除が受けられる(複式簿記での記帳が必要)
  • 赤字を3年間繰り越せる(将来の黒字と相殺可能)
  • 家族への給与を経費にできる(専従者給与の制度)
  • 事前に「青色申告承認申請書」の提出が必要(開業から2か月以内が目安)

白色申告

  • 控除額はない(特別控除なし)
  • 記帳の義務はあるが、簡易な方法でよい(単式簿記でOK)
  • 事前の申請は不要(誰でも行える)

青色申告は手間がかかるように思えますが、控除や節税効果が高く、長期的な視点で見れば有利です。特に収入が増えてきたタイミングで、青色申告への切り替えを検討しましょう。

3. 記帳方法の種類

帳簿の記帳方法には「単式簿記」と「複式簿記」の2種類があります。

単式簿記(簡易簿記)

  • 収入と支出を1つの勘定科目で記録する方法
  • 家計簿のようなイメージで扱いやすい
  • 白色申告や青色申告(10万円控除)で採用可能

複式簿記

  • 1つの取引を「借方」と「貸方」の2つの勘定科目で記録する方法
  • 取引の原因と結果を明確に記録でき、財務諸表(貸借対照表・損益計算書)が作成可能
  • 青色申告(65万円控除)で採用が必要

複式簿記に不安がある方でも、最近では会計ソフトが自動で仕訳をしてくれるため、実際に手書きで計算する必要は少なくなっています。まずは仕組みだけでも理解しておくと安心です。

4. 帳簿の種類と内容

帳簿は「主要簿」と「補助簿」に分けられます。それぞれの役割を知ることで、記帳の全体像がつかめます。

主要簿

  • 仕訳帳:すべての取引を日付順に記録する帳簿。記帳の出発点。
  • 総勘定元帳:仕訳帳の記録を勘定科目ごとに整理した帳簿。月末や期末に集計します。

補助簿

  • 現金出納帳:現金の入出金を記録。現金取引が多い事業者には特に重要。
  • 預金出納帳:銀行口座の入出金を記録。通帳と照らし合わせて管理。
  • 売掛帳/買掛帳:掛取引(後払い)の管理に使用。未収・未払いの状況が分かる。
  • 固定資産台帳:トラックや工具など、事業に使う高額資産を記録。

どの帳簿が必要かは業種や事業規模によって異なりますが、まずは「現金出納帳+仕訳帳+総勘定元帳」の3点セットから始めるとよいでしょう。

5. 記帳の実例

以下に、複式簿記での記帳例を示します。

例1:現金で材料費5,000円を支払った場合

  • 借方:材料費 5,000円
  • 貸方:現金 5,000円

例2:銀行口座に売上10,000円が振り込まれた場合

  • 借方:普通預金 10,000円
  • 貸方:売上 10,000円

例3:電気料金(経費)を口座振替で支払った場合(3,000円)

  • 借方:水道光熱費 3,000円
  • 貸方:普通預金 3,000円

取引が発生するたびに仕訳帳に記録し、定期的に総勘定元帳へ転記します。

6. 記帳のポイントと注意点

  • 定期的に記帳する:週に1回は帳簿をつける習慣を。
  • 領収書や請求書を整理する:日付順や科目別でファイル保管。
  • 事業用と個人用の口座を分ける:混在させると経費の根拠が不明瞭に。
  • 現金の出入りに注意:レシートの取り忘れや現金管理ミスがトラブルの元。
  • 会計ソフトを活用する:自動仕訳・レポート出力など機能が豊富で初心者におすすめ。

特に「freee」「マネーフォワードクラウド」「弥生会計」などのクラウド型会計ソフトは、スマホでも使えるため、現場の空き時間でも記帳が可能です。

7. 帳簿の保存期間

帳簿や関連書類の保存期間は以下の通りです。

  • 青色申告:7年間(法定帳簿は原則)
  • 白色申告:5年間(簡易帳簿でOK)

保存対象には、帳簿だけでなく、領収書・請求書・納品書・契約書・振込控えなども含まれます。

紙だけでなくPDFや画像などの電子データでの保存も認められていますが、「検索可能性」「保存性」の観点でルールがあるため、電子保存制度に従う必要があります。

まとめ

帳簿づけは、事業の健全な運営や税務申告のために欠かせない作業です。

最初は難しく感じるかもしれませんが、基本を押さえ、定期的に記帳することで、確実にスムーズな管理が可能になります。

小さな業務改善が、後々の負担を大きく減らします。未来の自分のために、「日々の記帳」を今から始めましょう。

将来的には青色申告を目指し、複式簿記にチャレンジすることをおすすめします。

「とりあえず独立したけど、営業や経営は初めてで手探り状態…」
そんな独立1〜3年目の水道工事業の社長に向けて、仕事を安定させる前段階から役立つ情報をまとめたページをご用意しました。

このページでは、

  • まず何を準備すればいいか
  • お客様をどう見つけ、どう信頼を得るか
  • 少しずつ仕事を増やしていく方法

など、職人から経営者へとステップアップするための具体的なヒントを解説しています。
独立したてで「これからどう動けばいいか」に悩んでいる方はぜひご覧ください。

\【スイポ】サイトへのご意見募集してます/ 「こんなこと知りたい」、「ここが使いにくい」などの貴重なご意見を募集しております。

タイトルとURLをコピーしました